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最近全然投稿できてなくてすみません!
最後まで見ていただけると幸いです
体育大会明けの月曜日、僕はいつものように電車に乗って学校へ向かう。
今日の朝の生徒会は体育大会の反省会だそうだ。
麗奈先輩は今日来るのだろうか。
土日を挟んだから体はしっかり休められたと思うが、体がかなり弱そうだったのでわからない。
最近は少し早めにきて僕が鍵を開けているが、念のため一度生徒会室を見に行く。
すると、珍しく誰かがもう来ていた。
教室の中に一人いたのは、麗奈先輩だった。
「麗奈先輩、おはようございます。もう体は大丈夫なんですか?」
「・・・・・・あぁ、春哉くんか。びっくりした〜。体はもう大丈夫!心配してくれてありがとう。ていうか、いつも早く来て鍵開けてくれてたの春哉くんだったんだ。いつもお疲れ様!」
「いえいえ、僕がしたくてやってることなので。」
「それでも偉いって!やっぱり春哉くんは真面目だなぁ。私も見習わないと。」
「生徒会長になってる時点で十分真面目だと思いますよ。」
「生徒会長だからこそだよ〜!もう、春哉くんはわかってないなぁ。でも春哉くん、結構家も遠いんじゃなかったっけ?朝早くから来て、大変じゃない?」
「朝は弱いんですけど結局後十分くらいしたら起きないといけないからどうせなら早く起きて静かな教室でゆっくりしたいなと思っていつも頑張って起きてます。」
「なるほど〜。私も朝弱くてさー。なかなか起きれなくていつも困ってるんだよ。でも確かにそういう考えありかも。明日早速実践してみようっと!」
「そういえば、麗奈先輩は家近いんですか?」
「んー、結構近い方かな。電車で十分くらいだし。春哉くんたしか電車で三十分くらいだったよね?」
「そうですね。だいたいそれくらいです。」
「家遠いと色々大変だねー。感心感心。って、そろそろみんなが来る頃だね。準備しなきゃ!」
さすが麗奈先輩だ。
早く来ていて偉いと言いながら自分も他のメンバーが来る時間をわかってるんだから侮れない。
何はともあれ、麗奈先輩が元気そうでよかった。
それに、朝から麗奈先輩と話せたことに僕は喜びを覚えていた。
ほんと、最近の僕はどうかしている。
麗奈先輩の言った通り、少しすると他のメンバーもちらほら集まってきた。
僕は先輩たちに挨拶を返していく。
全員が集まったところで体育祭の反省会が始まった。
「では、体育祭の反省会を始めます。反省点だけでなく、次どうすればいいかなどの改善点も発表してください!では、まずは3年生から順番にお願いします。」
「今回の体育祭の反省点として、まず気になったのは・・・」
そこから順番にどんどん反省点と改善点を発表している。
意見をまとめて、朝の生徒会は終了した。
昼休み、さっさと弁当を食べ終えた僕は今、運動場にいる。
体育祭で神沼と並走していたことで、スポーツテストで手を抜きすぎだと怒られ、再計測することになってしまった。
こんなことになるならあのスピードで走るんじゃなかったな。
ただ、今回は本気でやれと念を押されているので本気でやるしかない。
手を抜いた罰として再計測が終わるまでは弁当を食べる以外は昼休み全てスポーツテストをするそうだ。
まずは五十メートル走からだ。
久しぶりに本気で走ってみる。
「タイム、六秒ジャスト。なんだやればできるじゃないか。というかめちゃくちゃ速いじゃないか。次からも本気で頼むよ。」
「わかりました。」
正直いって、久しぶりに本気で運動するのは楽しかった。
そこから、ハンドボール投げとシャトルランを行い、今日はここまでとなった。
帰ってきたら昼休みはほとんど終わっていた。
今日は先生の会議があるらしく五時間授業だ。
さらに、五時間目は学活ということもあってみんなテンションが上がっていた。
学活の時間は文化祭についてだった。
体育祭が終わったばかりというのに、忙しいものだ。
たしか放課後の生徒会でも文化祭についてだと言っていた。
文化祭に何をするかなんて正直どうでもいいので適当に聞き流そうと思っていたら神沼が笑顔で僕に話しかけてきた。
「なぁなぁ、俺ずっとこの二択で悩んでてさ、さ、メイド喫茶か普通のカフェかどっちがいいと思う?」
「僕はどっちでもいいと思うけど。決められないならどっちも候補として出してみんなに決めて貰えばいいじゃん。」
「それもそうだけど〜。俺は夜瀬の意見が聞きたいの!」
「・・・・・・まったく。まぁどっちかというと僕は普通のカフェがいいと思うけど。」
「わかった!じゃあ普通のカフェを候補として発表する!」
「いやそれでいいの?ずっと迷ってたんじゃなかったの?」
「いいの〜。俺は夜瀬がいいって言った方にしようって思ってたし!」
「まぁ別になんでもいいけど。」
そして、我が一年四組はカフェをやることになった。
カフェと決まれば、次はメニューを考えなければいけない。
これからさらに忙しくなりそうだ。
文化祭の開催日は九月の初めだったはずだ。
そのため、夏休みも文化祭の準備のために登校する。
まぁ、文化祭の準備があるにしろないにしろ生徒会の仕事で学校には来なければいけないんだけど。
