バンドはじめました。
「バンドやろーぜ」
ボクは、そう言った。
言ってしまった。
考えればそこから何か動き出したのかもしれない。
数分前。
ボクとだいきは、駅の前を歩いていた。
まだ日が沈む前、
ボクはまだ高校入学して間もない高校生である。
しかし、よく入学できたものだ。
学力なんて平均以下、授業中爆睡、唯一の取り柄は、綺麗でかわいい顔。って自分で言っていいのだろうか。
まぁそれは置いといて、このだいきはクマみたいなかわいい顔して、体は細マッチョ、・・・モテる奴。
モテ過ぎて腹立つ。
歩きつかれて適当なところに腰掛けてボクは、ポケットからタバコを取り出した。
「あ、一本頂戴」とだいきは疲れた顔で言った。
ライターで火を付けふぅと一息ついた。
「なぁだいきベースやってるんだよな」
「ん?あぁ」と、点かないライターを何度もカチカチ音を立てながら火をつけようとする。
「だいき、なんかビッグになりたくねーか?」
だいきは拍子の抜けた顔で「は?」と聞き返す。
タバコを吐き出して、「俺ギターやってんだけどさ、バンド組まないか?」
「あのねビッグになるにも努力ってもんがあるのよ?バンド組んでほいほいビッグになれるもんじゃねんだよ、お分かり?」とまじめな顔で言う。
「うるせぇ」と灰を落としてボクは言った。
「バンドやろーぜ」
ボクは吸い終わったタバコを投げて言った。
だいきは、「仕方ねーな」と言ってボクに顔を向けた。
「火がつかねーんだけど」
「・・・・」
そして僕たちの青春(?)は始まった。
ひろきって何考えているかわかんねぇ。
いきなりバンド組もうぜなんて。
俺は昔少しバンドやってたが。
バンドって言うほどのものじゃねぇ、ただのおしゃべり会だ。
いつもあんな元気ハツラツなあいつがまじめな顔で言うなんて。
何も考えてなさそうなあいつ。
しかしどこか魅かれるところもあった。
ひろきは意外とモテる野郎だ、
しかしひろきは気がついていないようだけど、
あいつの綺麗な顔・・・、ちょっとうらやましい。
細くて綺麗な指、細い体、綺麗なうなじ、
・・・いやいや何考えているんだ・・・。
たまに見せる悲しい顔が、俺は好きだ。
いやそういう意味じゃなくて、
純粋に、
いや純粋だとちょっと厳しいかな・・・、
「どうしただいき?」
ひろきが顔を覗かせる、
ちっ・・・綺麗な顔しやがって、
ほれてまうやろ・・・、
「いや・・・なんでもない」
なんでもなくない・・・、
女みたいな顔を、しやがって・・・、
「なぁドラムやボーカルは決まってるのか?」
何かをごまかすように話題を変えた、
「まだなんだよ・・・ま、そのうち見つかるでしょ」
なんてのんきな野郎だ、
そんなんじゃ見つかんねーよ・・・、
日が完全に沈んで夜になった、
大体夜になるとひろきの顔が悲しそうな顔になる、
「ふぅー夜ってやだね」
ひろきが悲しそうな顔で言った。
「なんでだ?」
「だって女の子がいないんだもん」
なんだ寂しくなるだけか、
ひろきは感情が顔に表れる奴だからな・・・、
いきなりひろきの顔がぱっと明るくなった、
「お、女の子!しかも、かわいいじゃん!ちょっと声かけてくる!」
・・・ひろきはなに考えて生きてんだ?
「おまたせ」
ぼくは息を切らしながら言った、
「おせーよ早くしねーと電車来ちゃうよ」
だいきが眠そうな顔でボクに言った、
「あーあー朝なんて嫌いだ!」
といいながらポケットから煙草を取り出した、
「もう電車来たよ!」
「一服ぐらいさせろ!糞電車!」
ボクは電車に向かって唾を吐いた、
「なぁ今日は遅れていこうぜ」
ぼくはだいきに手を合わせて頼んだ、
だいきは断るはずもなくわくわくした顔で「仕方ねーな」と言った。
ボクとだいきがいつも行く公園・・・、
周りは木がいっぱいで近くで川が流れてて、
人がまったく来ないと言うサイコーの場所、
「なぁだいき」煙草に火をつけて言った、
「バンド名何にする?」
「んー・・・・、」
だいきは考えてる様子も無くただ言った。
「なんか黒いものがいいよね」
「そうだなー・・・・」
「ちょっと真面目に考えろよ・・・」
ボクはちょっとイラっとした、
「イチゴくいてーなー」
「ふざけてんのか!・・・・あ、」
ボクは思いついた、
「なぁBLACK STRAWBERRY、ってどうだ?ちょうどここはイチゴが有名だしさ」
「おまえ・・・いいねかっこいいぜ、」
だいきは目を輝かせて言った、
「だろ?」ぼくは鼻を高くしていった、
そうして僕たち「BLACK STRAWBERRY」は動きだし運命の歯車とやらも動き出した。
つづく・・・、
なんかノリ?で作った感じなんですけど。
実際に存在いたします、
あの馬鹿二人は、
バンドもやってます、
実際にモテますあいつは!だいきは!
でも大体実際とちょっと大袈裟に言うところもあるのでご了承ください、