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月蝕の花嫁  作者: 紫苑ユリ
愛されたかった王女
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プロローグ

満月の夜だけ、

幻影帝国の空には“黒い月”が浮かぶ。


それは災厄の兆し。

人々はこれを"月蝕"と呼び、皆が恐れ慄いた。


そして、

第一王位継承者、

ミスティリアが最も嫌う夜だった。


「――あの"怪物"には近づくな」


城下町の人々は囁く。


光と闇、

二つの魔力を宿した禁忌の存在。


愛されなかった、

幻影帝国最強の王女。


けれど誰も知らない。


ひっそりと佇む塔の中

一人きり泣いている彼女のことを。


――これは、

愛されなかった王女の物語。



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