内情
お久しぶりです。
投稿遅れて申し訳ありません。
それでは、どうぞ。
同じ色の魔法でも、用途が異なることがある。
例えば赤色魔法。
龍地が使った火炎球のような攻撃用の魔法や、料理に使うような生活用、補助用の魔法。
同じ赤色に適正のある者でも、得手不得手がある。
シリスでさえも得手不得手はある。魔族側の幹部なのだから、得意なのは当然攻撃魔法。補助系統の魔法も使えない訳ではないが、魔法の質は攻撃魔法に遠く及ばない。
そして、その攻撃魔法だが、種族が、魔法が得意なウィッチだというのもあり、魔王を除くと、魔族内ではトップの適正となっている。召喚者である龍地でさえ及ばない適正なのである。
では、何故その龍地が規格外なのか、龍地の赤色への適正は、シリスに及ばずとも遠からず、という程度。潜在能力が引き出されていてそれなので、それが限界、シリスに届くことは無い。しかし、龍地はこの高さの適正を5色全てに持っているのだ。規格外と言われる訳である。そもそも5色に適正がある事がおかしいのに、それぞれの適正が平均より遥かに高い。稀に2色に適正を持つ者が居るが、必ずどちらもが平均を下回っていた。本来1色に割り振られるはずの力を、2色に分けるのだから当たり前だ。
と、龍地のことはこの辺で。そちらはまだいい、あくまで有色の範囲に留まっているからいいのだ。更なる問題はもう1人の方だ。そう、霞である。
こちらはもはや色すら無い。無色だ。
無色魔法というのは、概念等の、主に目視出来ないものに干渉する。重力・時間・空間・精神…などである。事象に干渉するため、無色魔法そのものに攻撃性はないが、その分使えれば、生活にとても便利だ。植物の成長を早める、収納の空間の拡張、精々このぐらいが限度のはずなのだ。そう、“はず”なのだ。
精々、生活に使うぐらいしか出来ないはずの無色魔法を、霞は、攻撃に使っているのだ。
重力を切り離し、拡張どころか空間を切りとばし、挙句精神まで操る。その内時も止めそうだ。
このように、明らかにおかしい使い方をしている。
魔族からすれば、現時点では仲間だからいいが、2人は人間だ。万が一人族側に寝返られでもしたら、魔族は大変な苦戦を強いられることとなる。これに気づいた時、魔族の幹部達は頭を抱えた。
実際、そんなことを2人がするわけないのだが、そこはどうしようもない。
そんな、魔族を悩ませる、魔族が招いた人間の勇者は、現在食事中。実に幸せそうな表情で、ステーキを頬張っている。
呑気なものである。一応戦争中だというのに。
きっと戦闘に入ると、2人は今度は、相手の人間達を驚かせるのだろう。
2人がいる限り、この世界の住人の心は休まらない。
久々なのに短い…
しかも話が進まない…
何処かに才能って、落ちてませんかね……?
次はちゃんと話が進みますので、ご安心を。