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異世界に転移したら、機動兵器が戦う戦場のド真ん中!(仮)

作者: 麻の葉りり

初めてのSFモノ。

兄がガンダム他好きで、お兄ちゃん子だった私もくっついて見てたら好きになったという。

でも難しい・・・。 長めですがご容赦ください。

1人の男性がメモを見つつぶつぶつと呟く。

「術式間違いなし。

目標座標最終確認・・・間違いなし。

忘れ物もなし。出発準備完了。


それでは陛下、ファンクォーツ魔導王国

王宮魔導師団特別研究員アルマート・ヴァータイト、稀人の遺品届け及び現地調査の為、

『サリュア連邦移住惑星ソーラ』へ行って参ります」

メモを懐に仕舞うと見守っていた国王に礼をする。


ランドリュー・ファンクォーツ。

肩までのホワイトシルバーの髪に瑠璃色の瞳の

ファンクォーツ魔導王国 国王。


「うむ。

アルマート・ヴァータイト特別研究員、頼んだぞ。

転移した先が、どういう世界か事前に調査できれば良かったのだが、仕方ない。

調査用の魔導機械は完成しているが、

今の術式では、行きの道を短時間開けるだけ。

魔導機械は自力で帰還は無理。

分かっているのは、稀人が搭乗していた機動兵器があり、何者かと戦っているという事だけ。

魔装騎士(マギアナイツ)も持たせたかったが、

人1人が転移するのがやっとで無理。


まあ規格外の其方なら、何かあっても生きて帰ってくるだろう?

通常魔導師数名で行う超長距離転移魔術を1人で行えるのだから。

≪疾風のアルマート≫よ」


国王が話しかけたのは、

王宮魔導師団所属の魔導師

アルマート・ヴァータイト。

肩につかないマラカイトグリーンの髪に常盤(ときわ)色の瞳。シャツにパンツスーツ姿の男性。


ちなみに魔装騎士(マギアナイツ)とは、この世界に漂う『マナ』=(魔力の事)で動く人型の魔導兵器である。

(パイロットは操騎士や操者と呼ばれる)

数百年前に現れた「混沌の魔神王」と、

「魔神王」が放った害ある魔力を持つ化け物=混沌の魔獣(カオスビースト)を倒す為に開発された。


「魔神王」を倒した後は「魔神王」が残した

混沌の魔獣(カオスビースト)」を発生させる瘴気とそこから発生した混沌の魔神(カオスビースト)の排除、

人間同士の戦争の道具として使われている。


「まあ自分が規格外だって事は分かってますけど。

確か『地球』に最初に向かった時は不審者扱いされて【銃】で撃たれそうになりましたね。

格好が格好でしたし。

偉い人とすぐ話せたから良かったですが。


でも着いたらあの稀人が乗っていた機械兵器が目の前にいて攻撃してきました、なんて事になったら、

逃げるの大変なんですが。まあ帰りの魔力が溜まるまで死ぬ気で頑張ります。


調査用の魔導機械と術式の改良はもう少しで問題解決ってトコですかね?

帰って来たら再開するので。

それでは行って来ます」


そう言って何もない空間から杖を取り出し、

軽く振り、言葉を紡ぐ。

"次元を飛び、我が身を彼の地へ"

[次元転移(ダイメン・トランジ)]

その言葉を合図に魔法陣が展開・発光し、アルマートは天に伸びる透明な膜に包まれる。


(さて、何が待ってるかな?)

