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美少女になれば幸せになれるとこの時は信じていたんだ  作者: 草壁輝美
第1章 女神のような美少女爆誕までの物語
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第8話 あまり知識を与えられすぎても

「魔王の因子……穏やかじゃない名前ですね」


「んーそうだね。わたしがつけたわけじゃないからなんとも言えないけど」


「それはどういったものになるのですか?」


マコト様はごろごろとしながら悪い笑みを浮かべながら答える。


「それは解説できないなぁ。世界の真理に触れてしまうから。ただ、エリスちゃんに渡した力は、何でもできる力だってことは教えてあげられる」


その顔を見ていると、ただ私が困る姿を見たいがために、情報を隠しているように見えます。

昔から、本当に欲しい情報はくれない、ヒントしかくれないです。


「いやいや、本当に言えないのよ。理由は前から言っている通りなんだけどね」


「前からちょっと思っていたのですが、それは誰かから禁止されているのでしょうか?それとも自発的に言わないようにしているのですか?」


「そう聞かれる自発的って言葉になっちゃうわね。わたしがこの世界を管理しているわけだから」


「そうですか」


それじゃ楽しんでいることは否定できませんね。


「むむむ。それじゃもう少しだけ力を使うヒントを与えよう!」


「それはありがたいです。なんでしょうか?」


「魔法を使うとき、それは物に対して意思を付加することにある。それは学校でも習ったでしょ?」


「はい、習いました。学校では、魔力を身体と対象の物体とのI/Fとして使用し、自分の意思通りに物体に現象を発生させることによって、実現していると。つまり、魔力を使えば思ったように物体を操作できる」


「そうそう、エリスちゃんが元居た世界では、魔術というよりは超能力に近いよね」


「まぁ、魔法も超能力も似たようなものでしたから」


イメージでは、魔法や魔術は論理的で、超能力は感覚的なものって感じでしょうか。

魔法は呪文とか用いるイメージですし。


「ただし、物理的にあり得ない現象は起こせないし、生物に対して直接干渉することはできない。木は燃やせるけど、石は燃やせないし、人も燃やせない。木にしたって、その辺に生えている木は燃やせない。切って薪にしたものだけ燃やせる」


「そうですね。なぜできないのかは謎ですが」


「なぜできないのか、それは教えられないけど、魔王の因子はそれを可能とするものです!」


ほう、えっと……つまりどういうこと?


「石は燃やせるし、人も燃やせるってことですか?」


「そうだね。対象の魔力容量によっては、ある程度レジストされちゃう場合もあるけど、不可能ではない。そういった制限をなくしてしまうのが、魔王の因子ってわけね」


「それは……たしかに最強となりうる力ですね」


「でしょう?」


本来の生物が持っている魔力を使用した干渉では、世界による制限がかかり、できることは有限。

しかし、魔王の因子を持っていると、制限がないためできることが無限。

それってとんでもないことですね。


「とても参考になる話をありがとうございます。なぜ、今までそれを教えてくれなかったのでしょうか」


「それじゃおもしろくないじゃない。まぁそれに、そういった力を使うような状態じゃなかったからね」


「おもしろくないってセリフはいらなかったのでは……。それで魔族にさらわれてしまった今教えてくれたわけですか」


「ん、まぁそういうこと。ていうか、基本は聞かれたからなんだけどね」


そういうと、マコト様は急に立ち上がりました。

だらだらしていたのは終了。

ということは、私の目覚めが近いようですね。


「さて、今回はここまで!あまり情報を渡しすぎても混乱しちゃうだろうし、寝て起きたら知識が増えてるってのも怪しまれる原因になっちゃうしね!」


「今回は新たな知識をありがとうございました。しかし、私が頂いた力ってかなりチートだと思うのですが、1番のチートはこうしてマコト様にいろいろ話を聞けることですよね」


「うーん、そうなんだよね。まぁでも、神のお告げってそういうものじゃん?だから受け取れる人は英雄扱いされるわけだし。実際わたしもあの世界にうまく干渉するの難しいから、そのうち管理を手伝ってもらうのもありかなー」


「その必要があればいつでも私は力になります」


第2の人生を歩ませてもらっているだけとても感謝していますから。

それくらい尽くさせてほしいものです。


「まぁ、その力は魔族で言うところの魔王が持っている力だから、神の使いが魔王っていうのもおかしな話なんだけど」


「……ん?そういえば、私のこの力、魔王の因子を持っている人って他にいるのですか?」


「今日はおしまいって言ったでしょ。また今度。というか、その辺の話は魔族の人にでもきいたら?悪いようにはされないと思うから。はい!それじゃ!またねさよなら!」


意識が遠のく。

そういって半強制的に天国から退去させられてしまいます。

本体は寝ている状態なのに意識が遠のくってどういうことなのでしょうか。

この感覚はいまだによくわかりません。


あ、そういえば吸血鬼の言っていた神ってマコト様のことだったのでしょうか。

……きいておけばよかったですね。

まぁでも、この世界を管理しているとおっしゃっていましたし、きっとそうなのでしょう。

次回、覚えていたら聞いてみましょうか。


それよりは、起きたらなんとか周りの魔族の人とコミュニケーションをとって家に帰りたいですね。

連れて行ってもらうことはできるでしょうか。

不安です。

ルーシーちゃんに会えないのは辛すぎます。

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