ミカエル・ティファレト
かなわん!
命惜しい!
エクシーをからかうんじゃなかった!!
エクシー
分かればよろしい、メランダスの彼女?
おふざけもほどほどにせんと本気で怒るぞ!!
わるかった!!
わるかった!!
メランダスの彼女は耳に手を当てる。
シグマと通信をつなぐためだ。
メランダスの彼女
シグマ…あれ以来、旧世界に何か変化はあった?
シグマの言葉が頭に響く。
特に変化はない。
ただ少し激戦区になりそうな土地がちらほらあるが封印するほど酷くはない。
それよりも、とんでもない災害が発生しそうな土地を感知した。
ユグドラシルからそれが完全に発生する前になんとかしろとこちらに眴を送って来ている。
今なら、たぶんまだ間に合う。
それから面妖な事に災害が起こってないのにその土地からモンスターも住民も一瞬にして消えた。
メランダスの彼女
何がもと?
シグマ
精神をおかしくした二個の天使の脳みそだ。
メランダス メランダスの彼女
ぶっ壊れ天使ね。 ぶっこわれてんね。 同時
メランダス
やれやれだ。
シグマ
かっ飛ばしてこい。
メランダス共。
セドナ大陸という土地だ、送ってやる。
打って変わって周りの景色が闇になった。
神殿が見える。
シグマ ・・・・・・
しかも、デュランダルがある。
回収してこい。
メランダスの彼女
デュランダル?
珍しい!
???
そのデュランダルはお前のすぐ後ろに!!
メランダスの彼女は背筋を指でなぞられた。
メランダスの彼女
うわあぁぁぁ!!
気配もなくいつのまにか女が立っていた!
???
よぉ?
なにしてんだい?
メランダスの彼女
フヒトじゃん!
(天界にいるミカエル・ティファレト)
ルシフェルが雇っている傭兵部隊の1人だ。
なんで旧世界に居るんだ?
フヒト ちょっと興味が湧いてね。
おたくのところの世界に?
シグマ
そこのやたらと歩くデュランダルと知り合いか。
メランダスの彼女
知り合いだ。
戦ったら勝てるかわからない上に安全だ。
シグマ
ほほう?
フヒト
冷たいこと言うなって!
少し遊ぼうぜ??
フヒトは金色とスモーキークォーツがあしらわれた剣を抜いた。
フヒト
手加減してやるからやらないか?
メランダスの彼女
勘弁してください…。
メランダスの彼女はクローンブレードを抜いた。
結果は見事にフヒトが彼女のクローンブレードをかっ飛ばしてしまった。
フヒト
素はそんなに強く無いんだな。
何が得意だ?
メランダスの彼女
本当は杖の方が得意…。
フヒト
少しそれはご遠慮だ。
カオスの本家には敵わん!
無しだ!!1発でも食らったらアウトだ。
まあいいや、なんかえらいものが発生しかけてるけどありゃなんだ??
俺が住んでいる魔界にもあんなものいねー。
異様な気配を遠くから察して見に来ちまった。
そろそろ帰るがまあ、せいぜい気をつけろ。
変だぜ、なんか?
あの土地、生まれながらに手足のないネコがそこらじゅうに転がってるんだ。
メランダスの彼女は顔を顰めた。
(ミカエル・ティファレト)
聞き捨てならないな。
フヒト
人間やモンスターの方は事が起こる前に全て避難させたから心配すんな。
しばらくここの住人は俺の魔界で暫く面倒を見る。
住民は土地がまともになったら戻してやる。
シグマ
それで住民が全ていなかったわけだな、礼を言う。
メランダスの彼女
何があったの?
この土地で。
フヒト
二体の堕天使型が融合しようと互いを呼び合っている、2つの正体はよく知らないがはっきり言う。
かなりタチが悪い。
気をつけろよ。
俺も流石にドロンさせてもらうぜ。
シグマ
…その情報型のデュランダルを回収対象から外そう。
見間違えないようにマーカーをつける。
フヒトの体が白く一瞬だけ光った。
フヒト
じゃあな。
フヒトは光を残して消えた。
メランダス
入るか、セドナに。
メランダスの彼女
入りたくない。。。
メランダスの彼女は立ち止まった。
シグマ
メランダスの彼女、やめるならしょうがないが犠牲者が増えるぞ、あの歩くデュランダルのやったことをむだにしたくなければ入れ。
誰かが入り口に立っていた。
よくは見えないがフードを脱いでこちらを手招きした。
メランダスの彼女はそれを見た。
メランダスの彼女
…入って見よう。
正体不明のそいつはセドナに入って行った。
空間が異様に揺らいだ。
シグマ
災害がたった今発生した。
始末してこい。
メランダスのども。
メランダスの彼女はセドナに入った。
その辺蜘蛛の巣だらけだったが蜘蛛は何故かいない。
何も見当たらなかった、手足のとられた生物など、代わりにただ大量の虹色の蜘蛛の巣があるのみだった。
真ん中に蜘蛛でなくごく小さな丸い球があった。
白い宝玉がどの蜘蛛の巣にも置かれている。
シグマ なんらかのデーモンの仕業だろう。
災害の発生を早めたのは。
(ミカエル・ティファレト)
やはり悪い奴はどこに行っても。。。
彼女は悟った。
メランダスの彼女
痛いのは一瞬だけにしてやるということだな!かなり優しい奴だな!
