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魔術師ソフィアの青春  作者: 華月 理風
魔術学院3年生
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リチャードの贈り物



 後期の試験が無事に終わった翌日は、12月15日。

12月16日から、建国祭の長期休みなので、3年生として学院に居られるのは今日が最後。

毎年12月15日は帰宅準備の日となっており、授業は無くお休みだ。


さらに、12月15日は、アムールの日にお菓子をもらった男生徒が、女生徒にお返しをする日でもある。

朝食をエリザベスとジェニファーと一緒に食べていたら、いきなり、リチャードから、

「これ、やる。」

ピンクのリボンがかかった小さな箱を、お皿の横に置かれて、びっくりした。


「わたくし、お菓子を、あげてません!」

と、慌てて返そうとしたら、

「お前に、渡したいんだ。要らないなら、その辺に捨てろよ。」

と、さっさと歩み去られてしまった。


「うわ、何もらったの?いいな。見せてほしいな。」

と、ジェニファーが勝手に盛り上がっている。


仕方なく、その場で、リボンをしゅるっとほどき、箱を開けてみる。

中には金色のチェーンに小さな青いバラのペンダントトップが付いたネックレスが入っていた。


「これ、サファイアじゃない。しかも、すっごく良い品質の石。小さいけど、とても高価よ。さっすが、四大公爵!」

と、ジェニファーが教えてくれて、青くなる。

「そ、そんなに高価なネックレスなの?」

「うん。間違いなく。」

「やっぱり、返してくる!」

「おやめなさい。」

「リズ?」

「リチャードは高価だから、あなたにそれを贈ったのではない、と思うわ。青いバラの花ことばは、奇跡。または、夢がかなう。…彼はあなたに出会えた奇跡を喜び、あなたと一緒に歩く夢がかないますように、という想いで、それを選んだ、と、わたくしは、思うの。」


 彼は意外とロマンチストよ?と、エリザベスは微笑む。


「確かに、ロマンチストかも。金色の鎖は彼の髪の色。この石の色は彼の瞳の色じゃない!」

うらやましい、とジェニファーが笑う。


「…休み中に、リチャードが来たら、ちゃんと向き合った方が良くてよ?」

エリザベスの言葉に、黙ってうなずかざるをえなかった。




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