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魔術師ソフィアの青春  作者: 華月 理風
魔術学院3年生
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諦めたくない想い



 私はスナイドレー教授の執務室を飛び出した後、自分の寮室に帰り、ベッドにうつぶせになって泣いている。


 お菓子を捨てられた瞬間、自分のことがようやく、はっきり、わかった。

スナイドレー教授が本気で好きなんだ。

認めてしまえば、簡単なことだった。

入学初日から、あの目に捕らわれてしまっていたんだと、思う。

憎まれている理由はわからないけれど、いつかは私自身を見て好きになってほしかった。


「だめ、なのかな…。どうしたって、想いは、届かないのかな…。」


 もう、諦めようか。


 私を好きだと言ってくれている、リチャードやリュシュー先輩もいる。

何が悲しくて、自分を憎んでいる人に想いを寄せなければならないのだ。


「でも。」

胸をぎゅっとつかむ。


いつも、しかめっ面をして、冷たい目をして、笑顔など見たことがない、教授。

そんな彼の、笑顔を、見たい。


「諦めたくない…。」


 どうせ、私は失うものが無い。

学院を卒業したら、ダングレー侯爵家には帰るつもりはないから、家も家族もない。

あがいてみよう。諦めないで。

卒業したら、きっと会えなくなる人だから。卒業までは、いっぱい話しかけてみよう。

なぜ、私が嫌いなのか、聞いてみよう。

どうせ嫌われているのだから、これ以上、嫌われたって、問題ない。



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