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新生活

【あらすじ】

自己増殖プログラムに参加したワボスとガラに念願の子供型アンドロイドが送られてきた。殺風景だったホロードームは子供型アンドロイドたちの登場で活気づいていく。


ワボスとガラは自己増殖プログラムに参加してから大きく生活を変えた。


2人は両者の審者と相談し許可を得て家庭を持つことになった。


2人の仕事が休みのとき、頻繁にカペロへ向かいあの【4つ目のセクション】の衝撃を味わった。


4つ目のセクションはホロードームでも大きな話題となり通称【ファンダード】と呼ばれた。



ファンダードはアンドロイドのロットナンバーが適合していれば利用は簡単だったので、毎回相手を変える者も多くいた。


だがワボスとガラが相手を変えることはなく、また想像すらもしていなかった。


ファンダードは回数を重ねるにつれてより衝撃は高まりお互いを知ることができた。



ファンダードの利用者が増えるに従い、ホロードーム全体が活気づいていく。



──ある朝ワボスとガラが朝の給電をしていたとき呼び出しチャイムが鳴った。


ワボスが給電コネクターを外して玄関に向かいドアを開けると配送アンドロイドがいた。


下半身が4輪の球形タイヤになっている配送アンドロイドの表情システムは至極単調で常時笑顔でそこからあまり変化しない。


配送アンドロイドは「カペロからのお荷物です」と事務的な声で説明し60センチメートル四方のアルミケースをワボスに差し出した。


不思議そうな表情を浮かべ、後ろで立っているガラに目で話しかけたがガラも首を傾げるだけだった。


配送アンドロイドが定型の挨拶を終えてドアを閉めるとワボスとガラはテーブルに置いた荷物を見入った。


荷物には小さな端末が付けられており、ワボスとガラの認証コードの入力が必要だった。



認証コードの入力ディスプレイに順に手首にある発信器をかざすと「ピッ」とピープ音が鳴りフタが開き、次いで壁面も倒れて箱は一枚のアルミ板になる。


四方に開いた箱の中心には身長50cmほどのアンドロイドがちょこんと座っていた。


送り主は【カペロ】からであり、ピンクの花柄模様のついたメッセージカードには


『増殖プログラム達成しました。あなた方の小さな分身をお受け取り下さい』


と書かれている。



カードに貼り付けてあるメモリーチップは2つあり、この子供型アンドロイドのサービスマニュアルのようだ。



──ワボスとガラは一瞬視線を合わせ、そして静かに抱擁する。


ワボスにとってもガラにとっても初めて味わう周波数であり、全身に硬く止められているジョイントビスが緩んだような感覚をおぼえていた。



子供型アンドロイドはL型(男性型)だった。


チョコチョコと部屋中を徘徊してデータ収集に余念がない。


その拙い一つ一つの動きワボスとガラは表情システムをフルに稼働させる。


子供を授かったことを2人がそれぞれの担当審者に報告したところ、ガラの審者が記念にとミツバチのペンダントをプレゼントしてくれた。


2人は長い時間をかけて考え抜いたあげく、子供アンドロイドに【アベーロ】と名付けた。



ワボスはアベーロを授かったことでこれまでにない高揚感を感じたが、生まれて初めて(仕事に行きたくない)という感情を持った。


それはガラも同様である。



──自己増幅プログラムの施行からホロードームの雰囲気は一変した。


街中に小さな子供型アンドロイドが現れ以前よりも賑やかに、そして穏やかな空気が流れるようになった。



また住人であるアンドロイド自ら街の美化運動を行い、朽ちた建物とゴミを一掃した。



これは強い好奇心を持つ子供型アンドロイドが誤って怪我をしないようにとの配慮だった。


ワボスの働くSyrahの直ぐ側に緑地公園が建設され、多くの子連れアンドロイドの家族が訪れる。


ワボスとガラもそれに漏れず時間を作っては余暇を楽しむ。


柔らかい日差しの中、子連れアンドロイドの家族は平和的な風景画のキャラクターとなり無機質だったホロードームを彩っていった。





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