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第二章 超人VSサイボーグ その4

2.9 超人VSサイボーグ 試合模様その三 サイボーグ側


 超人はキャプテンの超絶反応速度に気づいたのか、急に、円形闘技場の壁沿いにグルグルと高速で飛行し始めた。徐々に加速しスピードを上げる。どうやら、可能な限りスピードアップし、自ら壁に激突しようがお構いなしに、キャプテンに急襲する作戦のようだ。


 キャプテンはビーム収束剣を10秒チャージし、ハイパービームスピアを構える。ほかのメンバーもキャプテンの意図を理解し、全員がお互いを見てうなずく。


 スザクも二刀流ビーム収束剣をチャージして二刀流ハイパービームスピアに切り替える。


 ゲンブが闘技場中央で仁王立ち。その背後にキャプテンが立つ。セイリュウはキャプテンと背を合わせるように立ち、二丁のビームハンドガンをチャージして、迎撃態勢を整える。


 スザクは、中央に立つキャプテンと壁沿いを飛行する超人と間のちょうど真ん中になるような位置で、超人を追いかけるように走りグルグル回る。


 ビャッコが、機を見て超人に特攻を仕掛けようとしたところ、超人が急に天井近くまで上昇し、スピードを殺さないように渦を描きながら急降下してきた。


 そして、中央付近で床に突進し、破壊された床のコンクリートが粉々になって白煙を撒き散らす。視界をふさがれたキャプテンが周囲を見渡している隙に、足元から超人が現れ、キャプテンの両足をつかんで急上昇する。


「グアッ、しまったぁ!」


 気づいたビャッコが叫ぶ。


「上だ!」


 超人は両足を掴んだ状態で、キャプテンの身体を軽々と頭上に持ち上げ、そのまま床へ叩きつけようと急降下。


 超人が床に叩きつける瞬間、ゲンブが床に寝転びながらうまくキャプテンのクッションになるように身体全体で受け止めた。


 大きな爆発音とともに床が破壊され、破片が飛び散り砂煙が舞う。


 床に叩きつけた瞬間の隙をついて、セイリュウがチャージショットを放ちヒット。吹っ飛ばされて床に転がる超人。


 そこへすかさず、スザクがハイパービームスピアで素早い斬撃を繰り出す。


 身体をひねりながら前転して、うまく防御態勢を整えた超人は、エナジーグローブで見事、ハイパービームスピアの斬撃をガード。続けてセイリュウがチャージショットは放ち、またもや超人に直撃して床に転がる。


 倒れた超人の足を急接近したビャッコが捉え、ジャイアントスイングを仕掛ける。フルパワーで超人を投げ飛ばし壁に激突。そのまま、壁から落下する。


 ビャッコ、スザクは、キャプテンとゲンブの元へ駆け寄り、無事を確認する。セイリュウはビームハンドガンを構え、超人を警戒していた。


 キャプテンとゲンブは結構なダメージを負った。両者とも立ち上がるが、足元がフラフラしている。


 一方、超人もゆっくりと立ち上がるが、ダメージは大きくなさそうだ。


 セイリュウが、牽制けんせいのためビームハンドガンを連射し始めた。


 その瞬間、超人はゴーグルの中央、眉間部分にある十字のオーナメントからビーム弾を発射し、セイリュウのビームハンドガン一丁を破壊した。


 驚くセイリュウ。超人はビーム弾を放つ能力を持っているにもかかわらず、今まで使用せずに隠していたのだ。


 超人は少し身体を空中に浮かせ、ビーム弾を連射し始めた。照射型の光線ではなく、拳銃のように単発で放つ弾丸型だが、連射もできるようだ。


 フラフラだったゲンブが両腕のビームシールドを展開し、文字通り盾となって全員をガードする。


 超人が急に飛行を止め地上に降り立ち走り出した。映画やアニメに登場する高速移動系ヒーローのような俊敏しゅんびんな走りで急襲する。


 飛行するよりも大地に足をつけて行動するほうが、狭い空間での機敏で複雑な動きに適していると悟ったのだろう。


 全機身構える。が、盾となっているゲンブを突進で突き飛ばし、続いて身構えたビャッコの両手を掴み、そのままセイリュウに向け投げ飛ばしぶつける。


 スザクがビーム収束剣を振りかざすが、お構いなしにエナジーグローブで殴り飛ばす。


 超人は、フラフラするキャプテンの真正面に立つ。両者、しばらくにらみ合うように対峙たいじした。


 超人がエナジーグローブを解除、無言で指先をチョイチョイと動かし手招きのジェスチャーで挑発する。


 なぜ優勢であるはずの超人がそのまま追撃せず、一騎打ちを誘っているのかキャプテンは理解できる。


 キャプテンが格闘技に精通していることを、超人は知っているのだろう。相手の得意とする土俵で殴り合い、それでも圧勝してねじ伏せる、それは強さを追い求める者の矜持きょうじであり、愉悦でもある。


