漫才「嫁」
ボ=ボケ
ツ=ツッコミ
二人『はい、どうも~』
ツ「よろしくお願いします」
ボ「最近、俺、嫁が出来たんだよね」
ツ「おぉ急だね。別に聞いて無いんだけど知らなかったわ。いつできたの?」
ボ「つい先週」
ツ「そうか、おめでとう。どんな嫁さんなの?」
ボ「写真あるから見せてあげるよ」(おもむろにスマホを取り出す)
ツ「あぁ、このお前の右隣にいる美人の女性のことか」
ボ「違う違う。それ俺の姉ちゃん」
ツ「じゃあ、この次に写真に写っているあの女性か」
ボ「それは俺の母さん」
ツ「いや、違うんかい。お前の家族ばっかじゃねえか」
ボ「俺の嫁も家族だぞ!」
ツ「そういう話してんじゃねえよ。いいから早く見せてくれよ」
ボ「しょうがないな……この子だよ」
ツ「おっ、この人か……ってお前、これゲームのキャラじゃねえか」
ボ「可愛いだろ」
ツ「確かに凄い美少女だけど……」
ボ「これが俺の嫁だよ!」
ツ「……あっ、”嫁”ってそう言う意味だったのね」
ボ「逆にどういう意味だと思ったんだよ」
ツ「いや、普通に結婚したんかと」
ボ「そもそも俺が結婚できると思ってんのかよ」
ツ「まぁ、出来んわな」
ボ「だろ?」
ツ「少しは怒ってくれよ。悲しくなるだろ」
ボ「いやー、でもマジで会社のパソコンで一目惚れでさ」
ツ「ちょっと待って、仕事中にお前何してんの」
ボ「仕事の会議用の資料作ってるときに、広告として出て来てさ」
ツ「確かに最近、そういうゲームの広告増えてきたけど」
ボ「もう余りにも可愛くて、思わずプレイしちゃったよね」
ツ「本当にお前何してんの。え、仕事中にゲームしたの?一目ぼれしただけじゃなくてプレイまでしちゃったの?」
ボ「あ、うん、そうだけど……」
ツ「なんで『俺、何かしちゃいました?』みたいな反応されているのかがよく分からないんだけど」
ボ「それで、まぁ、マジで好きになっちゃってね。この子と付き合いたいなって思って」
ツ「いや、ゲームのキャラと付き合える訳ないじゃん。何言ってんのお前」
ボ「あっ、そうか、確かにそうだよな」
ツ「……なんか聞き分け良いな」
ボ「だって、うちの会社『社内恋愛』禁止だもんな」
ツ「いや、そういうことじゃないんよ。別に俺たちの会社の決まりが厳しいっていう訳じゃないのよ」
ボ「でも、出会ったの社内だし」
ツ「あたかもリアルで出会ったかのような言い方するんじゃないよ。出会ったって言ったって画面上じゃないか。それも日中、会社のパソコンで」
ボ「だけど、彼女も俺の名前知ってくれてるんだよ。毎回会うたびにちゃんと呼んでくれるし」
ツ「そりゃ、お前ゲーム始める時に自分のユーザー名決めるからな。というか今時自分の本名をユーザー名にする奴いるんだね」
ボ「ちょっと今度勇気出して告白してみようと思うんだけど、どうかな?」
ツ「そんな勇気は会社のパソコン使ってるんだから仕事に活かせよ」
ボ「まさかそんなに言われるなんてな。ただ俺は恋愛がしたかっただけなんだけど」
ツ「いや、だから2次元のキャラを3次元の恋愛に落とし込もうとすな。流石に無理だぞ」
ボ「うーん、やっぱり無理か。お前がそこまで言うなら仕方がない。諦めるか」
ツ「そう、やめとけやめとけ」
ボ「そう言えば、ちょっと話変わるんだけどさ」
ツ「おう、どうした」
ボ「最近、この地下アイドルの子も好きになっちゃったんだよね」
ツ「全然話変わってないじゃないか」
ボ「この子にも今度告白してみたいんだけど。どうかな?」
ツ「別に3次元にしたから良いって話じゃないんだけどね。もういいよ」
二人『どうもありがとうございました』




