機動巨人(オートトロール)
いよいよ機動巨人ATと呼ばれる人型兵器の登場です。
「506番ギリギリだぞ!早く席に着け!」
「申し訳ありません!」
そう答えると
ようやく着替えを済ませブリーフィングルームへ戻った柴島 未來が席に着く。
「君たちにはこれから格納庫へ行き機動巨人同士の模擬戦を行なってもらう。」
候補生たちは試験官の指示に従ってそれぞれのペアで固まって格納庫へと移動を開始する。
ブリーフィングルームから地下にある格納庫へは専用の大型エレベーターで一気に下る。
エレベーターの扉が開き長い通路の先に、ATが配備されている格納庫がある。
やや緊張した面持ちの候補生たちに混じって余裕ある表情の天道明日華と無表情な七瀬 玲がとても対照的だった。
「おお!」
格納庫の入り口を抜けた候補生たちから次々と声が上がる。
モスグリーンの装甲が取り付けられたATがズラリと横並びに配備されている。
これまでBOWS内訓練機関では主にシュミレーターか、実機においても装甲の無い機体での訓練だった。
装甲が施された状態だと一回り大きく見えるATを間近で見た候補生から更に声が上がった。
未來もその1人だ。
「すごい!」
「フフ、無理もありませんわね!皆さんどうせ初めて見るのですから!」
得意げに天道 明日華がそう語る。
噂では天道家には専用のATと操縦シュミレーターがあるらしい。
明日華の自信と余裕から噂ではなく事実だろう。
実際、明日華の試験の合格は大方決まっている様なものだった。
読んでいただいてありがとうございます。
次話ではいよいよ機動巨人が起動します。
お楽しみに!