新人教師は不安要素の塊だ
キーンコーンカーンコーン・・・・・・・・
[なんでお前そんなに疲れてるんだよ・・・]
去年もクラスが一緒だった木部が机に突っ伏してたら話しかけてきた。
仲は良いが真の親友ではない。
[いや・・・つい15分前に起きてな・・・・・自転車を荷物付きで爆走してたらそりゃ疲れるだろ]
荷物とはもちろん綾乃だ。それはどうやら綾乃も分かってたようで
[あっ、たーくんひどーい。私がお荷物って]
[毎日毎日50キロの荷物を運んでる俺の身にもなってくれよ]
[50キロないもん!私47キロだよ!]
思いもしなかった言葉が飛んできた・・・・・だが幼馴染をなめるなよ綾乃よ
[あれ~?一週間前には45キロって言ったなかったかな~]
フフフ・・・流石の綾乃でもこれには言葉を返すのは難しいだろ・・・・・
[そうなんだよね~また胸が大きくなったからかな~?]
ええ!?!?!?!?!?!?!?!?なんですと!?!?!?!?!?!?!?
マジか・・・まだ成長してるのか
うそ・・・私未だにBなのに・・・なんでなの・・・・・
流石ミス桐嶋の不知火さんね・・・・・・恐ろしい
など周りから色んな声が聞こえてくる。
多分みんなが一番気になっているであろう事を綾乃と間違いなく一番仲のいい俺がみんなを代表して・・・・・・
[なあ・・・・・ちなみにサイズってどうなってる・・・・・・]
[ええ~っと93のFになるかな~]
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
クラスメイト全員が衝撃のカミングアウトの前に黙り込んでしまった。
その瞬間、サイズを全員に公表してしまった綾乃が顔を真っ赤にして
[た・・・・・・・たーくんのバカーーーー!!!!!]
うん、こうなるのは予想できた。だがな・・・みんなからの期待の目を裏切るわけにはいかなかったんだ!!!すまん。
[うわーーーん!!!]
あっ、ふて寝した。
綾乃が見てないことをいいようにみんなからグッジョブ!、ナイス!よくやった!など男女問わず感謝された。
男どもはとにかく女子からナイスなどと言われるとなんか複雑だ。
何となく理由はわかるが
[よくやったぞミスター桐嶋の拓海君よ]
[お前らが期待のまなざしで俺を見るからだろ!]
[でもあんなことを頼めるのってやっぱミスター桐嶋しかいないよ~]
うんうん。
お前ら納得するな・・・・・
俺は去年の桐嶋祭で勝手にエントリーされたミスターコンテストでなぜか綾乃と一緒に優勝した。
コンテストに出る前からなぜかモテてたが優勝してからは更に声をかけてくる人が増えた。それは綾乃もだ。
そして、綾乃と俺が交際してるという噂も頻繁に聞く。だが俺たちは付き合ってない。ただの幼馴染だ。
それもあってか綾乃に聞きたい事があるが話しかけにくいから代わりに聞いてきてほしいなどよくある。今の胸のサイズの件もその一つだ。
[せ・・・席についてくだs・・・ガブッ!]
え?
[%$(&%Q=#%”*#&#|’=$”?_*^<@¥:}ーーーー!!!!!!!!!]
ウソだろ舌噛んでる・・・・・・・
出だしで舌噛むか?ハズかしwww
[うぅ~~~(´;ω;`)なんで噛んだのかな~・・・・]
この人この一年弄られまくるな。ご愁傷さま。
すると、その人は教卓の前に立ち
[み・・・みなさん初めまして!!!]
こ・・・・声高いな・・・・・いや、まさか裏声なわけないよな
[もぉー!なんで裏声出ちゃうかなー!またやっちゃったよ・・・]
裏声だったのー!あの人ある意味すげえ!
[えぇっと・・・わ、私は岡本佐奈恵といいます!教師生活一年目の新人なのでわからないことだらけなんですが・・・みなさんこれから一年よろしくお願いします!]
勢いよく頭を下げた。あっ、なんか予想がついた。
ゴン!!!
やっぱり頭ぶつけた・・・なんか可哀そうな人(色んな意味で)
そして床で転がってた。幼稚園児か・・・
そして気が晴れたのか恥ずかしかったのか分からないが起き上がり
[えぇっと・・・ほら、皆さん体育館行きますよ!始業式行きますよ!]
・・・・・・・・・・・・・・・・・先が思いやられる。
その後、始業式を終え部活動紹介に移った。
それは俺と綾乃とまだ見ぬ同士が集まる最初の舞台になるのだ。
終戦の契約者〈コントラスト〉もよろしくお願いします