P13:行方不明の3日間
ゲ「おい…おい!そろそろ起きんか!」
大「んあ?あれ?ここは…どこ?」
ゲ「いつまで寝ぼけとるんじゃ、ワシの家じゃよ」
大「ゲンジロウさん?っテテテ…」
ゲ「調子に乗って酒なんか飲むからじゃ」
大「酒…あー!思い出した!昨日確か宴をしたんだっけ?」
ゲ「…正直、ワシは信じられん。お前がボス魔物を討伐したとはな」
大「いや本当、案外なんとかなるもんだね」
ゲ「…子供じゃと侮っていたが、本当に歴代勇者とは違うのかもしれん…」
大「ん?なんか言った?」
ゲ「何でもない、それよりも3日間も帰らなかったが…」
大「ひたすら森に籠もってスライム狩ってたからね、なんか強くなった気がするよ!」
ゲ「そういう話ではなくてじゃな…」
大「…?」
ゲ「3日も地球に帰らなくて騒ぎになっとるんじゃないのか?」
俺は血の気が一気に引いて、顔が真っ青になった。
思わず持っていたコップを落としてしまった。
目の前でゲンジロウさんが手を振っている。
大「え、てか…帰れんの…?」
ゲ「裂け目がある限りは帰れるじゃろう」
ゲ「ま、裂け目が閉じてしまえば二度と帰る事は出来なくなるじゃろうがな」
大「は!?そういう大切な事は早く言ってくれよ!?」
俺は急いでゲンジロウさん家を飛び出した、
飛び出すと賑やかになった村が俺を日の光と共に歓迎してくれた。
男「ありがとうな!昨日は酒大丈夫だったかい?」
婆「まぁまぁそんなに急いでどうしたんだい?」
女の子「ねえねえ!今度私と遊…」
大「ごめん!皆さん!俺急がないと帰れなくなっちゃうから!!」
俺はみんなの会話を振りほどいて、物置小屋へ向かった。勢い良くバガン!と古いドアを開けると、中には煙突の隣に淡い丸い水色の池のような物が渦巻いていた。呆気に取られている俺の隣に来たゲンジロウさんが、淡々と話をし始めた。
ゲ「これはいつからあったのかわからん、少なくとも3日前までは無かった。」
大「あれ…俺多分煙突から落ちてきたけど」
ゲ「もしかしたら“座標”がズレたのかもしれん」
大「座標?」
ゲ「裂け目についてはわからないことが多すぎる、ただ地球とマインスターを繋ぐ架け橋としかわかってはいない」
ゲ「それはそうと早く帰って、家族を安心させてやってはどうかの?」
大「そ、そうだ!急がないと!じゃあまたね!ゲンジロウさん!」
ゲ「…あぁ、またな」
大「よっと!」
俺は笑顔でゲンジロウさんに別れを告げると、池の中に飛び込んだ。
眩い光から解き放たれ、目を開けると、マンホールの上に立っていた。俺は走って家に帰った、マンションに飛び込み、玄関へ入った。
大「母さん…ごめんなさい…!俺…ちょっと…!」
母「あら、おかえりなさい。遅かったわね」
大「…え」
母「何?」
大「3日間…行方不明なんじゃ…」
母「何を言ってるの?確かに下校時間よりも3時間遅いけど」
大「さ、3時間…!?」
大「一体全体どうなってるんだ…!?」




