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No.7


窓から光が差し込んで部屋全体照らし始めたのに気が付き、ゆっくりと起きたのだった。


昨日の夢のことを思い出して、ステータスに変化はあったのか期待しながら開いてみることにした。相変わらず黒い靄が溢れてくる。…それも昨日よりも少し量が増えた気がする。


ステータスは次の通りだ。


名前:アニエス 年齢:17

職業:見習い剣士

レベル:【不明】


ステータス


体力:G 魔力保有量:F 


筋力:G 魔力:G 物理防御:G 魔法防御:G


素早さ:D 器用度:F 


スキル


剣術LV1 闇魔法LV2


称号

【不明】


昨日見たときと違って一部は【不明】と表示されていなかった。

そこには自分の能力がランクで表示されていた。


ステータスは全体的に低くて心配になるが、

よく見ると闇魔法のレベルが既に2なのは結構大きいと思う。

僕は最初こそ、剣士になる予定だったがなかなか魔法剣士も面白そうだ。


剣でバッサバッサと斬り倒し、魔法でドカーンと敵を一掃する。カールの言っていた魔法使いのみたいな戦い方も憧れるよな。


危険も付き纏うだろうが、手数も多ければ応用も効くし、幅広く活躍できるということは、冒険者活動の時間も伸ばせる。


何より単純にカッコいい。

まさにこれこそ男が目指すべき到達点といえる。

これはロマンの塊ではないだろうか。


でも、闇魔法ってのは本当に使えていいものか?