そう思いつつこの世界から旅立った。


         ***


轟音が鳴り響き、ビームやミサイルが飛び交う。

鋼鉄の残骸がそこかしこにある。

そんな場所に魔法陣と天に伸びる透明な膜が現れる。

膜が消えていき、周りを見渡したアルマートは眉を寄せた。


「転移成功。って戦場、しかもド真ん中?。

空気薄いし砂埃ヤバいしフィールド張ろ。

稀人、アレらと戦ってたのかね?」

視線の先にはデカいサソリ。

ただし殻のような部分は鉄の様な物で覆われており、触肢と毒針部分からはビームを発射している。

他にもムカデや蜂や蜘蛛、空には鳥の様な見た目を持つ兵器達がビームやミサイルを発射したりしている。


ビームの先を見ると、稀人が搭乗していたものと同じ姿形の機動兵器がいて、

ビームやミサイルを躱し、時々サソリ達にビームを撃ち返している。

「うーん、このままここにいたら危ないよね。

逃げるか・・ってお?」

とこからか放たれたビームがサソリを貫き爆散。

その後蜂、鳥、蜘蛛にミサイルが次々命中し爆散。

ふと見ると、見た事のない機体が接近し

ムカデの装甲の隙間にサーベルを突き立て動かなくなったのを確認後、

真っ直ぐこちらに向かってくる。


「あれが墜としたのか。他と形がちょっと違う。

僕の所に真っ直ぐ来る」


減速させ目の前で止まると片膝をつき、こちらに左手を伸ばす機体。

「君、手に乗って!早く!!」と女性の声。

(言語翻訳の魔法で何を言っているかバッチリ分かる)


よいせと乗ると手が操縦席の所まで近づく。

それと同時に関が開き中が見える。ヘルメットをしているが女性だ。驚いている。

「入って」という声に従い入ると閉まる。

(因みにフィールドは解除した)


「こちらエッジ2、民間人保護完了」

「エッジ・マム、了解。

直ちにシェルターへ向うように」

通信をし終えると、

ヘルメットのバイザーを開いて顔を見せるパイロット。

黒目黒髪。

「貴方、ノーマルスーツを着ないまま戦場の真ん中にいるなんて正気!?

そもそも何故あんな所にいたの?

民間人は全員シェルターにいるはず」


険しい顔で尋ねてくる。さてどう答えようか?

沈黙しているとピーピーと音がする。

「動くから頭ぶつけないで!」

そう言うと操縦桿を動かしつつペダルを踏み込む

パイロット。

機体が立ち上がり飛び退るのとほぼ同時に、

それまでいた場所を何かが通り過ぎた。

「おおう何だ?」と言い、正面の画面を見ると、


「虎?あの牙と爪ヤバそう」

見た目は虎に似た兵器がいた。

顔の牙と爪の部分が鋭い。

「まあ見た目は虎ね。兵器だけど」

パイロットが答える。

と、虎がこちらに突進してきて鋭利な爪で飛びかかって来た。

それを躱しつつ左手に持ったショートソードを投げ付ける。

背中に刺さり、動かなくなる。

「おお凄い。動力部分を的確に狙ったのかな。

あ、僕アルマート・ヴァータイト。

こことは異なる世界から来た魔導師。よろしく」

いきなりの自己紹介に困惑するパイロット。

「へ?異なる世界?何を言って」

ピピピ、と音がしてモニターに人が写る。

女性だ。

「エッジ2、オトハ?民間人は保護した?」

「隊長!民間人1名、無事保護しました。

ただ不可解な事を言っているのですが」

「不可解?」

「ええ実は・・!?」

ビービーとけたたましく鳴るアラート。

画面には次の文字。

      《警告:敵増援》

《母艦有 人型確認》

     

