ミズーリダンジョン攻略~後編~
<ミズーリダンジョン崩壊・当日>
いつものように朝食を食べながら新聞を読むが、文字が頭に入ってこない。
「おばちゃん!今日はずっと寝てるから起こさないでね。」
「アイヨ!」
部屋に戻って時間が来るのを待つ。
<13時55分>
「零式」
気配を消して宿から抜け出す。見張りにはバレていないようだ。
そのまま受付をスルーする。転送陣は誤魔化せるのか?
何もわからないまま99階層まで転送し、100階層のボス部屋へ向かう。
ボス部屋を開けると、黒いローブを着た魔法使い(?)が中央で佇んでいる。
距離は25m程離れている。小さい。人型のモンスターだ。
「誰もいないように見えるが、光魔法で姿を消しているのか?
出てこい。ダンジョンコアを破壊しようとする不届きものよ。」
零式を解く。
「やはりお前か。この時間を狙ってくるとは思っていたが。死ぬ覚悟はできているな?」
「僕は神様ってのが大嫌いでね。ダンジョンコアは神の使いなんだって?悪いけど壊させてもらうよ。」
オーラを練り挑発をする。
「今なら見逃してやる。99階層へ帰れ。」
「強そうにすんなよ。僕もあんたもlv100で同格だろ?」
「身の程知らずが。タイム・ストップ。」
衝撃が走る。自分が壁に激突した時、攻撃されたのだと理解できた。
HPが半分削られた? 今の一撃で? 時間停止に近い事をやってきた?
『時よ緩やかになれ』という詠唱が聞こえたから間違いない。
即座に距離を取ってポーションを飲む。魔法さえ使えればあんなやつ…。
「力の差が理解できたか? 最後だ、帰れ。お前にはまだ利用価値がある。」
「へ~、随分と僕の事知ってるみたいだけど、神様にでも聞いたの?」
「違うな。酸素や二酸化炭素といった知識、お前がエリオット教授に教えたんだろう?」
「さて、なんのことかさっぱりだね」
……ここからオーラを放つか?
回避されて終わりだろう。下手すれば相殺して貴重な回数を減らすことになる。
……地面にオーラを潜らせて攻撃する?
穴が空くから相手にバレるか。地面が壊れる音も隠せない。
相手は『時よ緩やかになれ』と言った。つまり、時間が止まるわけじゃない。
何秒だ……長い時間能力を行使できるなら勝ち目がない。
「ねぇ、サービスで教えてよ。どれくらいの間、時を緩やかにして動けるの?さっきの距離から考えると良くて数秒だと思うんだけど?」
「魔力の続く限りだな。私に勝てるのものなどいない。諦めて帰るがいい。」
…黒魔法師の後ろにコアがある。コアを直接狙えばどうだ?
「オーラ弾!」
1つは黒魔法師に向かって、もう1つは地面を経由してコアに直接オーラを飛ばす。
「タイム・ストップ。」
黒魔法師が魔法を唱えたのが聞こえると、両方のオーラが消された。
――反則だろこんなの。
だが1つだけわかった事がある。黒魔法師が止められる時間は、やはり数秒だ。
自分に攻撃してこなかった理由がそれだ。ダンジョンコアを守るだけで精一杯だったという事だろう。
クールタイムが必要な事を祈るしかないな。祈る?誰にだ?
――余計なことは考えてもしょうがないな。
黒魔法師を無視して円周りにダンジョンコアに突進する。
「タイム・ストップ。」
無慈悲な声と供にまた壁まで叩きつけられた。今度はHPが8割近く削られた。
「あんた。嘘ついただろ。最初は25m程、今は20m程の距離があった。本当は最初に1撃しか入れられなかったんだろ?時間制限があるから。」
ポーションを飲みながら会話で間をつなぐ。安全圏は何mだ。最初部屋の中央にいて25m、これで一撃って事は30mあればいいのか。
「答える気はない。帰れ。」
「それだよ。『帰れ』って言いすぎなんだよ。そこからの距離だと攻撃できないから帰れって言ってるんだろ。」
「黙れ。フレイム!」
「ハハッ、図星だったんだろ。別の魔法使っちゃってさ。そんな遠くからじゃ当たんないよ。」
黒魔法師の手から炎が出る。またしても円周り動いたマコトは、黒魔法師との距離約30mをキープする。
「無駄だよ。もうあんたを倒す方法も思いついたからね。」
「フっ…ほざくなよ小僧。魔法の内容がわかったから何だというのだ。私に勝てるはずないだろ」
「いいや、あんたを倒す方法はいくらでもあるんだよ。例えば複数人での攻勢による魔力切れ、
次に自滅覚悟でこの部屋全体を水で埋める窒息死。どれも致命傷だろ?」
「確かにな。だが無属性しか使えないお前にはどれも取れない手段だろ。笑わせるな」
「そうなんだ?そんなんで倒せちゃうんだ。じゃあ楽勝だね。」
「ほう?来るがいい。お前が何をするか楽しみだな。」
「…とりあえず逃げさせて貰うわ。バイバイ」
「―――なっ」
すぐに部屋から飛び出たマコトは、理不尽な魔法に対してぼやき始めていた。
「いや~、無理無理。これは無理ゲーですわ。やっちゃいけないでしょこれは。勝てるわけないって。
っていうかシリアス向いてなんだよ。諦めて帰ろう。ダンジョンのコア破壊なんて犯罪だっていうし。
賞金首なんてなりたくないし、帰って寝よう。」
「ん~、まあ無駄だと思うけど、一様扉の外からオーラ弾を遠隔操作して生き埋めでも狙ってみるか。よっと」
扉の外から最後のオーラ弾を放ち、ボス部屋の上壁を綺麗に切り取って何度も落とす。
5分ほどオーラ弾を操作してから、念の為、最後にコアがあった場所目掛けてオーラ弾を操作する。
『ミズーリダンジョンのコアが破壊されました。お近くの転送陣から地上へお戻りください』
え?マジで?