昔っから、こんな怪しげなものは注目されがちで、忌避されがちな傾向がある。

人間、いるかどうかも定かじゃない幽霊なんかを恐れているのだ。闇魔法使いがいるって触れ回られるだけで社会から孤立するのは危険極まりない。


魔法という概念自体あるし、何ともいえないけど。そんなリスクだけは避けたい。異端者だ、とか言われて迫害されたら嫌だ。


一応、危険でも手札は知っておくつもりだ。

いざというときは、使うしかないのだから。なんかあれば、別の街に離れるのも手だと思う。


どんな魔法が使えるのかと、液晶パネルを触るように試しに押してみる。

するとズラリと魔法の一覧が空一杯にに埋め尽くした。


スキルは次の通りだ。


闇魔法LV1


【ソウルボルト】対象に物理攻撃とノックバックを与える。

【ソウルバード】上空に鳥を放ち、付近を偵察する。

【ブラックストレージ】小さなものから大きなものまで、生命活動してるもの以外を収納する。

【ソウルチェンジ】対象の魔力を一割消費させて、自身の傷ついた体と魔力を回復させる。また、ダメージを受けていないのであれば魔力を奪った分だけ回復する。


闇魔法LV2


【ブラックオーラ】自身や対象の武器に闇属性を付与する。

【ブラックアウト】対象を黒い霧で覆い、視界を塞ぐ。

【黒き思想のハーブの女王】対象を拘束し、心地よい眠りに誘う。


もともとあった長ったらしい説明文を軽くまとめてみた。


スキルをざっと見る限りでもヤバい。

簡単に即死コンボが狙えそうなほど、酷いスキルだ。

えげつないのは、誰が見てもわかるものだろう。


相手と距離を取り、視界を塞ぐ。

拘束した状態で、武器に属性を付与して倒す。


エスはこのスキルを知っていたから、今日魔物を倒しに行ってみてと言ってきたに違いない。

エスのドヤ顔が目に浮かぶよ。可愛いね。


というか、よくわからないけどエスはもう少しで具現化する、みたいなこと言ってた。


それがすごい疑問になっている。


何なのかはわかるはずもないが、助けてくれるなら歓迎する。

できれば早く助けて欲しいよ。未だにひとりは不安だ。

やっぱカール


今日は言われた通り森のに向かい、魔物を倒して魔法が使えるか調べに行く予定である。


そのためにも、まずは朝ご飯を食べて力をつけようと、宿屋の中の食堂に向かってウキウキの気分で部屋を飛び出した。


ちなみに朝ごはんはサラダとパン。

質素なものではあったけれど、十分にお腹は膨れた。


それと森に行くまえにやる事がある。

冒険者の必需品、とやらを買うことだ。

お金の使い方もわかる。場所もギルド近くにあるかなとは予想はついてるから。

そこは問題無いはずだ。


だが、何を買えばいいのやら…。


「早いな、昨日はよく寝られたか?」

「あ、カールさん。お陰様ででそれはもうぐっすりと」


この人混みでよく見つけられるな。そう感心した。


「で、今日は何をする予定だ。

やれる範囲でなら手伝うぞ、俺でよければだが」

「では、冒険者としての必需品、最低限必要な道具を揃えたいのですが。

何を買えばいいか教えてもらえませんか?」

「おし、わかった」


カールに急遽ヘルプを貰えることとなった。


「まずは、『ミシン草』だ。俺もよく狩猟で使う」


どういった原理か不明だが。

ミシン草を粉末にして、風と共に周囲に振り撒く。

そしてその粉末を魔物が嗅ぐと、人が近付いても気付かれづらくなるらしい。

因みに、ミシン草とは前に、調味料として猪肉の臭消しと柔らかくする際に使用すると言っていたアレだ。


「後は針とロープだ。もしもの為に」


もしも、とは怪我をした時のことだ。

血を大量に流す危険性があれば、ロープを締め血を止めて、

傷が大きい開いてたら、針で縫う。


いや、勿論それだけじゃないはず。

ロープはサバイバル道具として万能だし。

針は衣服が破れた時にでも使えるだろう。


だからこそ。そうならない為の『ミシン草』だ。


といったわけで、

ミシン草の粉末。針とロープを購入した。


「じゃあまたな。また飯に連れてくよ」

「はい、ありがとうございました」


買い物を済ませると、僕はカールと別れた。

エスが一緒に行っちゃダメって言ってたし、残念。

他にも色々知りたいことはあったんだけどね。

僕は何か見られちゃいけない何かがあるのかもしれない。

しかし、それはそれでワクワクする展開かも。

秘密多き、女冒険者、だ。


(自分でもよくわからんなんて、秘密といえるのか?)


町の出入り口へ近づいて行く。

すると、カールの言っていた解体屋があった。

最初は気づきもしなかったが、解体屋と書かれた看板がある建物で、大きな魔物が中に運び込まれている様子も確認できた。


入り口には鹿の頭部の剥製が飾ってある。

あまり、一般人は近寄りたがらない雰囲気を出している。

冒険者以外は、あまり出入りしてない場所。

と言って全くってわけじゃない。

たまに、商人らしき人もちらほら入って行く様子も見れた。


森に行くために検問所を通過すると、昨日いたレイは立っていなかった。

代わりにまじめな雰囲気を出すおじさんの役人が出入りをする人たちに目を光らせていた。


僕は、他の順番に出入りしてしてる人たちのように堂々と検問所を抜けようとすると、「いや、少し待て」と止められてしまった。


別にやましいことなんてしてないよね?

何か不自然な点があっただろうか。


「貴様、見る限り新人の冒険者だろう、もし近くの森に行くの予定だったら気を付けるんだな。最近は大きな魔物が少し現れるようになったから、森の奥へ進みすぎるんじゃないぞ食われてもいいなら別だがな」


あ、違った。注意喚起のようだ。


急に止められて焦ったのだが、だた森の奥へは進みすぎるなと新人冒険者に声掛けを行っているようであった。


「わかった、ありがとう。気を付けていくよ」

「ふん......」


そういうとおじさんは何かを誤魔化す様にして仕事に戻るのだった。


すこし高圧的な態度で話しかけてきたおじさんだったが、言葉とは裏腹に優しいおじさんが見え隠れするような人だった。




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