「敵の増援!?しかも母艦に人型も?」

ピピピ

「エッジ・マムからエッジ小隊各機 敵母艦1

人型100、現在惑星ソーラに降下準備中。

エッジ2は護送を中止して小隊に合流、

合流後、エッジ2を中心にF(フォーメーション)デルタを展開してこれを迎撃せよ」

また若い女の子の声。


「エッジ1了解。オトハ、すぐに戻って。

民間人の方、申し訳ないけれど、もう少しだけそこにいて下さい。

貴方は必ず守ります」


そう言うモニター越しの隊長。

「エッジ2了解」「エッジ3了解」 「エッジ4了解」

プツンとモニターが切れた後、

オトハにアルマートが声をかける。

「ヤバいやつ?」

彼女は少し考えた後答える。

「まあ、ね。まずは隊長達と合流します」

そう言うと方向転換させ全速力で駆ける。


「母艦、大きいの?」

アルマートが言うと迷いながら答えるオトハ。

「大きいわよ。でも『人型』が100機か」

「嫌そうだね」

「さっきの『動物型』より強くて厄介だから」

ピリピリとした雰囲気を纏い出すオトハ。

「女の子の声したけど?」

「ああ、部隊のオペレーター。私の先輩」


突然ビービーとアラート

モニターには

        《敵降下中》

        《攻撃確認》

    

映るのは落下してくる大きな物体と数十体の小さな物体。

それらからビームが発射される。 

    

       《回避モード:ON》


機体が回避行動を取る。

「お?勝手に動いた?」

「オートで回避してくれるのよ。でも数が多いか。

オート解除!!マニュアルへ!」

そういうと操縦桿とペダルを操作する。

空から降り注ぐビームとミサイルを避け距離を取る。


人型は減速しつつ着地しすぐ方々に散り、

戦艦は着陸後数秒すると口?が開き

土煙の中から動物型がわらわら出て来て

ビームを放ってくる。

戦艦の見た目はクジラの様に細長い。

上下左右に艦砲やミサイル発射管が設置してあり、そこからビームやミサイルが発射されている。


人型は細身で手先に太くて長い剣の様なものが付いているものから、

ずんぐりむっくりで指先に穴が空いているものなど様々。


1機の人型にロックされた瞬間。

凄まじい速さで突っ込んで来て剣を突き出して来た。

「うわ速」 

避けつつその背中にライフルを撃つオトハ。

だが敵はそれをくるんと曲がる事で躱し、

そしてまた真っ直ぐ突っ込んで来る。

左腕を突き出し指先からマシンガンの様に連射。

それを躱しつつミサイルとライフルを撃つが右に左にひらひら躱わす。


舌打ちしたオトハはサーベルを取り出す。

敵が剣を突き出して来た瞬間避けつつ剣を斬り、

敵がこちらを向きマシンガンを撃つ前に胴体を斬り裂く。

火花が散り爆散する敵。


一息つく間も無く横から放たれたミサイルを盾で防ぐ。

間髪入れずにライフルを撃つが盾で防がれる。

ならばとミサイルを放ち敵がミサイルを迎撃している隙に死角に入り、

ライフルで胸の真ん中を撃って敵を堕とす。 


「なんか次々とこっちに来ない?人型。

動物型ドコよ!?あと味方!」

疑問を口にするアルマート。

「動物型は全部ソーラ基地所属の部隊と交戦中!

隊長達は他の人型と戦闘中!」

オトハがモニターに映る敵味方の現在地を確認しつつ呟く。

「このままだと孤立する。

隊長達も人型と戦っているし、

私達をここで堕とす気?」


と、またアラート。モニターには


     《敵機接近中 人型 数30》

《接敵まで 120秒》


「ねえ、この赤いの全部敵?

一気に来られたら堕とされない?

味方は別の敵と戦ってて、こっち援護できるのいなさそうだし。

仮に全機撃破出来てもあのバカでかい母艦、

堕とさなきゃでしょ?どうやって堕とすのアレ?

あとこっちって戦艦ないの?」

矢継ぎ早にアルマートが聞いてくる。


「私達の戦艦は宇宙で他の敵戦艦と戦ってるわ。

方法ね・・・」

「あるの?」

「この機体、動力にリミッターがかけられているの。

動力を安定させて機体を動かす為にね。

それを外せば一時的に機体の出力が上がる。

でも私はリミッターの解除方法は教えてもらっていない」


なるほどね、とアルマートは思った。

「それじゃ、リミッター解除の仕方を聞くって出来ない?」

「無理よ!

