わたしの秘密2
「本は、ここから、持ち出せないんだね?」
「ええ。もしかしたら、宝飾品同様、ばらしたら、持ち出せるのかもしれないけれど。」
フィロスも顔をしかめる。
「また現れるかもしれないが、あまりやりたくないな。」
「そうなの。わたくしも、そう思うわ。」
同じ考えで、うれしい。
それに筆記用具は持ち込めるので、写本は可能だ。
「あ、さっき、呼び出した本。読みません?4宝具のこと、もっと知りたいので。」
「ああ、そうだな。」
わずか3冊。なので、それぞれ、別の本を手に取り、読み始める。
3冊とも恐ろしく古い本で、書かれている言葉も古語だ。
一番古い本は巻物なので、建国のドラコ王の時代のものかもしれない。
幸い、フィロスも私も古語に堪能だから、どんどん読んでいく。
わかったことは。
4宝具はドラコ王が作った魔道具。
この世の知識と、財宝、武力、健康の4つを、全て我が物にするために。
宝具で出現するのは、図書室、宝飾室、武具室、薬草室。
このうち、武具室は中興の祖と言われる初代王の生まれ変わりと言われたほどの大魔術師の国王ドラコ12世王がクリスタルを破壊したので消滅した、と書いてあった。
とすると、今、残っている3宝具のうち2つがここにあり、残りひとつ薬草室のクリスタルネックレスがどこかにある、ということだ。
残念ながら、それぞれの宝具が誰に引き継がれていったのかの記録は残っていない。
4宝具は、持ち主が譲る意思を持った相手にのみ譲ることができる。
譲る前に亡くなった場合は、クリスタルは引き寄せられる人物のところに転移するらしい。
うれしい発見もあった。
このネックレスは同時に2人で所有できるそうだ。やり方も書いてある。
ただし、所有者が2人になった場合、どちらかが死亡しない限り、他の人に譲ることができなくなる。
また2人のどちらかが、相手から取り上げようとしてもできないそうだ。
それがわかった時、私達はお互いに相手に所有権を設定し直した。
ネックレスが2個に分裂し、それぞれ2つずつネックレスを首にかける。
鎖はとても細く軽く、クリスタルも小さいため、違和感はあまり感じない。
でも、良かった。
今までは、「ドラコ王の4宝具」という言葉を知らなかったから、調べられなかった。
「図書室」で探すと、埋まってしまうほどの本が積みあがるので、とてもではないけど探しようもなかったから。
フィロスのおかげで、このネックレスが何なのか、少しだけ、わかったし、何よりも、私達はお互いに好きな時に、宝飾室と図書室に出入りができる。
それから、後日、わかったことだけれど、2人が一緒に手をつないで、どちらか片方が呪文を唱えて移動すれば2人一緒にいられるけれど、同じ時刻に二人が別々に移動した場合、同じ空間にいるはずなのに相手が見つからず、名前を呼んでも聞こえないことがわかった。もしかしたら別々に入った場合、それぞれ固有の空間が作られているのかもしれない。




