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美少女になれば幸せになれるとこの時は信じていたんだ  作者: 草壁輝美
第1章 女神のような美少女爆誕までの物語
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プロローグ 女神との面会

ふと目が覚めると、そこは天国だった。

といっても、そこが天国であると誰かが証言したわけではなく、天国としか思えない場所というか。


上を見上げると、白というかなんというか、青空ではない何かに染まっていて、空と呼んでいいのか怪しいけれど、優しく僕を世界が包んでくれているような、そんな空間。


下を見ると足場なんてなくて、まるで自分の体重がなくなったような、重力も含めたすべてのしがらみから解き放たれたような、そんな気分にしてくれた。


そうか、僕は死んだのか。


どうやって死んだのかはまるで思い出せない。死後なんてそんなものなのだろうか。ただ、漠然と死を受け入れてしまった。


「パンパカパーン!おめでとうございます!真西晃殿!貴方は抽選に当選しました!次の転生先では何でも願いを叶えた状態で転生することが可能となりました!」


「は、はぁ……ありがとうございます」


「さぁ!どうぞ願い事をいってください!あっ、即物的なものは無理ですのでご注意を!例えば現金500億円持っている状態で転生するとかそういうのは無理です!お腹の中にお金が置いてあるわけがないですしね!こんな才能が欲しいとか!不老不死になりたいとか!願えばどんなスペックでも搭載して転生させてあげますよ!」


「……あの、いきなりすぎてよくわからないんだけど、とりあえずあなたは誰ですか?」


「わたし?あーそうね、貴方達の言うところの神が1番近い存在ね。呼ぶ時はマコトと呼んでくれればいいわ。」


「神さま……」


そんな天国で、僕の目の前に現れた女性は自称神。しかし、たしかにその身から放たれる後光のようなものといい、どこか神秘的な服装といい、きっと神がいるならこんな感じなのかなと思わされる。まぁ、人の思い描く通り過ぎて逆に胡散臭くも見えるのだが。


「はい、それで晃殿?願いを決めてください!なぁに、そんなに悩むことはありません。前回の人生で抱いた欲望を!何も考えずに、ただ感じるままに口にしてください!もう我慢をする必要はないんですよ?さぁ!」


嬉々とした様子で願いを言えと、強気な語調で語りかけてくるマコト様。……まぁ、別に願いを言うくらいなら別にいいか。実は集中治療室で手術中とかで、今見ているこの光景は夢の可能性もある。せっかくだから欲を口にしてみるのもありかな?


「うーんと、それじゃ……僕の望みは美少女に生まれ変わることです」


ずっと思ってたんだ。もし女の子として生まれてたら、どんな感じなんだろうって。


「……え?美少女に生まれ変わる?それってどれくらい?」


「どれくらい……か……。世界を取れるくらいかな。僕が歩けば誰もが振り返らずにはいれず、座ればそこに花が咲き、泣けば獣達が慰めに来てくれるような、天の使いと周りが崇めるような、超弩級美少女に生まれ変わりたい!」


「んー、不思議な望みだね。何それ、君の性癖?」


「いや、つくづく思ってたんだよ。生まれ変わるなら美少女に生まれ変わりたいって。その方が人生イージーかな?って」


「ふーん。まぁいいや。それくらいならお安い御用だよ!それ以外は何かいる?」


「うーんそうだなぁ。魔法がある世界があるなら、そこがいい。それで、自衛する力が欲しいから、魔法がある世界で魔力を誰よりもある、魔法の才能に溢れた人になりたい」


「あー、魔法がある世界ならあるよ。もちろん人間がいいよね?ちょっとまってね……うん、この世界がいいかな?」


「お?みつかったかい?」


ずいぶんと早いな。


「みつかったみつかった!!てかちょっともったいぶってみたけど、魔法がある世界に転生することを希望する死者って結構いるから、情報がある程度まとまってるんだよね」


「あー、まぁ人間なら誰しもがあこがれを抱く文化だろうからね」


「まぁでも、みんながみんな君みたいに前世の記憶をもって転生するわけじゃないんだけどね。たまに運が悪いと記憶を持ったまま転生しちゃう場合もあるけど」


「それって運が悪いの?」


「そりゃ悪いでしょ!前世の記憶なんてもってても、言語も常識も文化も全然違うし!記憶にある人達とは誰も会えないんだよ!辛すぎるでしょそんなの!」


「ふーん、そんなものなのかな。あ、でも僕は記憶を持ったまま転生するんだよね?」


「うん。まぁ大丈夫でしょう。あなたは理想を形にして生誕するのですから!ただ転生するのではなく、望むステータスをもって!記憶をもったまま転生するよりもメリットがいっぱい!!楽しい新生活をあなたにお届けです!!!」


なんだろう、このお祝い?をしている瞬間すごく胡散臭くなるよねこの神様。

何か恐ろしいことを隠しているのではないか、そんな気がしてしまう。


「さて、それじゃこんな辛気臭いところで長話してもあれだし、早速転生いっちゃう?」


「いやいや、転生って大ごとだと思うんだけどそんな気安くていいの?」


「まぁ君たちのような人間にとっては大ごとかもしれないけど、私にとっては日常だし」


「んーまぁいいや。僕も話は早い方が助かるし」


「はい!それじゃご案内でーす!来世でも元気に頑張ってねー!」


人生初めての天国は、こうして簡単に離れることになった。

うーん、せっかく居心地がよかったのになぁ。


まぁまた来る時を楽しみにしているということで、第2の人生、楽しむとしますか!

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