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報仇の剣 -萬軍八極編-  作者: 熊谷 柿
第2章 礼星
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古代の騒乱

登場人物

介象かいしょう…………方士。干将かんしょう莫邪ばくや眉間尺みけんしゃくの三剣をびる。

元緒げんしょ…………方士。介象の師であり、初代の介象。

巩岱きょうたい…………細作しのびのもの。介象に仕える。

丘坤きゅうこん…………美質な弓の名手。あやかしの狻猊さんげいしもべに持つ。萬軍八極のひとり。


蚩尤しゆう…………邪神。


「一体、何がどうなっている?」

「ぐむむ。よこしまな気が大気に満ち始めたのもうなずける……」

 元緒げんしょは、いにしえに起きたあるひとつの騒乱、その経緯を切々と語り出した。

 かつて――。

 人とあやかしが互いに干渉できぬよう、天が陽と陰に世を分かち、重ね合わせた。

 それにあらがう一体の妖しがいた。人の魂を喰らい、恐れる人々から邪神と崇められ、性悪の人が蔓延はびこることを愉悦ゆえつとする。

 蚩尤しゆう――。

 天の采配に激怒した蚩尤は、魑魅魍魎ちみみょうりょうの如き数多あまたの妖しを率い、暴風、雷雨、火災、水害、濃霧、煙幕などを巻き起こし、思うがまま人と大地を蹂躙じゅうりんし始めた。

 その蚩尤の暴走を阻止すべく立ったのが、元緒、つまりは初代介象しょだいかいしょうだった。

 介象は、己が育てた徒弟八人を主要として軍勢を率いると、妖しの軍勢と干戈かんかを交えた。

 劣勢を強いられた介象軍だったが、天より賜った含光がんこう承影しょうえい宵練しょうれんの三剣により、蚩尤を初めとする妖しを封印するに至った。

 しかし、蚩尤が滅した訳ではない。

 蚩尤復活を懸念した介象に、徒弟の八人は方術の技を己の子孫に伝えることとし、蚩尤復活の際に再び介象の許に集うことを誓った。

 そして、未来の介象が徒弟の子孫だと判別できるよう、標としてそれぞれの右腕に八芒星はちぼうせいすみを入れ、子孫代々へ痣が浮き出るよう方術を施した。

 それから、五百年ばかりの時が流れた。

 時代は移り変わり、遂にその日が訪れていたのである。

萬軍八極ばんぐんはっきょくとは何だ?」

 介象が、肩に鎮座した元緒に尋ねた。

「古の徒弟、八人のことじゃ。ひとりがまんの兵に匹敵するほど極めた力を持っておった。ゆえに、萬軍八極とうたわれた」

「蚩尤……。当時の介象ひとりではかなわなかったということか?」

 元緒は、呟くように返した。

「敵わぬ。わしの右足も蚩尤との戦で失った。蚩尤に従う配下の妖しも強大。其奴そやつらも復活しておるとなると厄介じゃ。儂らも萬軍八極、八人の徒弟の子孫を集めねば、とても太刀打ちできん。それに……」

「何だ?」

 云い淀んだ元緒に、介象と丘坤は首を傾げた。


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