解除の方法を知っているのはグラジオス・・・

戦艦にいる博士だけれど、教えてくれないと思う。

過去に事故があってから、厳重にリミッターをかけたの。誰も解けないようにって。


って貴方それ何?」


ふーんと言いながら杖を取り出したアルマート。

シートの向こう側を見る。

「動力炉ってのはこの後ろあたりかな?

ちょっと覗くよ」

「何を言って・・・?」

困惑するオトハに構わず杖を向ける。


[透視(クレアボイヤン)]

唱えると、内部構造が見える。

(動力動力・・・あ、あったこれだな?

確かになんかされてるみたいだけど。

記憶を覗くか?)

透視を解くと目を閉じる。


"遡り、我に見せよ"

[記憶覗き(ピークイントメモリー)]

ぐんぐんと記憶を辿っていく。

この機体の動力炉が作られ付けられた、

数年前まで。


物や場所に残っている記憶を辿る魔術。

遡るのは数時間までが限界だった。

それをアルマートは術式を改良して可能にした。

ただし膨大な魔力も必要な為、アルマートくらいしか使い手がいない。


(あった、これだな?

あ、なんかいろいろ入力してる。

面倒だな・・・ん?)

ロックをかけていた男性が、

コクピットシート横の赤いボタンを押す。

モニターにパスワード入力欄が出てきて、

そこに入力する。


「動力炉リミッター解除パスワード、設定完了。 

これで危機に陥った時、パスワードを入力すれば解除可能っと。

解除なんて危ないのに、設定してしまったよ。

使ったら機体はボロボロになるし

限界迎えたら動かなくなるから敵の的になるのに。


パイロットに教えるのはどうしようか」

そう言ってコクピットから出ていく男性。


そこまで見てアルマートは術を解いた。

「オトハさん、リミッター解除方法分かったよ」

「え?嘘」

「ホント。危機に陥った時用に解除のパスワード作ってたみたい。

どうする?使う?」

暫く沈黙したあと

「使うわ。このままだと、やられるもの。

生き残ってから処分は受けるわ」

覚悟を決めた顔をしたオトハにニコット笑う。


「そんじゃやるぞー、時間ないし」

コクピット横を覗く。赤いボタンがある。 

ポチッと押すとモニターに

    フルパワーモード解除コード

    ⬜︎ ⬜︎ ⬜︎ ⬜︎ ⬜︎ ⬜︎ ⬜︎ ⬜︎ ⬜︎ ⬜︎


「お、出た出た。入力は・・・これ?」

色々なボタンのなかにある入力ボタンを見つけ、

入力する。


    フルパワーモード解除コード

    H I G Y T C B O L 7

解除しますか? GTNXC-05ベルラト 汎用型

 パイロット 桜羽・愛澤 オトハ・アイザワ

「解除するわ」

オトハがそう言うと

了解・・・・・・・解除完了

フルパワーモード解除  持続時間300秒


パワーがあがり、機体名ベルラトのツインアイがキラリと光る。


「パワーが上がっていく・・・凄い、これなら」

操縦桿をギュっと握る。


ビービーとアラートが鳴り

      《敵機人型 数30》

       《会敵します》

と表示される

「制限時間内に全て片付ける!」

向かってきた敵をすれ違いざまサーベルで斬り捨てる。「1!」

そのまま次の敵にライフルを向け撃つ。

避けられたが後ろにいた敵に命中、爆散する。

「2」

避けた敵が斬りかかってきたのでサーベルで受ける。

サーベルとサーベルがぶつかり合い、バチバチと火花が散る。

オトハはライフルを後ろに仕舞い、腰からサーベルを取り出し左手に持った後勢いよく振り抜く。

切り裂かれた敵から火花が散り、数秒後爆発する。

「3」

そのまま次の敵に接近、

サーベルを一閃させ胴体を腕諸共斬り飛ばす。

「4」

後方注意のアラートが鳴ったので後ろに仕舞ったライフルを展開、発射して撃破する。

「5!残り25機、残り制限時間250秒」

そう言うと次の敵に向かっていく。


