芸術性
人はそれぞれ物の見方が違う
それをゴミにしか見えない人間もいれば
それをアートとして見る人間もいる
私はネットでとある記事を見かけた
ありふれた他サイト記事紹介の欄にそれはあった
女性の顔が
鋭利な刃物で切り刻まれている画像だった
傷は深く、おそらく死後に切り刻んだであろう
元の顔も分からないぐらいにズタズタに切り刻まれていた
私は特別、グロが好きなわけでもなく
変な性癖があるわけでもない
退屈な日常からかけ離れたらものがみたいのだ
だから、怖い物見たさに見るのだろう
なんとなく見たそれに、私は芸術性を感じた
美しいと思ってしまったのだ。
ただ単にそれが精神異常者による犯行や
強姦目的の末だったとしたら
胸糞悪くなるだけだが
それにはストーリーがあった
生前は美人であった女性は新婚で
子供は生後数ヶ月と言った所だ
旦那と二人で写っている写真は幸せそうだった
だが現実は違うのだ
旦那は裕福で金持ちだったが、容姿はよくなかった
資産だけが取り柄なのである
妻はそれを狙って出来婚に持ち込んだであろう
そして、事は起きた
元々金目当てだった妻は旦那を愛するはずもなく
他の男性と浮気、それがばれて口論になり
その故に殺害に至ったのだ
その画像から、男の全てが伝わってきた
ただ単に衝動的に殺害したのであれば
死後に顔をズタズタにしないであろう
憎しみ、怒り、悲しみ、劣等感
その全てを感じる事ができた
まさに怒りの体現と言っていいだろう
これ程までに人間の怒りや憎しみが感じとれる
作品は他にあるのだろうか
人が意図的に作る物より、はるかに素晴らしい
そう感じた私はおかしいのだろうか
側から見れば精神異常者に思えるだろう。
だが、素晴らしいものは素晴らしいのだ