『ミズーリダンジョン崩壊までのカウントダウンを開始、残り180秒…179…178……』
と、とりあえず99階の転送陣まで急ぐか。
その時、エリオット教授から貰ったお守りから声がする。
「見ていたが何をしたんだ?脱出したらお守りの中に入っているカードを『その場に置いて』私のところへ来たまえ。寄り道するなよ。」
慌てて99階の転送陣から脱出して地上に戻ると人が溢れており、まるで満員電車のようだ。
『おい!いてぇな!押すなよ』
『ちょっと!今あんた私のお尻触ったでしょ!』
『触ってねぇよ!別の奴だろ!』
『この人痴漢です!助けて攻略者さーん!!』
『な、なんてことだ。まさかミズーリダンジョンが破壊されるなんて!』
……最後の人以外パニックになってない気がするが、皆パニック状態だな。
教授の指示通りに名刺入れ(?)の中からカードを取り出して地面に捨てると教授宅へ急ぐ。
「おっと、零式」
オーラは練れないが気配を消すことはできるようだ。ボスが生き埋めに出来る事も含めて
「バグってんのはステータスだけじゃなくて、この世界そのものだな」
と呟くマコトの声が聞こえた人はいなかったそうである。
マコトは時空魔法を習得しました―――NEW!!
◇
気が付くとマコトは真っ白な空間にいた。
椅子とテーブルだけあり、エリオット教授だけが座っている。
「これは……ダンジョンコアを破壊したからですか?」
「いいや、違うな。」
「じゃあ一体何が起きたんですか教授?」
「よく聞きたまえマコト君。この作品は打ち切りになったのだよ。」
「え?打ち切りですか??」
「作者がちょっと2ちゃの晒し評価スレに手を出したのだが、学芸会レベルだと言われ、作者もそれに納得してしまったのだよ。」
「だからって終わりなんてことがあるんですか?今後の展開とか考えてないんですか??」
「うむ。このあと色々あって、実は世界の異変は何度か行われている。
亡き剛炎の魔女も元勇者。隕石魔法を魔王上に大量に落としして虐殺→この世界送り。
ダンジョンコアも元は1組の勇者パーティーで魔王より強い魔物を育成し魔王討伐→この世界送り。
その他にも水素爆弾を開発して魔王を討伐した等という勇者がいることが判明する。」
「つまり、私たちの世界は、物語における約束事を破った勇者たちが集められた世界だという事だ」
「別にそれで続ければいんじゃないですか?」
「ふむ。作者も一度は『全体修正をしよう』と考えたらしい。だが一般的には『作品の世界観』というのがあるらしく、ここの作者は基本速読しかしないので、世界観の重要性が全くわからないのだよ。」
「つまり、この作品に世界観をいれるのは無理って事なんですか?」
「うむ。不可能だ。そもそも、書き始めてから思いついた事を、その場その場で加えて回していた作品
だったからな。今後の話も最初の世界観とやらとは全く違うものになってしまうのだ。
つまり、書けないのだよ。最初からこの作品が『こういう世界観だ』という考えがないから。
途中から設定を追加してるだけだからな。
①どういった世界なのか
②その世界にはどんな人がいるのか
という考えは全くない。そもそも私も最初にマコトを助けてからは登場しないはずだったしな。」
「え?教授は使い捨てのモブだったんですか?」
「そうだ。だが学校という設定が追加され再登場したのだ。先程の実はタブーの勇者が集められた世界だったというのも、ミズーリのダンジョンが破壊された辺りで追加された設定だ。」
「思いつきで変化するので決まった設定では無理ってことですね。」
「そもそも作者はラノベを読んだこともない初心者だ。漫画喫茶の滞在時間は1万時間を超えてるので、漫画はかなり読んでいるのだがな」
「そういえば、最初の戦闘力の検証の意味も今考えればなかった事にされてた気が……」
「そうだな。肉体強化がlv100が上限という設定も『主人公が強すぎてインフレするのも嫌だな』という追加設定だ。2ちゃでも最初の戦闘力描写は、意味わからないしつまらないと言われたからな」
「それに作者も納得だと?っていうか、最初に設定練るのって常識では?」
「まあ、何も間違ってないだろう。学芸会というのがしっくりきてしまったようだな。作者は、その、バカなんだよ。」
「じゃ、じゃあ『反則勇者達の鎮魂歌』とかで新作ですか?」
「無理だな。作者に全く世界観がないからな。しばらくは短編を書いていくかもしれないそうだが、個人的にはまた読み専に戻ると思うぞ。」
「そ、そんな!実質引退じゃないですか?」
「大丈夫だ。そもそもこの作品も9/26現在で、評価0だから引退してるようなもんだろ。問題あるまい」
「と、とりあえず50話くらいまで書いて文章のうまい友達に校正してもらえばまともになるんじゃないですか?」
「無理だな。なぜなら作者には友達がいないからな」
「…1人もですか?」
「……1人もいないぞ。結婚はしてるらしいが。」
~~続く??~~




