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5.愉しみ
聖なる山に向かう途中、
光は、「取りて、読め!取りて、読め!」
と、ある本を読むように言う。
そこに、君の魂は、
はっとする。
それは、厳かな聖典ではなかった。
しかし、聖霊は、君に語り、君の心をどこまでも軽く軽くしていった。
それは、輝く顔で手を広げて、いてもたってもいられない様子で、明るく告げた。
「遊べよ」
「戯れよ」
「創れ!作れよ!」
と、
「さあ、もっと楽しみなさい」、
「遊ばないと君の道は開けない。」と。
早速、君はその作業に取り掛かる。
朝も夜も、時間のたつのも忘れて、それに没頭する。
成功するかしないかは、どうでもいい。
ただ、今、このことを成し遂げ、作り上げていきたい。
夢中になっていた。
心が解放されていた。
荘厳で悲壮に荒野を歩いていたころには決して得られなかった、魂の喜びがそこにあったのだ。
聖霊は、太陽に照らされながら、
私の周りを飛び回り、
茨のように見える道を「お花畑」に変えていってしまった。
君は、胸のうちから笑いながら、
小躍りしながら、
その道を軽やかに進んでいく。