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報仇の剣 -萬軍八極編-  作者: 熊谷 柿
第6章 信星
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事態風雲急

登場人物

丘坤きゅうこん…………美質な弓の名手。あやかしの狻猊さんげいしもべに持つ。萬軍八極ばんぐんはっきょくのひとり。

介象かいしょう…………方士。干将かんしょう莫邪ばくや眉間尺みけんしゃくの三剣をびる。

元緒げんしょ…………方士。介象の師であり、初代の介象。

藺離りんり…………槍の手練者。妖しの火鼠かそを僕に持つ。萬軍八極のひとり。

欧陽坎おうようかん…………矛の手練者。妖しの短狐たんこを僕に持つ。萬軍八極のひとり。

巩岱きょうたい…………細作しのびのもの。介象に仕える。

娄乾ろうかん…………萬軍八極のひとりとおぼしき富豪。


韋震いしん…………賊徒のような身形みなりの若者。

尊盧そんろ…………あやかし。黄色い瞳の武者。蚩尤しゆうに仕える九黎きゅうれいのひとり。


夸父こほ…………巨人の妖し。性質たちは狂暴。隻眼せきがんで緑の皮膚。

 元緒げんしょは、介象かいしょうの肩より飛び跳ねると、その身を漆黒の烏に変じさせた。足は一本しか無かったが、器用に翼を羽搏はばたかせ宙に浮いていた。

「お主らはこのまま娄乾ろうかんを探し出せ。我が一番目の徒弟とてい娄基ろうきは、智謀の主じゃった。娄家がその流れを汲んでおるのならば、何か知恵を授けてくれよう。丘坤きゅうこんの身は案ずるな。わしが必ず連れ戻す」

 元緒は云い置くと、虚空高く舞い上がり、丘坤の足取りを追った。

「我らもこうしてはおれませぬ。先を急ぎましょう、介象さま」

「兄者の云うとおりだ。往こうぜ、介象さま」

 気がはや藺離りんりに、欧陽坎おうようかんも同調していた。

「うむ。そうしよう」

 介象が、さっと腰を上げた。

「無事に戻って来てくれよ、丘坤……」

 手許のかんざしに眼を落とし、欧陽坎が呟いた。


 小高い要塞のようになった宮廷に、尊盧そんろ韋震いしんが風に紛れて現れた。

「な、何だ、ここは――⁉」

 韋震は驚愕きょうがくした。そこから見える城郭まち並みは、嵐でも通り過ぎた後のように荒廃していた。時折、男とも女ともわからぬ叫び声が、辺りから断続的に聞こえている。

「――――⁉」

 韋震は、更に怖気おぞけを増した。眼を見開き、るように見上げている。

近くにその身を運んで来たのは、一体の夸父こほだった。

「この女を軒轅けんえんどのの許まで運べ」

 地に伏した丘坤を睨み据えた尊盧が、夸父に命じた。

 深緑の肌に隆々とした筋骨の夸父は、軽々と意識のない丘坤を抱え上げると、血走った隻眼せきがんでどこかへ連れ去ってしまった。

「お、おい! ど、どこに連れて行きやがる⁉」

 予想だにしていなかった状況に、突如として心配が鎌首をもたげた韋震は、狼狽うろたえながらも夸父の背に云い放った。

「どうした? お前が気をむ必要はないであろう」

 尊盧は、黄色い瞳を韋震に向けると不気味に笑った。

「付いて来るが良い」

 尊盧は、夸父が向かった先とは反対の方向に韋震をいざなった。

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