初めてのお約束
「教授? 第2章が始まるんですか? 書き直しは??」
「落ち着きたまえマコト君。書き直しの前に第2章を書いていたら展開がおかしくなったので、とりあえず続編となったのだよ。」
「どこが変なんですか?」
「読めばわかる。既に4万字ほどストックがある。ネタバレとなってしまうが、第2章。君は中盤からほぼ活躍しない。」
「主人公なのにですか?」
「どこで狂ってしまったんだろな。読者に何がうけているのか、作者にはわからなかった。そして気がついたら内容がおかしなことになっていたんだ。最後に、長期休載していたから今までのあらすじを少し。」
マコトはミズールダンジョンを攻略した。残りのダンジョンはあと4つだ。
<エリオット教授・研究所>
ミズーリのダンジョンコアを破壊した僕はエリオット教授の研究所に来ていた。
「ボスはどうやって倒したんだね?諦めたように見えたが?」
「『見てた』ってどういう事なんですか?」
「言葉のままの意味だよ。あのお守りには特殊な魔法をかけていてね。全て見させて貰っていたよ。そんな事より説明が先だ」
「え~…もう教授から物貰うの絶対に辞めよう……。どうって言われても。オーラ弾で天井を輪切りにして何度も落としたんですよ。で、部屋が瓦礫で埋まったころを見計らってコアに直撃させました」
「埋まる? ダンジョンの壁は壊せないはずなのだが…やれやれ……世界の異変のせいなのか、貴様の戦闘力のせいかはわからんが研究が必要だな。とりあえず、今日は研究所に泊まっていきたまえ」
「え?絶対いやですよ。何されるかわかったもんじゃないですし。宿帰ります」
「ほう?いいのかね。宿へ戻ると、アレックスが待っていると思うが?」
「宿泊費は無料でいいですか? 別々の部屋でお願いしますね♪」
「そういえば助手の人はいないんですか?」
「嗚呼、あいつはダンジョンコアだからな。しばらく戻れんだろ。」
――いま何かおかしな事が聞こえたような…。オーラが練れない事だしとりあえず寝るか。
「お風呂って何処ですか?」
「そんなものないぞ。水魔法があるからな。」
「魔力ないんですよ…。」
「ふむ。土魔法で浴槽を作ってやろう。水魔法で適温の水を入れてと。これでいいだろう」
「僕の部屋に作り直してくれませんかね……」
「チっ……わかった」
教授にささっとお風呂を作ってもらう。製作までわずか10秒。お湯張り5秒。
スタンダードなお風呂が出来上がり、教授はさっさと研究室へ戻っていった。さっそく風呂に入ろっと。
……水魔法のお風呂気持ちいい…その日はお風呂に入ったまま寝てしまった。
~翌朝~
目が覚めると急いで着替えて教授の部屋へ行く。
教授は優雅に珈琲を飲みながら新聞を読んでいる。
「もう昼過ぎだぞ。あれだけの事をしといて、随分とのんびりしているな。其処に朝食の予定で作った珈琲、新聞があるから寛ぎたまえ。」
朝食を食べながら新聞を読む。
―――元勇者ソウゴをミズーリダンジョン破壊した容疑で指名手配とする。懸賞金としてプラチナ金貨1枚を進呈|Dead or Alive《生死は問わない》―――
元勇者と名乗っていた人物。ソウゴがミズーリダンジョンを破壊した。
現場にはソウゴのステータスカードが落ちており、『ミズーリダンジョン破壊者』と記載されていた。
「ブーーーーーーーーーーーーッ!!」
「おい!! 折角いれてやった珈琲を吹くとは何事だ!」
「だ、だってソウゴが賞金首になってますよ?!」
「お前がソウゴのステータスカードをダンジョン前に捨ててきたんだろうが。忘れたのか?」
――あの脱出した時に置いてきたカードの事か。見ないで捨てたので知らなかった。
「感謝したまえ。お守りをあげたこの私に。」
「見て下さい教授。ソウゴを捕まえるとプラチナ金貨が貰えるらしいですよ」
「ハッハッハッ。私の計画に狂いなぞありえんのだよマコト君!!」
「それにしても…許せませんね…この男」
「全くだ…貴重なミズーリのダンジョンコアを破壊するなど!プラチナ金貨でも安いくらいだ!!」
「「ハッハッハッ」」
~談笑中~
「ところで、僕のステータスカードに『ミズーリダンジョン破壊者』って表記されているのですが、何とかなりませんかね?」
「無理だな。自動で更新されるシステムだから、仮に偽装してもすぐに修正される。」
「教授のステータスカードを拝見させて頂けませんか?」
「私のかね? 構わんよ。君のも見せたまえ。交換といこうじゃないか」
エリオット・スカーレット
Lv:100
HP:570
MP:650
属性:風・雷・光・闇
『リットルD(ダンジョン)破壊者』
所持金 プラチナ金貨5枚 金貨850枚 銀貨52枚 銅貨36枚
齋藤誠
戦闘力:320
属性:時空
『ミズーリダンジョン破壊者』
所持金 金貨130枚 銀貨7枚 銅貨52枚
(あの教授がダンジョンを1つか破壊していない…だと…?!待てよ…その前に昨日……)