 強さをひけらかすことは傲慢ごうまんでサディスティックな嗜好しこうにも思えるが、高速飛行とエナジーグローブを封じ、自らにハンディキャップを課すわけだからそうともいえない。


 単純明快、殴り合いだけでどちらが強いか知りたい。超人は根っからの戦闘オタクなのだ。


 一方で、そこまでなめられたキャプテンは、絶対に負けるわけにいかない。プライドに賭け。


 キャプテンは両手を前に構え拳を握ると、ボクシングスタイルでリズムよく小刻みにジャンプし始める。立ち止まっている超人の周りを右に左に移動しながら、有利なポジションを探っているのだ。


 やがてジャンプを止め、股を開ながら腰をゆっくり落とし、カンフーの半身の構えから、すり足で徐々に間合いを詰める。


 一瞬の緊張感、昭和のカンフー映画を彷彿ほうふつさせるシーンだ。


 最初の一撃は、キャプテンが繰り出した。


「はぁぁぁぁぁぁぁぁ、だりゃ!」


 数発ジャブを超人にヒットさせるが、頑丈な体躯たいくはビクともしない。


 続けて蹴りの連続攻撃を繰り出す。超人も両手でさばくように防御し、少しは格闘の心得があるようだ。


 キャプテンの飛び膝蹴りからローリングソバットの連携技。ススッとスウェーバックでかわす超人。キャプテンの着地時に大きな隙が生まれた。


 隙を利用して、お返しとばかりに殴りかかる超人。しかし、格闘術の実力は、キャプテンのほうが数段上回っている。


 超人のパンチを受け流し、右手首を掴むと、そのまま寝技に持ち込み、サブミッションを極める。腕ひしぎ十字固めだ。これにはさすがに超人も驚きを隠せない。


 サブミッションが見事に極まっているので外せない。超人の右腕がねじ切られそうになっている。


「ぐっ、ぬぅぅぅ~」


 すると、超人は寝転んだ状態からゆっくり起き上がり、つかまれた右手を、腕力でキャプテンの身体ごとむりやり持ち上げた。


「なにっ!?」


 うろたえるキャプテン。


 超人は自由に動かせる左手で、キャプテンを殴り始める。たまらず両手を離すキャプテン。


 キャプテンは地面に落下すると同時に、強烈な回転下段蹴りを繰り出し、超人の両足を払って勢いよくぎ倒す。


 超人が転倒した隙に、キャプテンは素早く立ち上がって、その場で前方宙返り。狙いどおり、超人が立ち上がったところで、前方宙返りからの唐竹割りのごときカカト落としがクリーンヒットする。


 さらに着地と同時にサマーソルトキックを繰り出し、前屈みとなった超人にもう一度クリーンヒットした。


 ズーン、という豪快な響きとともに、背中から床に倒れる超人。キャプテンの強烈なキックが脳天に連続ヒットし、脳震盪のうしんとうを起こして超人は気を失ったようだ。


 着地したキャプテンは、すぐにメンバーに指示を出す。


「みんな聞いてくれ。もうアレしか奴を倒す方法はない! 奴はすぐに回復するだろう。今が唯一のチャンスだ! アレをやる!」



 §   §   §



2.10 超人VSサイボーグ 観戦模様その四 アラトの部屋


「うぉぉぉ、すごい戦いだ! 負けるなぁインヴィンシブル・スター! 名前のとおり、無敵を証明してくれぇ!」


「新人さん! 新人さんはスーパージクウナイツを応援しているのではないのですか? ひどい! わたくしをだましたのね。酷いですわ!」


「えっ、いや、最初からインヴィンシブル・スターを応援してますよ、先輩」


「新人さんのバカバカ!」


 義理子先輩は両手で顔を覆い、イヤイヤと肩を左右に振った。


(なんだかなぁ~、ホントこの人、なんだかなぁだよなぁ~)



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