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第二章 超人VSサイボーグ その2

2.4 超人VSサイボーグ 試合模様その一 サイボーグ側


 Vの字に整列している先頭の赤い戦士、『スーパージクウナイツ・キャプテン』が敵に向け声を張り上げる。


「インヴィンシブル・スター! 彼らは、わたし直属の支援ロボットでね、5対1の卑怯な戦いに見えるが、単純にわたしが装備する兵装の一部なんだ。彼らの名は、『玄武(ゲンブ)』、『青竜(セイリュウ)』、『白虎(ビャッコ)』、『朱雀(スザク)』って——」


 ガァン!


 と、超人インヴィンシブル・スターが音速を超える速さで飛行しながらキャプテンに突進、正面に突き出した両手の拳がキャプテンの腹部を直撃し、金属音が鳴り響いた。


 超人はキャプテンの身体を捉えたまま闘技場の端まで直進し、白い壁に激突する。壁面が人型にえぐれ、キャプテンの身体が埋もれていた。わずか1秒間の出来事だ。


 すかさず、支援ロボの一体スザクが超人に体当たりし、キャプテンへの追撃を阻止。続けて、セイリュウが離れたところから両手のビームハンドガンを連射し、ビーム弾が超人にヒットし続ける。


 ブン! という起動音とともに、超人の両手、握った拳から肘までが、バリアのようなオレンジ色の光エネルギーに包まれる。


 まるでボクシンググローブを身に着けたかのようだ。両腕のバリア状エナジーグローブでハンドビームガンのビーム弾を殴るように全て弾き飛ばした。


 超人にはほとんどダメージが無いのだろう。支援ロボ4体に囲まれたが、意に介していない表情で上空へと舞い上がり、その場を離れる。


「待ってやる。戦闘態勢を整えろ」


 超人は、上空で待機したまま、壁にめり込んだキャプテンにひとこと告げた。


 めり込んだ壁から脱出するキャプテン。


「くっ、油断していた……あのスピードはさすがと言ったところか。それに、約束どおり5秒待ってくれていたわけだ。不意打ちとは言えないな……。かなり強いぜ!」


「「「「キャプテン!」」」」


 支援ロボ4体が心配そうに口をそろえた。


「全員、武器を装備」


「「「「了解」」」」



 §   §   §



2.5 超時空保安戦隊スーパージクウナイツ 戦闘能力編


 キャプテンの機体だけが赤とメタリックシルバーで輝いており、4体の支援ロボはモノクロ調のシルバー系カラー、若干の違いはあるが、フォルムは全機似たようなデザインだ。


 4体の支援ロボの外観をキャプテンとほとんど変えずにボディの塗装をメタルシルバーで統一することにより、一組のまとまった兵装であることを示している。


 そして、支援ロボ個々の性能セッティングを変更することで、異なる個性と役割を持たせているのだ。


 支援ロボ1号機『ゲンブ』はディフェンス担当。


 5体の中で最も装甲が厚く、移動速度が遅い。防御に特化する。両腕の甲側、籠手こて部分にエネルギー低消費のビームシールドを内蔵している。他の機体も、左腕にだけビームシールドを内蔵しているが、エネルギー消費が激しい仕様なので、あまり活用しない。


 敵の耐久力を解析するのが得意である。


 両腕の籠手部分からビームシールド発生装置が迫り出し、ビームシールドを展開させて戦闘態勢を整える。


 支援ロボ2号機『セイリュウ』はシューティング担当。


 ビームハンドガンのチャージ攻撃が得意で、ほかの機体よりもチャージ速度が5倍速い。セイリュウ専用銃はチャージ1秒、他の機体は5秒要する。ビームハンドガンは全機、転送により装備可能。通常ショットは厚さ40cmの鋼鉄装甲、チャージショットは厚さ200cmの鋼鉄装甲を貫通する。


 敵の射撃兵器など遠距離系攻撃力を解析するのが得意。


 既に、両手にビームハンドガンを転送させ、構えている。


 支援ロボ3号機『ビャッコ』はパワー&肉弾戦担当。


 スピードとパワーを兼ね備えた肉弾戦特化型だ。敵とつかみ合う肉弾戦を好むので、パワーと骨格強度はメンバーの中で最も強い。高速で繰り出す連続パンチが得意技である。敵が離れたときだけビームハンドガンを使用するが、ふだんは何も装備しない。


