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魔術師ソフィアの青春  作者: 華月 理風
魔術学院1年生
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初めての買い物




「やっほー。またすぐ会えたねえ!」

緑青の髪と瞳を持つ4歳くらいの男の子が私に笑いかける。

「街に行くよ!ついてきてー!」


走り出した案内者に、

「待ってー!そんなに早く走れないから!」

と慌てて、私は声をかける。

そう。ほとんどの時間、自分の部屋から出られなかったから体力の無さには自信がある。

自慢じゃないけど。


「ええー、まだ若いのにー。」

「あなたよりは年上よ?」

「へ?ボクより年上?」

急に、げらげら笑いだす案内者。

「え?違うの?」

「少なくとも、ボクは400年くらいここにいるよ?」

「うそっ!」

「ほんとだよぉおお。オバレーのおばさんに聞いてみたら?オバレーがこの学院に入学したときも、ボクが案内したんだし!」

「人間…じゃないの?」

「ふふふ。そうだね、人間ではないね、ボクは魔術で生み出された魔道具だから。」

「初めて、会った…」

「ふふふ。そうだね。ボクらはこの街の外には出ていかないからねー。」


「…ねえ、名前を教えてほしいのだけど。」

「案内者って言ったでしょー。」

「案内者って…。それが名前だって思えないんだもの。」

「うーん。でもそう言われてもね。僕を必要とするのは初めて学院に来た時くらいだし。」


「ああ、最初のお店に到着!さ、時間ないんだ、早く買い物してよ。まだあと何軒か行かないといけないんだからさっ!」


最初のお店で、普段着を数着。下着や寝巻、靴下も。

2番目のお店で、外出用と校内用の靴を1足ずつ。

3番目のお店で、文房具。ノート、ペン、紙ばさみ、カバン。

どの店も寮室まで転移陣を使って届けてくれると言われた。

荷物を持たず身軽だったので、商店街をウィンドウショッピングしながら歩くのがとても楽しかった。

思ったよりもたくさんの人が行きかっていて、にぎやか。

今日は無理だけど、お休みの日にあちこち見て回りたいな。


どのお店でもお金を請求されなかった。

今回に限ってだけど、学院から払い込まれるそうだ。

本当に最低限は国がそろえてくれる。すごい。




自分の洋服や道具を持っていなかったソフィア。やっと、普通の女学生らしく、自分の物が手に入りました。次回、初めて、お友達ができます。

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