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 0.そして運命は廻り始める

 

 痛い。熱い。寒い。


「サートゥル、ヌス……」


 刺されたお腹からどんどん血が抜けていって、立ち上がるどころか、もう指を動かすことも出来なくなってきていた。

 残った力を振り絞って顔を上げれば、暗く陰る視界には返り血を浴びて微笑む恋人――サートゥルヌス・エトルリア――がいた。そして彼の隣には、勝ち誇ったように嗤う第四王女――アブンダンティア様――がべったりとくっついていた。


「な、んで……」


 なぜ? どうして? どうしてあなたが、私を殺すの?

 信じられなかった。今朝だって、二人で笑いながら結婚式の話をしていたのに。


「トゥルス……」


 なぜ? どうして? どうしてあなたの隣に、アブンダンティア様がいるの?

 信じられなかった。警戒心が強くて人見知りのあなたが、私以外の人間にそんな距離を許していることが。


「じゃあね、ヒドインちゃん。サートゥルヌスはあたしがもらっといてあげるから、安心して消えちゃって」


 アブンダンティア様の意味の分からない言葉を最後に、私の意識は暗い穴の底へと吸い込まれていった。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 面白いです! [一言] 追って参りますので、頑張って下さい!!!
2023/05/20 10:53 退会済み
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