 敵のパワーを解析するのが得意。


 支援ロボ4号機『スザク』はスピード&剣術担当。


 スピード強化をするため、装甲を削るなどして軽量化が図られた機体。空は飛べないが、背中にある低燃費高出力仕様の小型ジェットでホバリングするように高速移動ができる。


 冷却装置の仕様上、長距離には適さないが、瞬間加速には定評あり。メンバー内で最速、瞬時にマッハ1のスピードを出し急襲できる。


 ほかの機体の背中にも小型ジェットは内蔵されているが、燃料の関係で大ジャンプ時と急加速時にしか使用せず、空を飛ぶ仕様にもなっていない。


 また、剣術にも定評があり、ビーム収束剣の二刀流剣術が得意である。


 ビーム収束剣はビームハンドガンと同様に、全機、転送により装備できる。ビームのエネルギー熱が厚さ40cmの鋼鉄装甲を溶かしながら分断する。


 10秒間のチャージをすると、長さが倍のビーム収束剣『ハイパービームスピア』に変化する。一刀すれば元の状態に戻るが、厚さ200cmの鋼鉄装甲を一刀両断できる。


 敵の移動速度・反射速度を解析するのが得意。


 コンバットスーツおよび支援ロボットを転送した時のように、空間に小さな光の渦が二つ出現すると、雷光とともに電気が走り、二本のビーム収束剣が転送されてきた。それらを掴み、二刀流を構える。


 キャプテンは当然チームの戦闘指揮役だ。


 4体の支援ロボからリアルタイムで受信する各情報を統合し、弱点解析する役割を担う。


 マーシャルアーツ、截拳道ジークンドーを主軸とした格闘術に精通しており、射撃と剣術・格闘をバランスよく駆使して、ヒット&アウェイの中距離戦法を得意とする。武器はビームハンドガンとビーム収束剣。


 4体の支援ロボは、100%機械仕掛けの純粋なロボットだが、キャプテン自身は、機械50%、生身の肉体50%のサイボーグ。


 機械仕掛けにより、常人の百倍パワーで稼働する骨格により肉体が破損しないよう、ドーピングで生身の肉体細胞を強靭化した強化人間でもある。


 それにより、脳増量、骨格強度向上、治癒力強化、筋力強化、肺活量強化、視覚・聴覚強化などを果たした。


 さらに、『超感覚制御&超高速伝達制御』という科学技術によって、反射神経を通常の人間の100倍に強化している。


 視覚・聴覚から得られる外部情報の電気信号を脳に伝達する速度が100倍速く、かつ、脳が筋肉などの肉体——機械部分含む——に行動の支持を出す電気信号も100倍速くなる。


 ただし、常時発動すると脳の負担が大きすぎて失神してしまうため、本能的に危険予知した時のみ瞬時に発動する。戦闘時は特に危険予知能力が高まり、敵から攻撃を受ける直前から、あたかも時がゆっくり進んでいるかのような感覚で行動できる。そのため、敵の攻撃を回避する能力に優れる。


 変身前のダンは、宇宙飛行士が体験する対衝撃、対重力訓練や、過酷な状況でも任務遂行する鋼の精神力など、その5倍の訓練に耐え抜いている。


 加えて、特殊合金で加工されているコンバットスーツを装着することにより、超人的な戦闘能力と耐久力を発揮することができる。


 よって、眼前の無敵超人相手でも、躊躇ちゅうちょなく対峙たいじできるのだ。



 §   §   §



2.6 超人VSサイボーグ 観戦模様その二 アラトの部屋


「へぇー、4体の銀色ロボットって全部支援機なんだ。そんなん許されるなら、僕もほしいなぁー」


 アラトは、モニターに表示されている現在進行形の出場者の情報を読みながら呟いた。


 アラトが読んでいたのは、観戦者がモニター上に表示できる出場者の基本情報である。試合開始直後に、そのデータの存在を義理子先輩から教わり、モニター上に文字で表示されている本試合出場者の詳細を閲覧していたのだ。


 どうやら、お互い対戦相手に知られたくない戦闘能力を試合開始前に把握されないよう、試合開始直前くらいから観戦者のみ能力の詳細をモニターで確認できる仕組みとなっているようだ。


「でもこの情報、ムキムキ超人のデータがほとんど無いですね。わかんないことだらけ……」


 ボソっとぼやくアラト。それに義理子先輩が反応する。


「インヴィンシブル・スターは自身の情報を伏せておきたかったのでしょう。運営組織の配慮で、個人情報開示の程度を当人が決めることができます。

 ですが、各出場者の戦闘能力は第一回戦の対戦内容でほとんど暴かれますので、それで十分ではありませんか」


「ふ~ん、納得しました」


「それより、スーパージクウナイツ最強説に偽りなしで良かったじゃないですか」


「そんな説、知りませんでした。僕はどちらかというと……」


「もういいですから、データ表示消してください! 全画面で試合模様見たいです」


「はいはい」


「『はい』は1回!」



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