プロローグ
2045年、シンギュラリティ(技術的特異点)は人知れず僕らの地球に到来したらしい。
ただ、令和生まれの僕からすれば、成人して大学もなんとか卒業したけど、これといって風景や街並みが特別変わったようには感じていない。まぁ、AI技術がものすごい進化を遂げていることに間違いはないが。
しかし、しかしだ、僕だけは僕の人生史上、いや、人類史上と言い換えてもいいのかもしれないが、最も不運な年がやって来たと思っている。
多元宇宙統一最強決定大会、題して『マルチバース・コロシアム』
トーナメント参加枠は32。優勝するためには5連勝。
僕は今、このトーナメントに参加している。多元宇宙の最高峰の存在になれというのか?
そしてネタバラシをすると、僕はこれから決勝戦に挑まないといけない。
32枠の中には、ドラゴン、怪獣、恐竜、超人、銀河系帝王、悪魔、吸血鬼、鬼、妖怪、人狼、宇宙生物、サイボーグ、戦闘メカ、スーパーロボット、魔法少女、勇者、妖精、エルフ、未来人、幽霊、忍者、トレジャーハンター、オカルト教祖、他にはスライムだの、謎の玉だの、よくわからん真っ黒いマネキンだの、そして、そして、女子高生やメイド、プロゲーマーまで参加している。
そして、僕。
僕は就職先が決まらないまま大学を卒業し、就職浪人となってしまった、いたって普通の草食系モブ男子。ルックスはオタク系黒縁メガネ青年だけど、硬式テニスを中学時代から嗜んでいるので、まぁまぁの細マッチョかな。
ちょこっと能天気で楽天家の霊長類ヒト科オス、決して、魔王の隠し子であるとか、中身は超高性能のアンドロイドであるとか、どっかの宇宙からやってきた手から光線を出す宇宙人とかでもないし、アニメやマンガでよくある異能の持ち主とか、異世界転生者とかでは、断じてない。
本当に申し訳ございません。正真正銘、普通の人間なんです。許してください。怖いです。手が震えています。えぇ、まぁ、決勝戦ですから、死ぬ可能性も十分すぎるほどあります。
でも、ここまで勝ち上がってきた。実際、死ぬ思いをしてきた。殺された奴だっている。勝敗に生死は問われていないのだ。
どうやって決勝戦まで生き残れたのか。それを語るには、およそ45日前まで遡らないといけない。
話は長くなるだろう。でも最後まで見届けてほしい、辛抱してほしい。これから始まる決死の物語を。
尾暮 新人
【読者の皆様へ】
この作品を選び、読んでいただいた全ての読者様、本当に本当に有難うございます!
『インスパイアリング・リスペクツ―マルチバース・コロシアム―』は、シリアスなバトルあり、ドタバタコメディありの物語、二つの異なるパートで構成されています。
さらに、自称AI小説家と名乗る私のペンネームに関連する要素も沢山盛り込んでいます。
正直に申し上げますが、この作品は私の処女作、人生で初めて執筆した小説です。
まだまだ未熟な自称小説家ですが、プロット作成、執筆、画像生成、動画生成など、およそ1年半かけてじっくりと創り込んだ物語です。どうか至らぬ点はご容赦いただき、是非とも最後までこの作品を楽しんでください。
それこそが小説家としての本懐です。
この物語が、ラストの結末が、皆様の心に残ることを祈りながら。
2025年3月20日 なんちゃってAI小説家