2日目の朝
「この彼岸花結実ちゃん達がくれたんだよね?私彼岸花好きなんだよ。ありがとう。でもさ、結実ちゃん。確か赤い彼岸花の花言葉に『悲しき思い出』ていうのがあるんだけど、それって墓地でよく見かけることからそうなったみたいなの。」
「いや、不破お前何言ってんの?ショックでおかしくなっちゃった?」
「私は至って普通だよ?だからね、ちょっと回りくどくなっちゃったけど私が言いたいのは何でそんなに私のことを嫌っているの?ということなんだよ。」
「わざわざ他の女子に私をハブらせたり、こうやって誰かに彼岸花を置かせたり、そこまでする理由は何?」
「あぁもううっせえな。なんとなくだよ。じゃあ何?お前は一つ一つの行動にちゃんと理由や意味を持っているって?」
「さすがにそこまではいかないけど私は自分のなんとなくの行動にそんな風にして他人を巻き込んだりはしないかな。」
「へーぇ、随分とご立派なことで。どーせうちは彩葉様みたいな聖人じゃあないですよ。」
「ん?私別にそんなこと言ってないよ。この行動の理由を聞いただけ。」
「いや、だからさあ。」
「あ、そっか。なんとなくって言ってたね。ごめん、忘れてた。」
「お前煽ってんのか。」
「そんなつもりはなかったんだけど。そう聞こえた?ならごめんね。」
「だからそういうとこだっちゅーの。」
「ガチウザいわ不破。璃莉、真凜、行こ。」
その後、何やらクラスの女子達に話しかけている。どうせまた訳の分からない根回しをしているのだろう。思わずため息が出る。猫と甘いものが好きって言っただけでなんでこんな目に合うんだろう。と、ここで視線を感じた。その方向を見ると新堂亜希ちゃんが椅子に座って窓の外を眺めていた。まあ、気のせいだったのだろう。でも、1人でいるのにあの堂々とした存在感、ほんと全女子の憧れな気がする。しかも美人でバレー部エースと来た。でもそれで話しかけづらいんだよな…話してみたい気持ちはあるけど。で、チャイムが鳴ったから次の授業の準備を始めた。