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どうやら、魔王に召喚されたようです  作者: 蜂蜜
1 どうやら、戦闘するようです
16/33

弱点…日光~ビス~

今回より、シリスさん以外の幹部達です。

皆さん名前が出てきただけなので、そろそろね、出番をあげないと。

ビスって種族なんだったか覚えてます?タイトルで分かると思いますが。


ということで、どうぞ。

「はぁ、面倒だな。しかもまだ昼過ぎではないか。力の半分も出せん」


 そう、不満げに呟くのは、魔族領幹部が1人、吸血鬼のビスだ。

 言わずもがな、吸血鬼の弱点は日差しである。ので、戦闘の際には夜中の奇襲等が良い手となるのだが………、


「人手が足りないとは、まったく。魔王様の為に働くのはいいのだが、それでも真昼間はないだろう」


 このように真昼間である。曇りならまだ良かったが、晴れである。快晴だ。雲一つない青空とはこういうのを言うのだろう。

 力のある吸血鬼であれば、陽の光を浴びても灰になったりはしないのだが、それでも大多数の吸血鬼は動けなくなる。

 一応対抗策は有るが、長く持つものではなく消耗も激しい。吸血鬼にとって、昼の行軍は自殺行為なのだ。


「結界が無くなって防御面が心配なのは分かるが、それでも人手不足は頂けない。魔王様への忠誠が足りんな。全く」


 吸血鬼は他の種族と違い、魔法を使わなくても十分強い。自己再生・分身・霧化・蝙蝠化等、戦闘面において、吸血鬼は凄まじい強さを示す。昼間に戦闘などしなければ、だが。


 現在の状態のまま迎撃しても、勝機は薄い。

 故に、奥の手を使う。


「おい。白夜(ナイトメア)の準備だ。急げ」


「はっ!」


 ビスが声をかけると、声をかけられた吸血鬼は後方に下がって行く。ビス達吸血鬼は今、急遽作られた土の塊(たてもの)の中に居る。見てくれはとても不格好だが、陽の光を防げるだけでも十分だ。

 現在後ろでは、大規模魔術 白夜(ナイトメア)の準備が成されており、割と忙しそうにしている。


 〔白夜〕は、陽の光に晒されていても戦えるよう開発された魔術だ。黒色魔法により、自信に降りかかる日光そのものを()()()させる。それにより、日光の影響そのものを弱体化させる。

 無限に降り注ぎ続ける日差しを防ぐのは、一人ではとてもではないが出来ないので、後ろでは慌てて準備しているわけだ。



「さて、そろそろかな?」


 遠くの方で、何か叫び声のようなものと、凄まじい爆発音が聞こえ始めた頃ビスは漸く立ち上がった。部下達は、何時でも白夜を発動出来るように備えている。


 やがて、足音が聞こえ始めた。人族のお出ましだ。ビスは素早く指示を下す。


「皆の者前へでろ!只今より〔白夜〕を発動する!効果が続いている間に少しでも多くの人間を無力化しろ!私の出番が無いぐらい暴れて来い!では行くぞ!〔戦術魔術 白夜(ナイトメア)〕発動だ!」


 ビスの指示と同時。背後から光が、それも黒い光が溢れ出る。溢れ出た光は戦場に漂い始め、吸血鬼や人間の兵士達を覆う。

 既に魔術を発動した者以外の吸血鬼達は交戦しており、金属の衝突する音が聞こえてくる。

 殆どの場では吸血鬼が優勢だが、やはり日光による弱体化が痛いのか、時折隙をつかれて傷を負い、離脱している者も居る。傷があるとそこから光が入り、余計に弱体化してしまう。その為、小さな傷でも離脱せざるを得ないのだ。


 決着を早めねばならない焦りもあってか、徐々に押されてくる吸血鬼。人族の方も、好機と見たのか押しを強める。傷を治した者から復帰するが、とてもじゃないが足りない。

 いよいよ抜けられるかという所で、ビスが動いた。


「やはり私が居なければ駄目なようだな。ふん、貴様ら、帰ったら鍛錬をもう少しキツくせねばならないようだな」


 ビスのその言葉に絶望的な表情をする吸血鬼達。泣きだしそうな者もいる。ビスはそんなこと気にもとめず、前線へと飛翔して行く。

 前線へと出てきたビスは、右手を一振する。それは空を切っており、触れてすらいない。しかしそれだけで、前に出ていた人族の兵士の鎧に大きな爪痕ができ、吹き飛ぶ。後方に居た仲間を巻き込み、被害を広げていく。


「やはり加減が難しい。今の最大は平常時の7割位か、今のが3割程度だから、1割ぐらいに調整すれば丁度いいだろう」


 そう言ってもう一振。今度は爪痕さえ残らなかったものの、吹き飛ばないよう踏ん張る者が多数。

 そこに追い討ちをかけ、気絶させる。しかし、人間達もやられたままでは無い。詠唱を終えた魔道士達が、魔法を打ち出す。様々な色(と言っても5色だが)と形をした魔法が多数。間隔を開けて飛んでくる。

 普段のビスであれば無視しているが、弱体化中ではそうもいかない。仕方なく自身の指を少しだけ噛み切ったビスは、吸血鬼特有の能力を発動させる。


「〔(シールドスタンス)〕」


 ビスの指から流れ出る血液は、空中で集まり固まり、円形の盾となる。それを複数作ったビスは、魔法の防御をそれらに任せ、兵達への攻撃に戻った。

 盾は完璧に魔法を防ぎ、ビスへは一発も通さない。その後も攻撃を続けたビス達だったが、ここで〔白夜〕が限界を迎える。辺りを覆っていた霧のような光が晴れ、吸血鬼へと日光が降り注ぐ。


「な!?予定よりも解けるのが早い!どういう事だ!」


 ビスの予定では、後10分は発動しているはずだったのだ。しかし早くに解けてしまった。


 原因は分からないが、このまま戦っても日差しがあれば不利となってしまう。

 では撤退するか?それは否だ。ここで引いても、結局押し込まれてしまう。であるならば、どうするか?

 答えは至極簡単。

 要は、日差しに当たらねば良いのだ。

 ならばやることは単純。


 日光よ、()()()()()()()()()()()()()


「〔光を喰らう者(ライトイーター)〕」


 第二ラウンド開始だ。


 ──────────────────────────

 第一部隊→龍地:全滅(熟睡)

 第二部隊→シリス:全滅(八つ当たり)

 第三部隊→ビス:与えた損耗 三割 被った損耗 六割

おっかしいなぁ、1話で終わるはずだったんだけどなぁ…

書いてるうちに色々と書きたくなっちゃってですね……。流石に次で終わると思います。


面白かったら、ブックマーク・評価よろしくお願いします。

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