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婚約破棄とは?  作者: 種桃
1/11

1.殿下は…何を言っておいでなのだ…?

初投稿作品となります。

迷走してますが、完結しておりますので、読んでいただけると嬉しいです。

お手柔らかにお願いいたします…


「エルーナローズ・ワイエ!貴様の傲慢で残虐な行い、もはや見過ごす事はできん!アルマ・ジニエ男爵令嬢にたいする数々の行い、身に覚えがないとは言わせないぞ!」


 現在地は王宮の大広間。

 近隣の賓客を招いて国王主催の夜会が開かれている、その玉座のまん前で突然始まったのは、第一王子アーノルド・シュナイル・ホワイエによる大公家令嬢への糾弾であった。


「貴様のような女は、国母たる王妃にはそぐわない。そなたとの婚約は破棄させてもらう!そして、この、慈悲深く、思慮深いアルマ・ジニエを正妃とする!」


 アーノルドは渾身の一撃だ!とでも言うように傍らに立っていたピンクのドレスを着た令嬢を抱き寄せると、エルーナローズにドヤ顔をしてみせた。


 突然、糾弾の対象とされたエルーナローズは、目の前で堂々と偉そうに立つ従兄弟、アーノルドとその腕に抱かれるご令嬢を扇越しに観察した。


 アルマ・ジニエ男爵令嬢というのは、彼が抱きしめている、胸部装甲が大層立派なご令嬢の事であろう。

 夢見るように目を潤ませて、自分を抱きしめるアーノルドを見上げる様は、確かに愛らしいと言えなくもないが、やはり何よりも目を引くのは、抱きしめられることによって押しつぶされ、さらに己の腕で左右から押し上げるように持ち上げられているその部分である。

 実に立派なモノを装備したご令嬢だ。


 ただ、今まで一度も、誰からも紹介された事がない為、エルーナローズには全く見覚えがなかった。多分、貴族学園には在籍していたのだろうとは思うのだが・・・。


 それよりも問題は・・・と、エルーナローズが考えたところで、広間にとても良い声が響いた。


「殿下は・・・何を言っておいでなのだ・・・?」


 遠巻きに見ていた高位貴族の中から、ぽつりと聞こえてきたその言葉。

 思わず出てきたであろう、その言葉は思いのほか会場に響いた。


 その言葉に意識を戻されたエルーナローズの兄、シュドルフとその双子の姉、アンナベラが、妹エルーナローズの左右に寄り添うために移動しはじめた。賓客のもてなしを率先して行っていたのだ。

兄は胡散臭いほどのキラキラ笑顔を浮かべ、姉は妹と同じく扇で顔を半分隠してネズミを見つけた猫のように瞳をキラキラ光らせている。

 どうやら、再起動した途端に従兄弟を敵と認定したらしい。無理もない。


「殿下。今、この場で、妹を中傷なさる意味を、殿下は分かっておいでなのでしょうか?」


 シュドルフが殊更にっこりしながら、ゆっくりと第一王子の真意を問う。


 国外からの来賓の前で無様を晒す事決定となれば、国の威信にも傷がつく。

 国賓を招いての夜会は、当然だが理由がある。当然祝い事だ。

 そのような場での、王家に次ぐ地位を賜る大公家の令嬢を糾弾するような発言が、どれ程の結果をもたらすのか・・・分かってるんだろうな?

 シュドルフの心の声を、会場のすべての人が聞いた気がした。


「もちろんだ。未来の国母には、誰が相応しいか!すべての貴族、賓客に周知せねばならん。その為に、この宴は開かれたのだからな!」


 王子は分かっていなかった。夜会の趣旨からして、分かっていなかった。

 当然だが、大公令嬢を弾劾する為に開かれた夜会では、断じてなかった。


「・・・殿下は・・・本当に・・・何を言っておいでなのだ・・・?」


 先ほどと同じ人物が、またも呟いてしまったらしい。よほどタイミングが良いのか、またしてもよく響いた。

 先ほどよりも、混乱が進んでいるようで、搾り出すような声になってはいたが。


 お声が良すぎる弊害かしら?エルーナローズは暢気に思った。


「殿下の婚姻は陛下の御心によって決まります・・・何より、我が家から殿下の婚約者が出ることは・・・」

「・・・宴の趣旨も・・・お間違えですわ・・・」


 シュドルフも、何をどう言えば良いのか、言葉に詰まったようだ。

 再起不能に言い負かす気に満ちていたアンナベラすら、真っ当な言葉しか出てこない。


 そんな従兄妹をどう思ったのか、いかにも俺様、考えてる!俺様、偉い!といったドヤ顔で浮かべる第一王子アーノルド(18)。

 普段から「大変優秀」と誉めそやされる大公家の双子(24)をやり込められる、絶好のチャンス!とでも思ったのかもしれない。

 実に残念だ。


「下位貴族を虐げるということは、平民をも苦しめる可能性があるということだ。そのような品性下劣な者を国母に据えるなど、我が王国には害にしかならぬ!陛下もご理解くださるに決まっているではないか!それを、陛下が来られる前に詳らかにしようとしたまでだ!」


 会場の9割9分の人々は思った。


 国賓ノ前デ、スルコトジャ、ナインダヨー?





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