「わお!凄」

アルマートが溢す。


サーベルを両手に持ち、敵の攻撃を避け斬り裂き

片手で受け止めもう片方の手で斬り穴を開ける。

遠くから砲撃してくる敵にはライフルで的確に撃ち抜き撃墜する。

時にはショートソードを投げ、サーベルも投げる。

「これで10、残り20機、240秒」


投げたサーベルを拾い上げると伸びた刃で後を振り返りつつ敵の盾を斬る。

盾を手放した敵がガトリングを撃ちまくるが避け、

ライフルで撃墜する。

そのままライフルを撃ち続けていると


   《ライフル アリセ粒子圧縮開放限界》

     《使用中止して下さい》

「限界?リミッター解除したから?」

背中に仕舞う。


ライフルを仕舞った事を見た砲撃タイプが撃ちまくる。

避けつつ肩にあるミサイルを撃つが撃ち落とされる。

ならばと落ちていた味方のライフルを拾い、

FCS=射撃管制装置を認識させて撃つ。

数発撃ち撃墜後、限界が来たのでライフルを投げる。


サーベルを取り出すと今度は

    

    《サーベル エネルギー調整》

《調整完了》


サーベルが長く細くなった。

 (こんな機能あったかしら?)

と思いつつふるう。

2機同時に斬れた。

サーベルを警戒して遠くに引きつつマシンガンやミサイルで攻撃する敵。


避けつつ考える。

 (ライフルがあれば・・・でもすぐに耐えられなくなるし、どうしよう)

「ねえ、あの撃墜した敵の腕に付けてるやつ使えない?」

 モニターに写るランチャーを指さして唐突にアルマートが言う。

「敵のは拾っても使えないわよ?

刻まれている文字を解読して入力した事あるけど、

 FCS=(射撃管制装置)が認識しなかったもの」

「んーなんかそれ、問題クリアするかも。

 とりあえず拾ってみて」

 怪訝な顔をしつつ腕を拾ってランチャーを外す。

 

       《認証不可》

「ほらね?使えない・・・ってえ?」


     《射撃管制システム認証》


「どうして?貴方何かしたの?」

 驚くオトハにアルマートが答える。

「この武器に書いてあった文字、数字なんだけど、そのままじゃ認識しないから、ちよっと文字を追加して入力したら認証した」

「貴方が?」

「武器の作りはほぼ同じ。でもそのままじゃ扱いきれないからそのまま入力しても認証しないんだよ。

数字を小さくてこの機体が使えるようにしないと。

それを入力した。

遺跡の文字は分かってたけど、この世界の文字は翻訳大変だったな」


「文字を翻訳?今この場でしたの?

というか、小さく刻まれてるのによく読めたわね。

あの文字読めるの?

入力って、プログラムを書いたって事?貴方が?」

「うん。

敵を分析したくて視力強化の魔法をかけてたからね。

遺跡の文字は解読の手伝いもした事あって、その時に覚えた。

プログラミングってのは違う世界のは習ったけど。

こっちのは、自己流?

この世界の事は知ったけど言語はあまり知らない状態だったからね。


入力したって言っても普通に文字入力したらこの機体が文字読み取ってくれたけど。

やっぱりこの世界にも遺跡あるんだ。


それより使って使って」

促されてランチャーを持つ。

ロックして引き金を引く。

放たれた砲撃が敵を貫く。

「凄い威力」

驚きつつ次々と放つ。撃った反動で後ろに下がりかけるが腰を低くしフルブーストして耐え、

1機ずつ確実に堕としていく。


近づいて来る敵はサーベルで斬り堕とす。

「20機!残り10機、時間は120秒。

これなら・・・」


  《ランチャー エネルギー残量残り10%》

       《右腕負荷》


見ると右腕がバチバチいっている。

「こんな時に!右腕動力カット!」

右腕に動力がいかなくなり、だらりと垂れ下がる。

その隙を狙って接近した敵をランチャーで殴って撃破。

「あと9機!っと」

砲撃を避けミサイルを撃つ。

  

