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精神疾患に対する球技スポーツの効果

作者: 山田相州

精神疾患に対する球技スポーツの効果


Soshu YAMADA et al

National Diplesshion Center


統合失調症、躁鬱病およびうつ病などの精神疾患は脳機能の失調と考えられているが、原因は解明されていない。

例えば進化生物学者のHuxleyらは精神疾患は進化異常(evolutionary anomaly)ではないかという見解を出しているが1)、本当のことは分かっていない。

一般的な身体疾患の場合、例えば代謝に係わる酵素が働いていないなどの理由が分かればそれを補う薬を開発して治療することが出来る。

しかし、精神疾患の場合、ドーパミン、ノルアドレナリンおよびセロトニン仮説という仮説の段階にとどまっており、本当にそのような化学物質が関与しているのかどうかさえ不明である。おそらく、多数の遺伝子と多数の化学物質が関与しているが、それらは繊細に関与し合い、その結果として、人により効く薬が違ってくるなどの現象が現れるのではないだろうかしかし、自分に効く薬を探し出すのは大変である。

もし、一つの治療法で、精神疾患を直そうとしたら一番効果があるのは瞑想であろう。

瞑想とは心を無にする精神修行の一種である。近年マインドフルネスとよばれるものは瞑想から宗教性を除去した物である。今回、本稿で著者らは、「精神疾患は自分のことを考える病」と定義することにした。

自分のことを考え続けることにより、脳が疲弊しする。よって、瞑想によって脳を休養させ精神疾患がよくなるという考え方である。睡眠も精神疾患に効くことを考えるとこの定義はあながち間違ってはないだろう。しかし、精神疾患になると、睡眠が取れなくなるというパラドックスがある。そこで、瞑想なのだが、瞑想はどこでもだれでも気軽にできるという長所があるが退屈で長続きしないという欠点もある。

そこで、著者らはバドミントンやバレーボールなど球技スポーツを一定時間行うことを提案する。

バレーボールはボールが飛んでくるのを反射的に返すスポーツである。プレー中に自分の悩みについて

考える暇はない。ただ、「!」や「!?」としか表現できない思考と行動の連続である。

このように、ぐるぐると自分のことを考えることを強制的にやめ、ひたすら返球する競技を

週に2日程度実施すると、瞑想以上の効果が出ると考えられる。また、身体運動であるため

睡眠にも良い影響がでる。今後、著者らは、精神障害者スポーツを推進させ、パラリンピックへの

参加を目標としたい。


1)Huxley J, Mayr E, Osmond H et al (1964)Schizophrenia as a genetic morphism. Nature, 204:220-221

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― 新着の感想 ―
[良い点] 球技は考え事をする暇がないため、精神疾患を持つ方に効果があるというのは非常に興味深く思いました。ためになります。
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