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第八章 未来人VSトレジャーハンター その4

8.7 未来人VSトレジャーハンター 試合模様その三 トレジャーハンター側


「オーマイガッ!」


 叫ぶジョーの頭上を飛び越えるスミスの大型バイク。正面にはバイクと激突し、もんどり打って地上に転がるケルベロスの姿。知能の低いケルベロスと衝突してしまえば、次の獲物がジョーに切り替わってしまうことをジョーは熟知している。


 唐突に訪れた大ピンチ。


 ジョーは咄嗟に懐から金のメダルを取り出した。


『不死鳥のメダル』——フェニックスの文様が刻印されたゴールドメダル、秘宝中の秘宝、ジョーが愛用する守護神アイテム——を宙に放り投げる。


 小さなメダルが、人型の守護神『ザ・フェネクスマン』に変身。守護神が蹴りを繰り出すと、ケルベロスが吹っ飛びジョーとの激突を回避した。


「ヒュー、なんとか間に合ったぜ」


 『ザ・フェネクスマン』は三国志に登場しそうな武将の甲冑を身にまとう人型の不死鳥。背に生やす大きな翼と頭部は不死鳥のそれ、全体のデザインは炎をイメージしたレッド系オレンジ色でまとまっている。


 常にメダルの持ち主のそばに仕え、主人の身を怪物から守護する。


 モンスター類や重火器、刀剣類に対し驚異的な攻撃力と防御力を誇る。が、生身の人間にだけ、ダメージを与えることができない。


 トレジャーハンター界では、主人である人間を守護するためだけの神秘的な存在を総称して『モンスターイェーガー』と呼んでおり、世界中にいくつか存在しているのだ。



 §   §   §



8.8 未来人VSトレジャーハンター 観戦模様その三 アラトの部屋


「オーマイガッ! いったい何? 悪霊? 一人1体?」


「これはなかなかの装備です。ですが、新人さん、我社の秘密兵器も負けていません」


「いや、そういうことではなく……。義理子先輩、仕事熱心ですね」


「ありがとうございます」


《オーマイガッ! ジョーの秘密アイテムは底無しだぜ! これは知る人ぞ知るモンスターイェーガーだ! オラっちも見るのは始めてだが、メッチャクゥゥゥール!

 なになに……、手元の資料によると名前はザ・フェネクスマン、モンスター相手では最強の守護神だ! 人間は襲撃しないと説明があるが、重火器や刀剣類は破壊しちゃうらしいぜぇ。これは超便利なガードマン、オラっちもほしいぃ!》


 モンスターイェーガー『ザ・フェネクスマン』に蹴りを食らったケルベロスも一瞬で体勢を立て直し、すぐさま襲ってくる。


 猪突猛進ちょとつもうしんのケルベロスと対峙するザ・フェネクスマン。凄まじい蹴りの連打——百滅脚——でケルベロスを撃破した。


 ジョーはシールドカプセルに再封印されたケルベロスを回収する。


 その合間のこと。


 スミスは着地と同時に転倒したかのような勢いでバイクを寝かせ地表でゴロリと一回転、懐からワルサーPPKを取り出した。そのまま、ジョーの左腕サーカスアンカーを射撃、破壊に成功。


 しかし、突進してきた女性型ケンタウロスが剣を振り抜き、スミスの銃を叩き落した。続けて剣で猛攻を仕掛けるケンタウロス。


 スミスは逃走しながら、バックパックから青白ツートンカラーの大型レーザー銃を取り出した。銃身が縦に二つ並んだかのようなデザイン、明らかにバックパックよりも長い。


 レーザー銃を放つと、雷のように波打つ青白い光線が発射される。その光線がケンタウロスを捉えると、ケンタウロスはピタリと身動きを止めた。それはまるで、ケンタウロスだけ時間が停止したかのようだ。


《で、出ましたぁ~、未来人スミスの伝家の宝刀、『運動エナジー停止光線銃』! このレーザー銃で捉えられたら最後、肉体は運動エネルギーを喪失したかのように完全停止させられるぜ!

 と言っても、実際には呼吸は継続するし、視覚、聴覚も機能している。

 物理法則を完全無視した未来兵器、ただただいっさいの抵抗を許さない、束縛光線銃、オラっちもほしいぜ!》


「新人さん、なにニタニタしているのですか?」


「へっ? 別にニタニタしてませんが」


「そうですか。またいつものように変態的妄想ばかりしていますと、女性から総スカン食らいますよ」


「いえ、ですから、先輩の思い違いです」


「そうですね。ちょっとだけ思い違いです」


「是が非でも僕を変態扱いしたいわけですね」


 スミスは停止光線を浴びせ束縛を継続する。光線を照射しているあいだしか拘束できないということらしい。


 そのまま、バックパックから大き目の黄色いハンカチーフを取り出した。縦横3mくらいの正方形、幾何学模様が施され、神秘的な印象を醸し出す。


 そのハンカチもどきをケンタウロスの頭から被せると、アッという間にケンタウロスの身体が丸ごと縮小されていく。


《キタァァァ~、三つ目の未来兵器『物体十分の一縮小ネット』! 物体の上から被せると、10分の1の大きさに縮小するという夢の道具。さすがは未来兵器! みんなの夢を叶えてくれるぅ~》


「新人さん、なにニタニタしているのですか?」


「へっ? 別にニタニタしてませんが」


「そうですか。またいつものように変態的妄想ばかりしていますと、女性から総スカン食らいますよ」


「いや、だから、先輩のことちっちゃくして、手の平乗っけたらかわいいだろうなぁ~とか、全然考えてませんから!

 それと! まるでコピペしたかのようなセリフの使い回しは止めましょう、先輩!」


《ちなみに、何でも入っていそうな不思議なバックパック、あれは『縮小収納バックパック』なんだぜ! 簡単にいうと、物質を縮小して収納できる便利機能つき。勘違いしちゃダメだぜ!》


 スミスは続けて『重量地雷』をバックパックから取り出し、地面に設置。縮小させているケンタウロスを『物体十分の一縮小ネット』ごと『重量地雷』の上に置いて固定した。


 その後、停止光線を解除、小さいながらも暴れるケンタウロスが脱出できないことを確認し、『運動エナジー停止光線銃』をジョーに向ける。



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