      《ミサイル 残弾0》


残り8機がぐるりと囲もうと動き出す。

動きながら短剣を2つ投げ、1機のランチャーを破壊。

サーベルを取り出し振るって撃墜。

だが囲まれてしまう。


空へと飛ぶ。

砲撃が来るが必死で避ける。

輪を解こうと動き出す敵の近くに着地し、

1機斬り即座にもう1機斬る。

5機一斉に砲撃してくるが飛び退く。


       《脚部関節負荷》

        《残り60秒》

ライフルを外して投げ、爆発に紛れ近づき1機斬り堕とす。

そのまま近くにいた敵にサーベルを振るうが避けられる。

その後ろに敵のランチャー。

とっさにバルカンを撃ちサーベルを突き立てる。

ランチャー諸共敵を貫き、機能停止したのを確認してサーベルを引き抜く。


       《残り30秒》


距離をとり撃ちまくる敵に盾を使い攻撃をいなし

切り裂き、

撃ちつつ向かって来る敵に突っ込む。

斬りかかってきた所を避けずに刀ごと

そのままサーベルをふるって真っ二つにする。

      

「残り1機!」

ミサイルと両腕にガトリング付け撃ちまくっている。


近づけない。

「ライフルもないし、サーベルがもう少し長ければ。

ん?」

ふと撃破した敵の残骸を見ると、シールドの様な者を持っている。

それを掴んで突っ込む。

盾がボロボロになるとそのまま投げ飛び上がる。

      

《残り時間10秒》


迫るミサイルとガトリングの弾をスラスターを上手く使い空中で避ける。が、


      《脚部ブースター損傷》

《推力低下》       《脚部損傷》

「はぁぁぁぁ!」

構わず突っ込みサーベル一閃、真っ二つにする。

爆発後

        《敵全機撃破》

      《フルパワーモード終了》

         《冷却開始》


機体が動かなくなる。

「はぁっ、はぁっ、はぁっ」

荒い息をするオトハ。

「動かなくなった。このモード使うとそうなるのか。

お疲れ様です。 あとは敵戦艦をどうするか」

ピピピ、

「こちらエッジ・マム、

グラジオスとスピア小隊がソーラ大気圏に突入、

グラジオスの破砕砲で敵母艦を撃破する。

各機その場を動くな」

プツンと切れる。


暫くすると大きな塊と3つの物体が突っ込んでくる。

      《グラジオス接近中》

 《周囲に機体 確認GTNXB ヴェナティ数3》


敵母艦が発砲するが、フィールドのようなもので弾く。3つの物体はそのまま降下する。

減速しつつ真ん中かからなにかが展開され、

青白く光出す。

そして発射し命中、大爆発する敵母艦。

「おーあれがグラジオス?

白銀のカッコいい船!

あの機体、最初見た奴と姿は同じで色違い。

あっちがオリジナル?」

はしゃぐアルマート。


「エッジマムよりエッジ小隊各機へ。

エッジ4はエッジ2から民間人を移動させ、

ソーラ首都まで帰還せよ。

なおエッジ2は直ちに報告をせよとのこと」


「エッジ4了解!」

「エッジ2了「あのー?艦長さんいますか?

