序章Ⅱ:15年前
王子が行方不明になってから二年が経ち、ルカは9歳、ユカは7歳になっていた。
しかし、ユカは毎日どこかに遊びにいっている。
「ユカー今日はお勉強の約束でしょ?」
ルカが聞くと
「今日も帰ったら勉強するからー」
ユカはそう返した。
そしてユカは出掛けていった。
「もう、ユカったら・・・」ルカがそう思ったとき、
バーン!
銃の音が鳴り響いた。そして、誰かが倒れる音。
ルカは慌てて父の部屋へと向かった。
そこには、国王・・・いや、父親の変わり果てた姿があった。
「お父さん・・・どうして・・・」
その時、隣の塔から誰かが出ていった。銃を持ちながら。
ルカは慌ててその人を兵士に追わせた。
しかし、見失ってしまった・・・
更に
「おねーちゃん!おと・・・」ユカがこの状況を見てしまったのだ。
ユカはもちろん泣いた。
その泣き声を聞いたルカもとうとう我慢できずに泣き出してしまった。
城には、一晩中二人の泣き声が響いていた
そして、次の日。ルカが急遽王位を継ぐことになった。
そのときにルカはこういった
「私は、国王として上手く出来るかはわかりません。しかし、昨日起こった悲劇。この事は決して忘れません。そして、このようなことが二度と起きない国に、ユカと共にしていきたいと思います」
涙ながらにルカは言い切った。
国民から拍手が沸き上がった。
「父がいないのはとても寂しいです。でも、私は一人ではありません。頼りなる騎士団が、友達が・・・そして、姉がいます。これから、辛いことがあってもみんなと一緒なら乗り越えられると私は信じています」
ユカも涙ながらに言い切った。国民からさらに拍手が沸いた。
こうして、ルカは9歳にして国王になった・・・
それから15年後、話は大きく動き始める・・・