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プロローグ
今、東京の空を急降下している。
美しくライトアップされた東京タワーが見える。
夜の東京は満点の星空のように美しい。
いえ、そんなことを言っている状況ではない。
大物を敵に回してしまった。
だからヘリコプターから落とされる。
パラシュートもつけずに。
私は、多くの有力者の悪事を暴いてきた。
不正の事実を週刊誌に売り、世の中に暴露した。
また、女を食い物にする男達もこの世から排除してやった。
男は女を守る生き物。女を不幸にしてはいけない。
それが原因で、自殺した人もいる。
だからと言って、彼らの不正や悪事が許されるわけではない。
私が悪いわけでもない。
私は、世の中を少しでも良くするために必死だった。
弱い者から搾取をしてぶくぶくと太る悪者を排除する。
女を食い物にしている男に制裁を下す。
その中で、妹の病気を治すために少しだけお金はもらった。
労働の対価で、それ自体、何も悪いことなんてない。
でも、それが怒りを買ってしまったのだと思う。
顔にはすごい風があたり、落ちてるのに宙に浮いてるよう。
いえ、地面はどんどん近づいている。
でも、なんとしても生き延びて、これからも不正を暴かないと。
私の名前は、今井 花子。トイレの花子さんと呼ばれている。