「教授、昨日水属性と土属性の魔法使ってましたよね?」
「時空魔法…こんな魔法が存在しているだと……。(やはりあの5つのダンジョンは別格という事か。)ふむ。条件次第では君のステータスカードも誤魔化してやるぞ」
「え?できないんじゃないんですか?」
「私を誰だと思っているんだ?」
「流石です教授。条件とはなんでしょうか?」
「東の島にワコールという大都市がある。そこのダンジョンコアの破壊に付き合いたまえ。」
「え?でも大都市のコア破壊は国に申請しても通らないのでは?」
「バカか貴様は。申請が通るわけないだろ、心配するな。賞金首にもならない。私に考えがある。」
「嫌な予感しかしないけどOKです。ところでステータスカードはどうされるんですか?」
「こうするのだ」
教授が棚から紫色の液体が入った瓶を取り出すと『マコトのステータスカード』をその中に入れる――マコトのステータスカードは無くなってしまった。
「は?ステータスカードは破壊できないはずでは…」
「破壊ではない。そしてこれが貴様の新しいステータスカードだ」
教授は引き出しからステータスカードを取り出しマコトに渡す。慌ててマコトが確認すると…
カスンズ・マコト
属性:無属性
所持金 金貨130枚 銀貨7枚 銅貨52枚
『ミズーリダンジョン』 最下層攻略99階
「え?なんで?どういう事なんですか?」
「やれやれ…簡単に説明してあげよう。君のステータスカードは『この瓶の中で特殊な液体と混ざっている状態だ』、そして今渡したのは良くできた偽物だ。」
「なるほど……つまり、どういう事なんですか教授?」
「面倒だから詳しい説明はせんよ。まあ、この薬品に『つけている間』は世界からの認識を誤魔化せるという事だ。安心したか?」
「さっぱりわかりませんが、流石です。教授。」
「では次の都市へと移動しよう。時期、ミズーリの街自体も滅びるだろう」
「そういえば教授はどれくらいダンジョンコアを破壊されてるんですか?」
「ふむ。覚えていないな。」
――エリオット教授が何を考えているのかよくわからない。危険だけど、とりあえず協力するしかないな。
2人は東の島、都市ワズールへと向かうのであった。
~港~
「これに乗っていくんですか?」
「そうだ。昨日購入したばかりの船だ。」
ショボい小型のクルーザーである。
「本来であれば風魔法で飛んでいくのだが、貴様が足手まといだから船で移動するんだ。贅沢を言うんじゃない。」
「いえいえ、何日くらいで着くんですか?」
「ゆっくり行くが、5時間ほどだな。」
「は~い。」
<しょぼクルーザーで都市ワズールへ移動中>
「そこの船止まれぃぃ!!」
教授と親睦を深めていると、乗っていた船が止まる。…この展開はまさか…お約束の盗賊ならぬ海賊か!
「金目のものだけ置いていけ! な~に、大人しくしていれば命は取らねぇからよ。へへっ。」
このセリフ…間違いない!ついにお約束の登場である。心臓の鼓動を抑えながら生海賊を見に行…
「待ちたまえ!!折角『居なくなっても誰も気にしない』人種と遭遇できたんだ! 貴重な人体研究の材料だ。お前は引っ込んでろ!」
「いやです! 初めてのお約束なんですから僕に見せ場を下さい!」
「何を言ってるんだ貴様は! いいからそこをどけ!」
船の入口で教授と取っ組み合いをしていると外から大きな声が聞こえた。
「待てーーい!
待て待て待てーーい!!
俺の名は勇者イサム!
貴様らの悪事、許すわけにはいかない!
命が惜しいものは投降しろ!」
全てはイカダに乗った勇者の為のお約束だった。
『何言ってんだこいつ、親分!やっちまいましょうぜ』
『何が勇者だ。笑わせてくれるぜ』
『オウオウ!!俺たちが悪名高き『クレイジー盗賊団』だって知らな……』
『『『『『ギャーーーーーー』』』』』』
「フっ…悪は滅びる運命にあるのさ…」
僕と教授が外に出るころには盗賊は呆気なく消し炭にされていた。恐ろしい。勇者には血も涙もないのか…
「助かりました。私の名前はエリオットと申します。ぜひお礼をさせて頂きたい。こちらの船で都市ワズールにある私の屋敷まで来てくれませんか?」
――教授が『なぜ』かお約束の続きを演じている。
「え?宜しいのですか?いや~そんなつもりじゃなかったのですが。」
――白々しい。だから勇者は嫌いだ。
「とんでもない!君は命の恩人だよ。さあ、こちらの船に移動しましょう?!」
「え、ああ。そこまで言うならお言葉に甘えて」
勇者イサムが教授の手を取った瞬間「…15連中級雷魔法」と教授が呟くのを僕は聞いてしまった。
「え?」という声と共に気絶したイサム。
教授が素晴らしい笑顔で僕に言った。
「さて…この辺りで休憩して解剖研究するとしようじゃないか。」
――この人は控えめに言って悪魔だった。
第2章は1部汚い表現があります。ご注意ください。