今日はここまでということでそのままホームルームをして、解散する。
生徒会は文化祭でなんの仕事があるのだろうか。
文化祭が今から少し楽しみになってきた。
「というわけで、私たち生徒会は基本的に文化祭の準備にあたることになります。二、三年生は当日も仕事がありますが、一年生はないので自分のクラスのことに集中してください。あと、それぞれのクラスが何をするのかだけ、後で私に報告をお願いします。今日の生徒会は以上です。お疲れ様でした!」
麗奈先輩の話が終わり、今日の生徒会は終了となった。
生徒会は基本的に文化祭実行委員のサポートにあたるみたいだ。
一年の各クラスが何をするのかだけ麗奈先輩に報告に行く。
靴箱で靴に履き替え、校門を出る。
この時間はまだ部活動中なので、帰る生徒は少ないのであまり帰りに誰かと会うことはない。
いつものように電車に乗り、家へと帰る。
ご飯を食べて風呂に入った後、改めて今日生徒会で配られた文化祭についての資料に目を通す。
生徒会の主な仕事として、文化祭で使う費用の管理らしい。
全クラスの出し物を確認した後、学年ごとの生徒会メンバーが相談して決めた費用を、生徒会長か文化祭実行委員長に提案するという形らしい。
費用のことで、また足りないなどの問題があった場合はその学年の生徒会メンバーが解決することになっている。
一年生の出し物も各クラスによって色々ある。
神沼が悩んでいたメイド喫茶や、執事喫茶なんていうものもあった。
その他にも、お化け屋敷や迷路教室など、様々な出し物があった。
全クラス、クラスTシャツを作る決まりになっているが、それ以外にも衣装がいるクラスが多そうなので、そこも考えて決めなくてはならない。
また、僕たちがやるカフェなどはメニューにもよるが試作もするだろうし、それなりの食料が必要そうだ。
そもそも、どのくらいの人が来るのだろうか。
そこそこ有名で、外部の人も入れるので毎年繁盛しているのは知っていたが、具体的な数が知りたい。
確か資料に載っていたはずなので確認してみるとかなりの人数が来るようだった。
これなら食材費だけでもかなりかかる。
それに加えて教室に飾り付け等をするとなると相当お金がかかるな。
費用を考えるのは意外に難しく、それぞれのクラスのことを考え、多すぎず少なすぎない費用がどのくらいか寝るまでずっと考えていた。
3日後、今日はカフェのメニューを考えることになった。
女子向けのヘルシーな野菜料理や、逆に男子向けの少し肉肉しい料理など、次々とメニューが決まっていく。
ただ、メニュー決めまでは順調だったのだが、一つ問題が出てきた。
学校の近くのスーパーで買い出しをする予定なのだが、思ったより食材の値段が高かったことだ。
このままでは費用が足りなくなってしまう。
もう今回の文化祭の費用は決定してしまったので、帰ることはできない。
あのスーパーがここまで高かったのは予想外だった。
だが、何も学校の近くのスーパーで買う必要はない。
「隣町のスーパーだったら結構安い食材いっぱいあるからそっちの方がいいんじゃない?まぁ歩いて十五分くらいはかかるけど。」
みんな今まで黙っていた僕が急に発言したことに驚いた様子だったが、やがて我にかえり賛成の言葉が返ってきた。
「ちょっと遠いけど、十五分くらいなら行けるんじゃない?十五分歩けばこの問題が解決するなら、それくらい安いもんでしょ!」
「たしかにー。私も夜瀬くんの意見に賛成!」
「私も私も!」
次々と私も俺もと賛成の声が挙がっていき、買い出しは隣町のスーパーですることになった。
「ていうか、夜瀬くんって意外とそういうスーパーの情報とか詳しいんだね!そんなイメージないから意外だったなー。」
「それ私も思った!夜瀬くんってそんな感じに見えないよねー。」
「まぁ、色々あって。」
今度は僕がスーパーの情報に詳しいことについて女子から質問攻めにあってしまった。
「いいなー、夜瀬は。女子にいっぱい話しかけてもらえてさ。」
「いや逆に質問攻めにあって困ってるから助けて欲しいくらいなんだけど。」
「女子に囲まれて助けて欲しい?これだからこのイケメンはー!」
なぜか神沼に質問攻めにあっていることを羨ましがられてしまった。
質問されるのが好きなのだろうか?
「神沼は質問されるのが好きなのか?」
「いやなんでそうなるんだよ。」
「質問攻めにあってることを羨ましがってたじゃないか。」
「夜瀬って意外と天然なところあるよなー。まぁそんな天然なところも俺は好きなんだけど!」
「やめろ、急に抱きつくな。苦しいだろ。」
「嫌だねーだ。女子に囲まれてたことの仕返しだ!」
「えぇ?」
なぜだか急に神沼に抱きつかれてしまった。
今日の神沼は変だな。
質問攻めにあっていることを羨ましがったり急に抱きついてきたり。
「神沼、そろそろ離れろ。」
「もうー、わかったよ。」
「ふぅ、やっと体が軽くなった。」
「なにそれー。俺の体が重いってこと⁉︎」
「違う違う。流石に男子高校生に抱きつかれたら多少は体重くなるだろ。」
キーンコーンカーンコーンとチャイムの音が鳴った。
各々の席に戻り、挨拶をして休み時間となった。
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