No.14
ダチョウの魔物を倒すと、ブラックストレージをポイっと投げつけて魔物の体を飲み込んで消えていく。
最後のアレは魔法の使いすぎか?
急にダチョウの魔力が弱まっていく気がした。
何だったんだろうと思いながら、尻尾も忘れずに回収する。
お金になりそうなものは忘れないようにしていた。
たぶんこれで依頼は達成できたと思うからゆっくり帰ろう。
と、アニエスは町の方へ歩き始めるのだった。
湖に向かっているときからテクテクと付いてきていた動物たちは、あの魔物と戦闘を始めたらどこかに隠れていたようで、倒し終わるとすぐに可愛らしく近寄ってきてくれた。
その時、まるで白雪姫のように幸福な気分になり、少しの間だけだけどとっても癒されることができた。
スライムペロペロ舐めてたけど。
町のほうへ向かっている途中で、相変わらず不気味なステータスを開いてみることにした。
結構な魔物を倒したのだからレベルが上がってことを祈る。
意外と大変だったもん。
名前:アニエス 年齢:17
職業:見習い剣士 JobLV:3
レベル:3
体力:F 魔力保有量:F
筋力:F 魔力:G 物理防御:G 魔法防御:G
素早さ:D 器用度:F
スキル
剣術LV2 闇魔法LV2
称号
【不明】
倒したモンスターの経験値が美味しかったのか一気にレベルを上げることが出来た。
ステータスも体力と筋力が上がった。
ランクが一つ上がっただけだが。
それと剣術のレベルが2に上がってくれた。
果たしてそれがどのくらい変わったのかは分からないが、
これでこれまで以上に戦いやすくはなると思う。
もちろん、剣を鞘に入れる時もカッコよく決めることが出来るだろうと考えながら歩く。
すると、町の方から大きな鐘を鳴らす音が聞こえた。
普段なら時計塔の鐘がなったのかと思うかもしれない。
だが、カンカンカンと高い音を永遠と鳴り響かせていた。
まるで襲撃にあった時のようである。
「なにかあったのかも」
緊急事態かもしれない。
そう思い、アニエスは急いで町に向かった。
街に戻る。
すでに人々はパニック状態だった。
町に戻った時にはいたるところで人が走り回り、悲鳴に近い叫び声が聞こえいる。街全体がパニックに陥っているようだった。
額に汗をかき、逃げ惑う人とアニエスはぶつかりながらも、何の騒ぎなのか情報を聞くためギルドへ全力で走っていった。
ギルドにつく。すると其処には、ロードと、数人の冒険者を連れてギルドを出ようとしているところだった。
「...!アニエスか、魔物は持ってきたか?」
「あまり数はないですが」
そういうとブラックストレージを開いてスライムの青い石と、ダチョウの魔物を取り出して見せた。
「あぁ、ありがたい。使わせてもらうぞ」
解体場にもっていってくれと言い、ロードと、ローブを着た魔法使いとアニエスは入っていった。
ダチョウを手際よく解体すると、体内から黄色の石を取り出すと、魔法使いがスライムの青い石とくっつける。
すると、ピカピカと石が光り出し大きな緑の石に変わった。
知っている。
これは『合成』のスキルだ。
素材を集め、スキルを使うだけで一瞬で物を作成できる。
便利に見えるけど、手作業で作るより1段階も質が下がるみたい。
これがマンティス対策になるのかは正直怪しい。
こんな小さいけど、使い方によっては強力な武器になるのかも知れない。
「急げ、行くぞ」
ついてこいと、ロードは僕に言い、冒険者とともに南門へ向かった。
「右側が崩れかけてるぞ!もう少し手を回せー!」
「どこも限界に近い、無理だ!」
あやゆる場所から悲鳴に近い声が聞こえる。
着いたときにはすでに、100匹以上のマンティスと冒険者が戦闘を始めていた。
魔法使いは後方からマンティスを狙い、命中すればなんとか倒すことができている。
だが、ほとんどが直前で避けられ、無駄打ちになっている。
それ以上に冒険者のほうが被害が大きくなり押されていた。
「アニエスは右を少しの間守ってくれ、その間にさっきの魔石を使って敵の足を止めるからその時、前に出てくれ」
本来は新人に任せるようなものではないが貴重な前線だと言ってロード自身も戦い始めた。
僕も今にも崩れそうな右翼に向かうために全速力で走った。
他の冒険者の目の前を通った時「うわっ!」と驚いていた。
そして右翼に到着。
「はぁあああ!」
そこには、大声を上げ、マンティスに切りかかる見慣れた人物がいた。
「カール!大丈夫?」
カールの装備はところどころ切り裂かれ、マンティスウォーリアと剣を交えていた。
だがカールもすでに疲れが溜まっているようで、息は荒く動きが遅くなっていた。
「しまっ...クソ!」
次の瞬間だ、カールは倒れた。
疲労で足元の注意が疎かになり、死体のマンティスにバランスを崩す。そして大きな隙を作ってしまった。
戦っていたマンティスとは別の個体が迫る。
そして容赦なくカールに鎌を振り下ろした。
避けきれない。
カールはそう思っていた所にとっさに剣を滑らす。
ギリギリのところで攻撃をいなした。
「アニエスか!助かった!」
僕には今気がついたようだった。
少しだけだが休ませてくれと、疲弊した様子で言う。
「うん、まかせて」
カールは体力を回復させるため僕の後ろで休憩をする。
でも、すぐに戦闘に行けるように片膝を立てていた。
息も絶え絶えなのにまでやる気があるみたい。
「ギャラァァア!」
マンティスウォーリアは新たな現れた敵に攻撃を阻まれたことに怒る。そして、カールからアニエスの方へと攻撃の対象を切り替えた。
額から汗が流れる、アニエスは力強く剣を構えた。
次の瞬間。マンティスから動いた。
鎌を伸ばし、頭を掻き切ろうとする。
風を切りながら振り下ろす鎌を、紙一重で防ぐ。
そして一閃。ガラ空きとなった首へ剣を滑らす。
ズシャッと音を鳴らし、マンティスの頭部を斬り落とした。
「いけるっ!」
前とは違い、剣術レベルが上がったことで、敵の攻撃を防ぎカウンターまでできるようになった。
レベルが一つ上がるだけでかなりの違いを感じることができる。剣まで体の一部となってようで心地よかった。
今までとは違う新感覚に、目をキラキラと光らせる。
これで、余計なスキルを使わずに魔力を温存できる。
軽くマンティスを倒すことができるようになったおかげで、長期戦にも耐えることが出来るようになっていた。
以前戦った時より、マンティスの動きについていくことができる。倒すスピードもあがった。
それでもマンティスたちは数が多く、倒しては後ろから現れてを繰り返して精神的にも肉体的にも疲れ、誰もが疲労した表情を浮かべていた。
「ストーンウィンドを放つ!撃ったら畳みかけろッ!」
「【穿牙風土】」
ロードの叫び声が聞こえる。
直後、蛍光色の緑の石飛礫が宙に現れる。マンティスの足めがけ、大量の石がブオンブオンと、重い物を振りまわすような、音を出しながら飛んでいく。
一本、また一本と弾き飛ばされる。
マンティスたちも思わず悲鳴を上げて石を避けようとするが、飛んできた石に足を折られてまともに動けなくなり、戦闘に加われないマンティスが大勢ではじめた。
石の攻撃が無くなった同時に、全方位から一斉に雄たけびが聞こえて、僕らは一気に攻め込んでいく。
反撃の開始だ!




