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No.2:冒険者ギルド

 

 ネピアン中央五角広場。

南門からの大通りを抜けると、そこは見えてきた。

名前どおり、五つの道に分岐するネピアンの巨大な心臓部とも言える場所だ。


さて、最初の目的地の冒険者ギルドは探す事なく見つかった。


南門通りから正面に、見るものを圧巻させる石造りのギルドはネピアンで特別大きな力を持っていることを示してるだろう。街の中心に堂々とそびえ立っている。


武器の彫刻が施された扉はまるでバイキングを彷彿させるようで、その上には遠くからもわかる豪鉄の盾と、磨きかかった剣を2本クロスさせた、いかにも冒険者ギルドと感じる建物。


ギルド周辺には冒険者と見られる多くの人がいた。

多種多様な装備を身につけて、皆、仲の良さそうに色々な事を話し合っている。

ロングソードを持った剣士(ソードマン)に、青紫色に光る宝石を先端につけた杖を持つ魔法使い(マジシャン)。短剣を持つ身軽そうな盗賊(シーフ)など、さまざまな冒険者がいた。


冒険者に心を躍らせたが、正直。内心はビビっていた。

ギルドに近づいて行くにつれ、冒険者が僕を見ていることに気づいた。

それも遠慮がちそうではあるが、確実に多くの冒険者の視線を受けてる。近づけば近づくごとにその人数も増えて。


入口に続くとこだけは道ができておりカールはそこを堂々と進んでいく。慌てて追いかけるが周りの怖い人たちが絡んでこないかと、びくびくしながら進むが、何もなくギルドの中へ入ることができた。

よかった。


ファンタジー系の漫画とかアニメみたいに、ギルドに入ってきた主人公がいきなり絡まれて、面倒くさい言いながらも煽るという喧嘩に発展するような変なことはしないし、そういうことがないはずだ。

落ち着こう。焦りすぎ。


ギルドに入るとかなりの人が椅子に座って、冒険者はお酒を飲んだりご飯を食べたりと雑談をしながら平和に過ごしている。


「おい~!お前おごれよー。この前の依頼で金がたくさん入ってきただろ~?なぁあ~」

「バカ言え、この前もそういっておごってやったんだろうがよ。ぜっったいに!奢らないからな!」

「あははー!そうだっけそうだっけ?」

「ってかあの子カールと一緒にいるぞ」

「?本当だ。見ない顔だな、……てか美人」


みんなお喋りに夢中で、僕のことは眼中にないようだった。

中には興味ありげな視線が飛んでくるものの基本的には害はなさそうである。


奥のほうには受付嬢と思われる人が書類と睨めっこしているのが見えた。

左側にはたくさんの紙が綺麗に貼られており、その目の前には集中して紙を見ている冒険者たちが集まっていた。


カールはギルド内の右側にある扉を開けて、部屋の奥へ進む。


「依頼品を持ってきた。よろしく」

「了解」


其処は依頼品受け取り所。

窓口を挟んだ向こう側にいた、エプロン姿の男性に少し大きな袋ごとカールは渡すと、男性は中を開いて袋より大きい1メートル大のイノシシを血の染みが残る机へ、ドンと置いた。

カールは何かが書かれた紙を取り出して男性にハンコを押してもらっている。


しれっと流したけど、カールの袋は「アイテム袋」のような、物理的におかしなものだろう。きっと魔法だ。

魔法ってのはなんでもアリなものかも知れない。


「アニエス。冒険者として依頼を受けたり、狩った獲物はここ出すんだ。

 そしたら必ず依頼を達成した印としてハンコを貰うんだぞ。じゃなきゃ依頼完了扱いにされないからな」


それと、もし大きな獲物が取れて運ぶことができなかったりすると、町の入り口にある解体場に出していいらしい。

時間があれば軽くどんなふうになってるのか今度見に行ってもいいかも知れない。


カールはそういうと、一番右の受付嬢のところへ向かい「よろしく」と言って紙を渡した。


「はい、確かに受け取りました。少々お待ちください」


そして、奥に行った受付嬢がお金を持って来てカールにお金を渡したのだった。


「よし、次はアニエスの番だ。真ん中の受付が登録の手続きをしてくれる。基本的に難しいことないと思うが、わからないことがあったらちゃんと聞くんだぞ」

「はい、行ってきます」


カールがいて心強いと思いながらも少し緊張しながら受付に向かって行ったのだった。


すこしの不安と、テンプレを期待しながら。


「こんにちは、冒険者ギルドに登録をしに来たのですが…」










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