表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔術師ソフィアの青春  作者: 華月 理風
魔術学院5年生
146/172

ソフィア暗殺命令



「スナイドレー公爵が領地の屋敷に引っ込んで出てこないそうだな?」

「はい、閣下。」

「理由は?病気か、怪我か?それとも、何か、企んでいるのか?」

「噂ですが…婚約者の具合が悪いらしく、それに、つきっきりで世話をしているとか。」

「まさか。ありえませんよ、ねえ、閣下。あの冷酷なスナイドレー公爵ですよ。婚約者にうつつを抜かすわけ、ないじゃないですか。」

「まて。婚約者の名前は?」

「ソフィア・ダングレー侯爵令嬢です。」

「ダングレー…。」

「閣下?」

「ありえる、かも、しれぬ。」

「閣下?」

「君らは知らないだろうが、スナイドレー公爵は若いころ、異常に執着していた許婚がいた。かの有名な平民と駆け落ちしたリディアナ・ダングレーだ。」

「なっ!」

「君らが知らないのは無理もない。当時のスナイドレー公爵が恥をかかされたと、緘口令を敷いておったし、そもそも、この婚約自体が公表されていなかったからな。」

「では…?」

「リディアナの代わりに、娘を手に入れたのだろう。としたら、その娘に執着したとしても不思議ではない。」

「閣下…。」

「スナイドレー公爵には何度も暗殺者を向けているが、ことごとく、失敗している。」

「申し訳、ありません。」

「良い。やつの実力は魔術師団長と同等か、それ以上だからな。よほどのことが無い限り、成功しないだろう。だが…。やつに弱点ができた。」

「ソフィア・ダングレー侯爵令嬢。」

「そうだ。今後、やつだけでなく、令嬢も狙え。…殺せ。」


「お待ちください。閣下。」

「リュシュリュウ、か。なんだ。」

「殺すのは、お許しを。…彼女は、わたくしの妻に迎えとうございます。」

「そういえば、そなた、学生時代から、彼女に固執しておったな。…ふぅむ。だが、彼女を振り向かせる自信があるのかね?」


 リシュリュウ・ライドレーは唇を噛む。


「自信がなさそうだね。…とはいえ、私は、君にも幸せになってもらいたい。彼女を攫って強制的に君の妻にしてしまえば、良いね?最初は軟禁せねばなるまいが、君が誠意を尽くせば、彼女の心も変わっていくだろう。彼女はまだ若いからね。」

「閣下、ありがとうございます。」

「ふむ。では、ソフィア・ダングレー令嬢を誰かに攫わせよう。リュシュリュウ、君が動いても良い。ただし、リュシュリュウ。状況によっては、彼女を殺す。その時は諦めてもらえるかな?」

「はい。閣下の寛大なお心に、感謝します。」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