メランダス
ほう?!
どういうことだ?!
メランダスの彼女
この蜘蛛の巣は全部もと生物だ!!
手足のとられた肉体を整った形の神経だけにして脳髄は宝玉にするなんてセンスがいいな!!
・・・・・・
ネットワーク!!
この世で一番残酷なのは勝手な母親の愛だ!
やったのはアスモデウスだ!!
行こう!!
メランダスの彼女は走り出した。
向こう側に手足が鎖のようになった強力な生命体を確認した。
メランダスの彼女はモードチェンジした。
メランダスは魔物の本性を表して巨大な悪魔になった。
エクシーと上から何かが舞い降りた。
ミカエルの目には大量の蜘蛛の巣が見えた。
ミカエル・ティファレト
力を貸してやろう、メランダスの彼女。
メランダスの彼女の体が熱くなる。
メランダスの彼女の頭の中に技名が浮かんだ。
ザ・フレイム!!
天界の炎だ。
ただしミカエルが扱うため、際限がない。
そばにある大量の蜘蛛の巣はあっという間に燃え広がった。
メランダスとエクシーは手足が鎖状になっている気味の悪い巨体とぶつかった。
上から何が降りて来た。
???
手こずってるようじゃねぇか?
メランダス?
メランダス
なんの用でぃ!!
ベルゼブル!!
ベルゼブル
本物の急所はそいつの心臓でも頭でもねぇ!!
遊んでると消耗するぞ!!
メランダスの彼女はどこに居る?!
メランダス
この辺で花火に夢中だボケい!!
適当に探せい!
ベルゼブル
そうかよ、探してくるぜ!
土地全土の蜘蛛の巣を際限なく燃やして居るメランダスの彼女をベルゼブルは見つけ出した。
ベルゼブル
おい!
火遊びは終わりにするぞ!
来い、メランダスの彼女!
メランダスの彼女
べクシー!!
ベルゼブル
その呼び方…。
まあいい、こっちにこい。
ベルゼブルはメランダスの彼女を掻っ攫って奥の神殿へと案内した。
虹色の大きな蜘蛛の巣が2つあった。
メランダスの彼女
案の定、全部蜘蛛の巣になってる!!
寄らないで!!
悪魔の娘!!
私たちは一つになるの!
頭に少女たちの声が響いた。
メランダスの彼女は問答無用で炎を放った。
やめてー!!!
奥からもミカエルが見ていた。
一瞬でかんらん石色の炎が教会を燃やすことなく蜘蛛の巣だけを燃やして消えた。
蜘蛛の巣と繋がっていた魔導書物も跡形もなく燃えた。
メランダスとメランダスの彼女の脳内に光景が広がる。
全員にアスモデウスと思われる姿が見えた。
天界にいるミカエル・ティファレトの右目にもハッキリと見えていた。
女はフードを下ろした。
メランダス
こりゃあ、、、。
メランダスの彼女
嘘でしょ。。。
(ミカエル)
正面から堂々と歩いてくる記憶の女がアスモデウスだな?!
美人だ。
そして、メランダスの彼女に面影がよく似て居る。ただし、彼女の方が背が高い。
メランダスの彼女から驚きの言葉が出た。
メランダスの彼女
…ママ。
(なんだって?)
天界に居るミカエルも笑ってしまった。
≪記憶≫
少女の声
寄らないで!!
貴方からは酷く邪悪な気配がするわ!!
私達はエゼキエルとザフキエルになるの!
こんな所でデーモンに邪魔されるわけにはいかないわ!!
アスモデウス
手足を生贄に捧げてまるでだるまのような格好をさせる経典が?
馬鹿馬鹿しくて呆れたこと。
パライバーズの悪質な教典の一つ、補完の予言書。
どれ、もっとやりやすくしてあげるわ。
黒い女は手をあげてその空間を支配した。
圧倒的な支配力だ。
ああああっ!!
アスモデウス
どう?
やりたいことをやらせてあげたわ?
お互いのことが全て丸見えの気分は?
アスモデウスは鏡を突きつけた。
それは真ん中に宝玉の二つの馬鹿でかい蜘蛛の巣に姿を変えていた。
アスモデウス
私はどういうわけか本気で気に入った存在の母親に姿を変えてしまう体質をしていてね?
そりゃ偽物が多いはずだわ!!
・・
自分のママじゃ誰も信じねーよ!
・・・
私の娘が来るまでせいぜい生物補完ごっこでもしてなさい。
・
百合にさぞかし火でもつけてくれることでしょう。
女は笑いながら去っていった。
メランダスの彼女
なんも言えないな。。。
アスモデウスにだけは。。。
姿形が自分のママじゃぁ。。。