表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

92/109

第三十章 宇宙人狼VS??? その1

30.1 第一回戦第十五試合 宇宙人狼VS??? 対戦情報


 観戦モニターに表示されている対戦情報より。


 闘技場について。


 本日の闘技場はCタイプ。


 ドーム型の閉鎖された密閉空間。


 エイリアンハンター・ゼロについて。


 人狼。


 惑星を股にかけるエイリアン駆除専門の賞金稼ぎ。


 スタンド式グライダーに乗って飛行。


 二刀流高周波シックルブレード。


 ???について。


 不明。



 §   §   §



 30.2 宇宙人狼VS??? 試合開始前 アラトの部屋


《観戦者の皆さん、お元気ですかぁ~! お待たしましたぁ! 本日の解説もテレオ君にお任せ! ヨロシクだぜ!》


『シアイカイシ、3プンマエ』


《さぁーて、本日の出場選手入場だぁ! 画面向かって左側、人呼んで宇宙人狼こと、エイリアンハンター・ゼロ! 惑星を股にかけるエイリアン退治専門の賞金稼ぎだぜぇ!

 続きまして、画面右側、元祖ハテナキャラ! まだ情報は手元にないぜぇ、申し訳ない!》


 ドーム左側ゲートが開き、人狼ゼロがスタンド式グライダーに乗って入場してくる。西遊記の孫悟空が觔斗雲きんとうんに乗って飛んでいるイメージだ。 


 一方、右側ゲートはなぜか、うんともすんとも何も起きない。


 人狼ゼロは中心付近の適当な位置でグライダーを停止させ着陸した。


 宇宙人狼は別名スペースワーウルフ。人間が満月を見て狼に変身する狼男とは別物だ。いわゆる半狼半人、狼の頭だが全体像は二足歩行の人間とほとんど変わらない。


 全身は紫色のスペーススーツを着用、おそらくバトルスーツも兼ねている。狼頭と尻尾は紫の毛並み、足先と手先は鋭い爪。


 立った状態で乗っているグライダーは、オニイトマキエイ——別名マンタ——のような大きさと形状。前後幅が2m、横幅が3mくらいの、まるで一人乗り小型戦闘機だ。どうやら、足先の爪でしっかり固定しているらしい。


 停止したことでエンジン音が収まった。


《さて、元祖ハテナキャラが姿を見せないが、残り10秒だ!》


『シアイカイシ10ビョウマエ、9、8、7……』


 カウントダウンと同時に、闘技場内に転送されてくる人影。


 姿を現したのは真っ黒いマネキンだった。


《これは、マネキンなのかぁ?》


 両手の形状は、まん丸い鉄球。頭も頭髪の無い鉄球のようなツルツル頭。上半身に胸筋と腹筋の形状が薄っすらとあり、男性のマネキンと思われる。



 §   §   §



 30.3 宇宙人狼VS??? 観戦模様 アラトの部屋 前編


『……3、2、1、ゼロ』


 試合開始の合図でエンジン全開、急上昇する人狼ゼロのグライダー。


 腰両側にある武器の格納パーツらしきところから、円形状の物体を二つ取り出す。円形状の物体が膨れるように巨大化、鎌形状のブレードへと変形すると二刀流で構えた。


 柄が極端に短い三日月形状のシックルブレード、刃の全長は80cmくらいだ。


《まずはこの情報からだ! ゼロ選手が手にした鎌状の武器は高周波エッジ! その切れ味は、厚みのある金属も一振りで簡単に真っ二つにできちゃうぜ!》


 縦横無尽に空を駆けるグライダー。急旋回、急制動もお手の物。曲芸飛行を披露し、その高機動性を誇示している。


 アスリートが試合前に行うルーティンと同じ、人狼ゼロにとってのウォーミングアップらしい。


「ガルルゥ」


 唸る人狼ゼロ、気合は十分のようだ。獣の双眸そうぼうが鋭くマネキンをめつけ、敵意をき出しにする。


 二刀流のシックルブレードを左右に広げ、水平斬りの構え。地上で静止しているマネキンに向け急降下突撃。地上でブレードを振り抜き、マネキンの胴体を真っ二つにした。


 下半身をその場に残し、上半身が無残にも地表に転がった。抵抗も悲鳴もない、無感情で無機質なマネキンの反応。


《おっと、早くも真っ二つになってしまった元祖ハテナ! いきなり決着なのかぁ?》


「これはヤバイ!」


「どうしてですか、アラトさん」


「無敵フラグ! このあと、みるみる無敵になっていくフラグだよ。あのマネキンぜってい、つえーぞぉ!」


「世の中って複雑ですね。お勉強になります」


 転がったマネキンの上半身が起き上がる。


 両手を使って、ピョンピョン跳ねるようにして突っ立っている下半身のもとへ寄って行き、胴の切断面に上半身を乗せる。そのままくっついて元のマネキンに戻った。


《たった今、情報きたぜぁ! もう皆さんの想像どおりと言っていいっしょ! このマネキン、ナノテクノロジーで製造された、形状記憶粘性合金製ロボットだったのだぁ!

 そうなると、斬った砕いたはまったくの無意味! すぐくっついて元通りなわけさぁ! 無敵、無敵、無敵、無敵ぃ!

 問題は謎の攻撃手段。なんか嫌な予感がするぞぉぉぉ~》



【ブックマークのお願い】

 継続して読んでいただいている読者の皆様、誠に有難うございます。

 是非とも、ブックマークの便利な更新通知機能をご利用ください。


【作品関連コンテンツ】

 作品に関連するユーチューブ動画と作者ブログのリンクは、下の広告バナーまで下げると出てきます。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【※『インスパイアリング・リスペクツ―マルチバース・コロシアム―』関連コンテンツはコチラから!】

ユーチューブチャンネル『なんちゃってAI小説家』へGO!
OPテーマ曲『マルチバース・コロシアム』へGO!
EDテーマ曲『南国難解軟禁案件』へGO!
「マルチバース・コロシアム 第一回戦対戦組合せ」動画へGO!
作者ブログ『なんちゃってAI小説家』へGO!


【活動報告について】
ユーチューブとブログの投稿情報は活動報告に掲載しています。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