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マコト氏、学校へ行く


――もしかして、戦闘力10=レベル1相当なのかな?

20層のレアバトルゴリラはオーラを身にまとえば倒せるけど、25階層のオークの場合は苦戦する。一度オーラを飛ばして攻撃したが一撃では倒せなかった。一方で溜めたオーラでオークを殴るとあっさりと弾けた。つまり、当たりさえすればlv90まで倒せるって事?とりあえずまとめると



①オーラを身にまとう身体強化は戦闘力10倍(限界時間約90分)

②溜めて攻撃すると30倍(3回まで…30分消費)※身体強化必須

③放つと15倍(②と併せて3回まで…)    ※身体強化必須



 ってことか。素の戦闘力を上げる方法さえわかればチートだな。時間と回数も伸ばせるかもしれない。この世界に時間魔法の使い手が入ればパーティーを組みたいな。



 どちらにしろ2発撃つことを前提とすると、レベル30相当になれる時間はたった30分か。

うん。チートじゃないな。ザコだわ。格上の|20階層ボス《レアバトルゴリラ(lv35》と身体強化(lv30相当)だけで何度か戦ってれば戦闘力の底上げできるかな。でも行くまでに時間かかるからパーティー組まないと無理っぽいな。


――よし。決めた。

とりあえず学校行こう。



<攻略者育成学校 受付>


「いらっしゃい! おや? 初めて見る顔だね? 入学するなら入学金と初月の授業料で30銀貨だぜ!」


 受付の「人物」は小麦色の肌に筋肉質な体格の、2m程の男性だった。

 一部を剃り残したスキンヘッドである。所謂モヒカンスタイルだ。マコトは無言で30銀貨を出す。なんだろう。どこかで見た事があるような気がする。


「おう! 確かに30銀貨あるな。クラスはレベルを合わせるから、ステータスカードを見せてくれ。あと裏で実技試験を受けてもうぜ!」


 マコトは黙ってステータスカードを出す。


齋藤誠(さいとうまこと)

戦闘力:30

所持金 銀貨5枚 銅貨3枚

『ミズーリダンジョン』最下層攻略24階



「なんだ?戦闘力30って?見た事ないな。24階まで攻略って事はlv40くらいあるのか? まあ実技で判断するか。ついてきな!」



 マコトは無言で大男についていくと、目の前に小さな岩、大きな岩、巨大な岩の3つがある。


「おう!小さい岩がlv10相当、大きなのがlv50相当、巨大なのがlv90相当だ。好きな岩を選んで得意な攻撃をしてくれや!」

――なぜだろう。どうしても名前が気になる


「すみません。自分はマコトって言います。良ければお名前を教えて頂けますか?」

「おう!俺はアレックスっていうんだ。よろしくな。上のクラスに入れれば教員は皆Lv100だぜ。」

――どこかで聞いたことがあるような……気のせいか。折角大金払うんだし一番上のクラスがいいな。



「巨大な岩に行かせて頂きます。」



身体強化すると、右手に気を溜めて大きく跳躍する。



「ハッ!」


巨大な岩をオーラで殴る。やったぜ!巨大な岩は粉々だ!


「お前さん中々やるな~。もしかして無属性の魔法使いか?気に入ったぜ。一番良いクラス入れてやるよ」

「あの、おじさんは偉い方なんですか?」


「おう? この学校の理事長をやらせてもらってるぜ。上下関係は面倒だから敬語はいらないぜ。入学は明日からな。お前のクラスはGⅠってクラスだ。はいよ。学校の地図と教材だ。」

「有難う御座います。それではまた~」


 そそくさと宿へ戻るマコト。学校の地図を見ると、「教室」「練習会場」「闘技場」「教員室」の場所が書かれている。明日から学校か。楽しみだな。

 オーラのコントロール練習して寝よ。ベッドに入るとすぐに眠りについた。



<翌日>


 アレックスに案内されGⅠと書かれたクラスの前に立つマコト。アレックスが扉を開けると中には30人程の生徒がいる。


「おう!今日から新しく入学するマコトだ。仲良くしてやってくれよな。自己紹介宜しく!」

「え?すみません。編入扱いなんですか?新規じゃなくて?」


「おう!今の時期は編入扱いだぜ!学校は1年だけだから残り半年間仲良くな!はい自己紹介宜しく」



――編入なのに30銀貨取られたのか。このおっさん、いつかぶっ飛ばす。

気を取り直してマコトは簡単に自己紹介をする。


「マコトです! レベルは低いですが宜しくお願いします!」

「おう!一同拍手!!マコトの席は一番左後ろな!」


 パラパラと拍手が聞こえる。そしてアレックスは去っていった。

 (え?マジかよおっさん。これだけの為に来たのかよ)

