序章
初めまして
これからこの作品を連載していこうと思っています
つたないところもあると思いますがよろしくお願いします
「父上……」
燃え盛る炎がまた一段とと大きく膨れ上がった。
振り返った目に映ったそれは元服を迎えて間もない少年の足を止めるのには十分だった。
彼は大人には少し足りぬ体躯には似合わぬ長大な刀を抱えていた。
この刀を使えば父上を助けられるかもしれない。そんな考えが彼の頭をよぎる。
しかし彼はいったん止めた足を再び前へと運ぶ。
今は父を信じるしかない。
いかに大きな炎のなかでも父上ならば死ぬことはない。
彼は自分にそう言い聞かせながら走った。
やがていくつもの建物の間を抜けた先に門が見えてくる。
「叔父上」
そこにいた男に少年は安堵を込めた声で呼びかけた。
男は黙って少年を見る。
その手には少年が抱いているのと同じ拵えの刀がある。
「叔父上……」
やっとのことで少年は男のもとにたどり着いた。
ぱしっ、と
乾いた音が少年の耳に入った。
少年はそこで意識を失った。
読んでいただきありがとうございます
次回からは本編のほうに入っていこうと思います
ぜひ読んでください