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魔術師ソフィアの青春  作者: 華月 理風
魔術学院5年生
167/172

籠城戦1



 この屋敷の結界の張り方は、フィロスに教わっている。

フィロスが張った結界に私の魔力も重ねて二段重ねにし、さらに人も通さない威力に上書きしてから、フローラ様の部屋に入る。

もちろん、寝室のタペストリーはしっかり下ろしドアは隠してある。


 開戦と同時に、フィロスから、この部屋の氷室に水と食料はもちろん、普段必要なものを数ヶ月分運びこんだと、教えてもらっていた。

籠城するのになんら問題はない。

フィロスが迎えに来るまで、あるいは、学院が始まるまで、ここに籠もろう。


私の命を人質になぞ、絶対に取られない。

フィロスの足手まといになってはならないのだ。





「ねえ、グレイス。この部屋から、屋敷の中って見られないの?」


お茶を淹れてくれているグレイスに聞いてみる。


「ご覧になれまするよ。」

「本当?どうやって?」

「わたくしめにお命じになれば、わたくしめの目を通して、お望みのお部屋を、壁に映しだすことが、できまする。」


試しに、フィロスの寝室を映してみてほしい、とお願いしてみる。

すると、グレイスは正面の壁に視線を固定した。すぐにその壁に寝室の光景が映し出された。誰もいない、薄暗い寝室が。


「うわあ、本当だ。すごい、すごいわ。グレイス!」


日に何度か、玄関ホール、私の部屋、フィロスの部屋などを映してもらおう。


残念ながら、外は庭であっても映せないそうだけれど、窓越しに見えることもわかった。グレイス曰く、室内に、グレイスが立って見ている状況なのだそうだ。


また、屋敷に張った結界に誰かが触れたら、私もグレイスもすぐわかるらしい。

籠城していても、外の様子を窺うことができそうで、少しほっとした。


難点は、どうやってフィロスと連絡が取れるか、だろう。

それについては、グレイスも何もできないそうだ。


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