ハードな授業
魔術を使う授業は、基本2時限がセット。
魔術を使っているとあっという間に1時間なんて簡単に過ぎてしまうから。
戦闘魔術以外に、1年生が学ぶのは、7科目もある。
化学魔術。これは魔術を使っていろいろ実験するらしい。
物理魔術、魔術を使って空間に干渉することを学ぶそうだ。転移もここで学ぶ。
変身魔術。その名の通り、変身術を学ぶ。
音楽魔術。音楽を通して魔術を行使する。人の心を操ることもできるらしい。こわい。
絵画魔術。絵画に魔力をこめると絵の中の光景が動くそうだ。
料理魔術。料理に魔力をこめると、いろいろな働きをするらしい。元気になる料理、またはその逆も可能みたい…・
園芸魔術。魔術で植物を育てたり、改良したり、種を作るそうだ。我が国は改良された植物が多く、天候や害虫の影響をうけにくいそうだ。改良された種子は、他国が欲しがる物のナンバーワン。
私を憎んでいるっぽい、スナイドレー教授が担当している薬学魔術は、3年生になってから教わる。
他にも、上級生になると創造魔術や、魔術陣の授業も入ってくるらしい。
国民に広く浸透している、魔力で光るランプも、創造魔術と魔術陣の両方を利用して作られているそうだ。
1年で学ぶものは全員が教養として身に着けるべき内容で、2年生までは必須。
でも、3年生になると選択制になる。戦闘魔術は除いて。
魔術以外の語学(自国語だけでなく、隣国のフォルティス語も必須だ。フォルティスは大国だから。)、数学、歴史学、地理学、の講義も楽しかった。
自分の不思議な図書室でずっと過ごし、本だけで育ったと言っても過言ではない私にとって、教授たちの講義は、浅く広い自分の知識に肉付けするようなものであり、本当におもしろかった。
どの授業も夢中になって聴講し、授業が終わったあとも放課後、質問をたくさん抱えて、教授達の部屋を訪ねるのが日課だ。
ちなみに、普通の授業以外にも、貴族としてのマナー教室と社交ダンス、乗馬のレッスンも毎週1回受けさせられる。
これらの授業は、エリザベスやリチャード達、大貴族が有利だったけれど、将来、王宮で勤めるかもしれない時を考えて、必死で食らいついていった。
朝から晩まで、みっちりと勉強三昧の日が続く。
やっと授業を受けて1週間が終わり、次回は、初めての休日になります。親しい友人が増えるかも。