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00. 人間・太田琢郎、享年30

*キーワードにもありますが、私のオークのイメージ上、直接的なものはさけつつも性に関する描写があります。それも下品な方向で。その手の男性向け描写が嫌いな方はご遠慮ください。


**上の注意書きは念のためのものです。好きな方は好きな方で、過度の期待はご容赦を。

太田琢郎(おおた たくろう)」それが、俺の名前だった。


 趣味は読書(マンガとラノベ)とゲーム(大半がエロゲ)。自他共に認めるオタクだが、自分では濃い方ではないと思っている。

 まぁ見た目は、ぽっちゃり系の眼鏡で、着回す服の大半が着古したチェックシャツのいわゆるオタクファッションだったりする辺り、言い訳できないかもしれないが。


 中学・高校と親しい友達ができなかったり、道化を演じたりはしたものの、酷いイジメにはあうことなくそこそこの成績で卒業。現役で地元私立では5本の指に入るくらいの大学に入る。


 そこまではまだよかったんだが、大学生活は勝手が違った。サークルに入ったり友達を作ったりしなかったために外れの講義を多く受講してしまい、成績が低下。ゼミや卒論にもてこずって、結局卒業に5年と半年かかってしまった。


 留年に加えて、自己アピールだのディスカッションだのが苦手なために就職も失敗。30社ほどエントリーしたが、ほとんどが一次、よくても二次面接止まり。

 そのままニート化一歩手前だったが、伝手でなんとか地元スーパーのバイトに。


 フリーターで月収は10万そこそこだったが、月1万円(雀の涙)ほどを家に納めて後は親のスネをかじり続けていたため、本やゲームに使える金はむしろ増えたくらい。

 そのせいでついだらだらと、気づけば何年も過ぎてしまっていた。


 今のところ金に困っていないし、首になるような兆候もない。今さら正社員になる気もないので、たいして生活に不満はないとも言えるが、1つだけ大きな問題が。

 この年になるまで、経験がないということだ。

 3次元の恋愛なんてさして興味もなかったが、それとこれとはまた別の話。

 ついに今日、都市伝説にいう魔法使いになれる資格を得ることとなってしまった!



「いい加減自立しろ」


「大学までいくらお前に投資したと思ってるの」


 30歳の誕生日に、両親からのありがたいお祝いの言葉をもらう。もちろんプレゼントだのケーキだのがあるわけもない。

 俺はバイト帰りに従業員割引で買った酒の袋を片手に、さっさと部屋に戻った。


「父さんも母さんも、最近うるさくなったよなぁ……」


 聞き流したものの、多少イラッときた。

 早速袋から缶を1本取り出し、デスクトップの電源を入れる。こういう時はエロゲで気晴らしに限る!


 ちびちびやりつつも、下半身を寛げて自家発電の用意を整える。OSの起動が完了すると、最近お気に入りのタイトルのアイコンをクリック。

 純愛系もやらないわけじゃないが、今日みたいな気分の時にはやっぱり凌辱系だ。それも、オークがエルフの国を滅ぼし、高貴な姫を凌辱・調教していくストーリー。

 こういう、綺麗なものが醜く汚されていく展開が、近頃はぐっとくる。


「はぁッ……はぁッ……はぁッ……」


 酒を片手にのんびり楽しんでいたが、いよいよエンディングも近づいてきたのか、Hシーンがどんどん過激度を増していく。買ってきた酒も全部空けてしまって、気分が盛り上がってきた俺は、激しく手を動かす。

 ゲーム内のシーンに合わせて、さらに動きを速くしていき、画面の中がクライマックスに達すると同時に、


「うぉッ……!」


 思う様白い欲望を迸らせる。

 いつにも増した、頭が白くなるような心地よさと、虚脱感。


(ヤバい、落ちる……)


 そのまますぅっと意識が遠くなる。頭の中が白から黒へと暗転していき、まずいと思いつつも俺の意識はそこで途絶えた。

新作プロローグ。

今回は1回辺りの分量は少なめに。

1人称になってますが、このまま行くか本編は3人称にするかは、まだ考慮中。

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