話をしたいのですが」

割り込むアルマート。

「何を「私この世界に用事があって来たのですが。話をさせて貰えませんか?」

「は?」

「異世界ってご存知ですか?こことは文化の異なる世界。私そこから来まして。この世界に用があって。

ソーラ基地の司令の方とも話を聞いたしたいのですが。

証拠は外で見せたいのですがここ空気薄いし、って

今銃向けるかな!?」

オトハがアルマートに銃を向けていた。

「こちらグラジオス艦長、ターニャ・カネシロ。

アイザワ少尉。彼を連れてきて。話を聞きたいわ」

「艦長!?」

「命令よ」

「了解」


      《接近する機体有》

《GTNXC-07ベルラト》   


「おーい、来ましたよー先輩。無事な様で何よりです。運べば良いんですよね?よいしょっと」

機体が浮く。

そのまま加速して行く。

「ありがとう、リュカ。・・・動かないで」

「動かないってば」

そのまま艦まで運ばれた。


         ***


ベルラトのコックピットが開き、

アルマートとオトハが出て来る。

目の前には銃を構えた兵士達。

「やっぱこうなるよねー」

ぼそっと呟く。

「アイザワ少尉お疲れ様・・・と言いたい所だけれど分かっているわね?」

とセミロングの茶髪に青い瞳の女性が言う。

「分かっています。

リミッター解除した罰は受けます」


「何故リミッター解除コードを知っていた?

教えていない筈だが」

少し後にいた黒髪茶色の瞳のベッカムヘアの男性が言う。

「そうです!アイザワ少尉!危険な事をして!

全機撃破は流石ですが」

そう言うのは黒髪に薄茶の瞳のベリーショートの女の子。

「それは・・・後で説明をします」

「よろしい。あとで報告書をたっぷりと書いてもらいます。

さてと、場所を変えて貴方の話を聞きたいわ。

おかしな事を言っていたわね?」


「こことは異なる世界から来ました。

ファンクォーツ魔導王国特別研究者

アルマート・ヴァータイトです。

ここにはソーラで戦死した稀人の遺品を返す事、

この世界の調査をしに参りました」

さらっと言った。

「異なる世界?」

「この髪と瞳の色で分かるはずですが・・・。

他の世界には居ないと思いますよ?

