表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/31

オソロシイモノを見た……【其の二】

超グロ注意! Gの描写有り。

 同僚から聞いた話。

 彼女はテキサス出身なのだが、テキサスはやたらめったらGが多いらしい。カリフォルニアだって結構いると思うんですけどね、ゴッキーちゃん。母校の大学など、夜になるとカフェテリア周辺に半透明の羽を持つちょっとお洒落なゴッキーちゃん達がうようよと歩き回っていたものだ。

 私は彼らに対する格別の恐怖や嫌悪感は特に無いが、しかしアレをペットにして可愛がりたいとかいう趣味は流石にないし、まぁアレが家の中を徘徊してたらヤダナァと思うくらいの感覚は持ち合わせている。しかし普通の人はGが死ぬほど嫌い、というのは日本でもアメリカでも共通らしい。私の同僚もそうだった。


 彼女が七〜八歳の時のこと。お母さんが留守にしていたので、彼女と妹とお父さんは、夕飯はピザのデリバリーにしよう!と決めて、早速ピザ屋さんに電話した。しかしその直後、冷蔵庫に牛乳が無いことに気付いたお父さんはピザ屋さんに再び電話して、「代金はポストに入れておくから、ピザは玄関のポーチに置いといて」と頼んだそうな。勘の良い人なら、もうこの辺で嫌な予感がビシバシしますよね。

 そして親子三人で近所のスーパーに牛乳を買いに行き、ついでにビールやお菓子なんかも買ってルンルンと家へ帰り、玄関に置かれていた生温かいピザの箱をそのまま電子レンジに放り込んだ……ここで箱を開けて中身を確認することを怠ったのが惨劇の始まりだったのだろう。


 電子レンジをスタートさせて数十秒後。無数の巨大な昆虫の黒い影が箱の隙間から這い出てきた。

 キャーッと悲鳴を上げる娘達。

「これはダメだッ! ピザは諦めて、奴らが全滅するまでレンジをかけ続けよう!」とか言い出すお父さん。しかし最期の一匹が動かなくなるまでに実に十五分近くかかり、ピザは一見レンガ並みのガチンコ、しかし手を触れれば灰のようにバラバラと崩れる異物と化していたそうな。

 死んだ魚のように遠い目で、同僚は淡々と語った。

「私はあの時に身をもって知ったの。核戦争が起こった時に、生き残るのは奴らなんだって……」


 ちなみに私はその電子レンジはどうしたのだろう……というのが気になって仕方が無いのだが(アメリカの電子レンジの多くは壁に埋め込まれたタイプで簡単にはチェンジ出来ない)、PTSDのせいか、同僚もその辺りの記憶が欠落しているらしい。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