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魔術師ソフィアの青春  作者: 華月 理風
魔術学院4年生
132/172

ソフィアの帰還



 いきなり、目の前の金色の光の柱が閃光を放った。


「つっ!」


フィロスはとっさに目をつぶる。まぶた越しに光が突き刺さるように痛い。

その圧が無くなったのを感じて、目をあければ。


「ソフィア!?」


金色の光も、魔術陣も、すべて消えて無くなって、いつもの内庭にソフィアが倒れていた。

全身、真紅に染まって。

グレイスの言葉が木霊のようにわんわんと頭の中に響く。

「ソフィア様も、死んでしまいます。フローラ様のように、真紅に染まって。」


「ソフィア!?」


抱き上げれば、まだかすかに息がある。弱いけれど心臓も動いている。


「ふ、ぃ、ろす?」


ソフィアの手が彼のほほに触れる。


「あ、良か…った。もどれ、…て…。」

ごふっと喀血して、ソフィアの頭が、がくっと落ちる。


「ソフィア!」


フィロスは彼女を抱きあげ、自分の寝室に飛び込み、ベッドに寝かす。

万一のことを考えて、寝室にはあらゆる種類の薬を用意してある。


彼女が着ている服は着ているとは言えないほど、ボロボロのずたずただ。

ためらわずに、細い短剣で上から下まで切り裂きはぎ取り、身体を診ていく。


「内臓破裂、骨折、火傷、裂傷、…。」


ギリギリと歯噛みしながら、フィロスは薬を次から次へと、口移しに飲ませていく。


「出血は止まった!…皮膚が再生されてきている。骨もつながってきたな。内臓は…、とりあえず、心臓は動いている。」


薬湯に浸したシーツで、彼女をくるむ。


「…ちっ!出血が多すぎだ。造血剤、間に合うか!?」




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