いても染めていたりで。地毛ですこれ」

「地毛はいないわね。シャツとパンツなのはその世界にもあるの?あと言葉が通じるのね」


「魔導師の格好だと流石に変な人扱いされるので。

怪しい言動で銃向けられてますが。

言葉は翻訳の魔法を使っているので、

自動翻訳しています」

「魔導師?」

「魔法使いって言ったほうが分かりやすいかな。

魔法がある世界の魔法使いです。

魔術・・・魔法見せましょうか?」


「逃げる可能性は「無いですよ。

逃げるんだったらとっくにやってますって。

それに、遺品を届けないと叱られるので」

「遺品?」

「ええ、この基地のパイロットの方の。

その方が私の世界に迷い込んで来て、

この世界を認識しました」

「パイロットって言葉を知っているのね。

どこに遺品が?」

「異世界からの迷い人はたまに来るので。

その方達から話を聞いて、それで知っているというか。少し失礼します」


そう言うと何もない空間に手を突っ込み何かを取り出す。

ターニャは撃つなと手振りで伝える。


「おお」「何も無い所から?」

「これ、パイロットの認識票と遺骨。

あとコクピットについてた写真です」

すみませんご遺体、こちらで火葬して骨壺作って、入れてしまいました。どうぞ」


受け取るターニャ。

「この基地所属の人ね。

所属が違うから照会しないと」


「艦長、その写真詳しく見てもよろしいでしょうか?あと認識票も。

チラリと見えたのですが、知り合いが持っていた物と一緒のような気がして」

そう言ったのはパイロットスーツを着た、

ブラウンの髪と瞳のツーブロックの男性。

「俺にも見せて下さい」

黒髪黒目のショートのセンターパートの男性も言う。

「タイラス少尉とイ少尉?ええ、どうぞ」


受け取りまじまじと見て

「ああ、やっぱり。

なんだ違う世界に行っていたのか」

「機体が見つからないわけだ」


「知り合い?」

「数回話をしたくらいですが。

3ヶ月前の戦闘で、MIA=(作戦行動中行方不明)になったこの基地所属のパイロットです。

同い年で、動物好きで後輩の面倒見も良くて自分と気が合って。

この写真も見せてくれた事があって」

「俺は落としたお守りを拾って貰って、少し話をしたくらいですね。

狙撃を褒めてくれたりもして。

写真も見せてもらいました」

「そうだったの。

一応照会してからご家族にも知らせないとだけれど

家族構成とか聞いている?」

「たしか高校生の頃戦争で親を亡くして、

それから1人で生きてきたと。他に家族はいないはず」

「分かりました。情報ありがとう、2人共。

それで、アルマートさん?貴方これからどうするの?」


「任務は果たしたので一旦帰ろうかと。

戦争中ですから友好うんぬん言っている場合ではないでしょうし。

終わらない事には」

「終わる気配は無いわね」

「そうなるとこれで皆さんと一旦お別れになるかな?

戦争中の場合はその世界の調査は止めてるから。

あ、これを渡さないと」

空間に手を突っ込んで長方形の物を取り出す。

「行った世界の人にプレゼントしています。

送信機能しかない通信機みたいなものです。

戦争が終わったら、ここにあるボタンを押して

伝えたい事を言ってください。

私のいる世界に送られます。捨てないで下さいね。

あと偉い方に私の事を伝えて欲しいのですが。

無理ですかね?」


「一応上官には説明するけれど、どうなるかは分からないわよ?

上官は話の分かる方だけれど他がね」

「あーそうですよねー。

捨てないで下さいねホント。それでは」


また空間に手を突っ込んでブレスレットを出し嵌める。

「あ、少し離れて下さい。危ないので」

皆離れる。もう銃は下ろされていた。


いつも使う杖を取り出し言葉を紡ぐ


"次元を跳び、我が身を彼の地へ"

[次元転移(ダイメン・トランジ)]

魔法陣が展開され、透明な膜が天まで伸びる。


が、唐突に消えた。

「あれ?どうして」

首を傾げつつもう1度発動させる。

が今度は発動した魔法陣が消える。

「?誰かが邪魔してる?これじゃ帰れないよ」

うーんと悩むアルマート。

「どうしたの?」

とターニャが聞く。

「誰かに邪魔されて魔術が発動しないのです。

発動しても魔術が消されて帰れない。

こんな事は初めてで。

これでは帰れません」

どうすっかなーと呟くアルマート。


「なら、原因が判明して帰れるまで、

この艦と共に行動してくれないかしら?

上官に説明しなければならないし、

ソーラ基地にも行かないとね。

この艦と機体は試験部隊で機密も多いから、それを見た貴方を降ろす訳にはいかないし」


「艦長!?」

「異議は認めません。どうかしら?」


「お世話になります、ターニャ艦長」

優雅に礼をするアルマート。

「決まりね」

にっこりと笑う艦長の後ろで

「副長にまた呆れられるわよね」

「でも機密を知ってるからこれしかないし、

なんだかんだだで許すんじゃないですかね?」

とパイロット達が話していた。


       


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補足みたいなもの?

・魔術のルビは英語を少しいじりました。

・サリュアはアナザーワールド。地球に凄く似てる。

この世界はパラレルワールドはない設定です。

・ソーラは太陽系でいう木星ポジ。テラフォーミング済み。イメージは鉄血のオルフェンズの木星。

・フルパワーモードのイメージはガンダムOOの

トランザム(機体は赤くはなりません)

・短剣のイメージはガンダムSEEDの

アーマーシュナイダー

・エッジ・マムはマヴラヴオルタネイティブのCP将校

(コマンドポストオフィサー)でオペレーターの涼宮遙のコールサイン、ヴァルキリー・マム。

・ベルラトはラテン語で戦士を意味するベルラトール orベラトールから。bellator

・戦艦グラジオスは勝利の花言葉を持つグラジオラス

・ヴェナティもラテン語、狩人を意味するヴェナートルorヴェーナートルから。venator

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