 驚くマコトだったが、隣の女性は小柄で金髪のショートカット、大きなクリクリとした瞳の大きな美人である。瞳も大きいが胸もでかい。


――よくやったおっさん。

気を取り直して隣の女の子に挨拶する。


「あの、マコトって言います。今日から宜しくお願いします」

「おい!貴様!!気安くお嬢様に話しかけるな!」


 2つ隣の席の180cmくらいのソフトマッチョな金髪イケメンに突然怒鳴られる。

何これ……怖い。


「いいんですよハワードさん。私はミズーリ・アリス。宜しくね。」

「ちっ…平民風情が。アリスお嬢様の空よりも大きな心に感謝するんだな。」


(お前は名乗らないのかよ)




「は~い。じゃあ授業始めまーす」


 気が付けば先生が教壇に立っている。そういえば命の恩人であるエリなんとか……親父ギャグ教授も先生なのかな。先生と教授って何が違うんだろう。



 1通り授業を聞いていたマコトはノートに要点をまとめる。



①この世界には火・水・風・土・雷・光・闇・無 計8属性の魔法がある

②中でも光魔法は応用力が幅広く、唯一の回復魔法が使用可能。断トツで1番人気。

③最近起きた異変により、この世界では最低でも1人2属性の適性がある。



 ……マジかよ。最低でも2属性って。前回勇者(笑)の俺は1属性だったんだけど。

 最近ってなんだよ。この世界に何が起きたんだ?


 どうやら、午前中は授業、午後からはダンジョンで実習というカリキュラムのようだ。



「うわ~い。綺麗な空だ。今日も太陽が眩しいぜ~」


 午後、マコトは1人で日向ぼっこをしていた。マコトは自信のレベルを3と偽っていた為、誰も一緒に組んでくれなかったのだ。



「ふむ。君かな?ボッチ生徒というのは。アレックスの話ではlv90相当と聞いていたが」


 声がした方を振り向くとマジシャンハットを被った男性、エリオットさんがいた。


「こんにちは、命の恩人さん。いい天気ですね。」

「やれやれ。さぼりはよくない。初日だから私が付き添ってあげよう。ステータスカードを見せたまえ。」

「どうぞ」


齋藤誠さいとうまこと

戦闘力:30

所持金 銀貨4枚 銅貨12枚

『ミズーリダンジョン』最下層攻略24階



「相変わらず意味不明な表記だな。じゃあ24階から行こうか。私は風・雷・光属性だ。今日は40階まで行ってみようか」

 マコトはお礼を言うと、一緒にダンジョンの受付に行く。



「これこれは教授じゃないですか?! どうぞ銀貨1枚です」

―――銀貨?銅貨じゃなくて?


「教授……この受付、教授が金を持ってるからってボッタくってますよ。入場料は銅貨1枚で入れます」ボソボソとエリオット教授へ告げ口をすると


「何を言ってるんだ君は?転送陣を使う場合は銀貨1枚なんだよ。わざわざ1階からおりていくのは面倒じゃないか」



さらっと知らない事実を告げられる。マコトはここへは4ヶ月も通っているが、そんな事は聞いたことがない。マコトは受付の女性を睨む。


「格闘家さんはまだ初心者なので説明してないですよ。最低でも10階層まで行かないと教えない規則なんです。」

「僕の最下層記録は24階なんですけど…」


「え?初日でコボルトに苦戦してたって聞いてからまだ4ヶ月ちょっとしかたってないのにですか?ちょっとステータスカード見せて下さい」

 マコトはステータスカードを受付に見せる。


「も、申し訳ございません。普通6ヵ月くらいでやっと10階層行けるか行けないかなので。」

「い、いや、大丈夫ですよ。初日以外は殆ど会話してなかったし。他にも何かあるんですか?」


「ん~と、レアボスは30秒くらい落ちた銀貨を拾わないと、銀貨が宝箱に変化する時があります。それと、10回連続でレアボスを倒すと必ず宝箱が出てきます」


 マコトは顔をヒクッっと引きつらせる。

「ち、ちなみに宝箱って何が入ってるの?当たり外れがあるんだよね?」


 受け付けの女性は『とんでもない』という顔になり

「いえいえ、何が出るかはわかりませんが、ポーション以外は最低でもドロップと同額以上の物が出ますよ。中には金貨が出てきたって話もあるくらいですから」



「そ、そうですか……」



 冷静な顔で対応したマコトであったが、心では泣いていたとかいないとか


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