第9曲
割と早め…?
あと評価してくださった方ありがとうございます!
凄く感謝してます!
やる気出て多分早めに投稿できたかなぁ〜汗
「とりあえずこちらへ来ていただけるか!」
そう大声で衛兵長が声を掛けてきた。
どうやら作戦会議は終わったようだ。
俺は言われた通り黙って呼ばれた方向へ足を進める。
広大な月の灯りによって段々とお互いの姿を認識できるようになってきた。
こちらは視力がバカが付くほど良いので、相手の顔までも分かるようになってきたが、あっちはどうやらまだわかっていないようだった。
目が良くない人がよくやる目を細める仕草をして、どうにかしてこっちをどんな人物か見ようとしているのが伺える。
そしてとうとう向こうも俺の全てを見ることができるようになったころ、なぜかはわからないが顔が青ざめ始めたようだ。
コソコソと話し始め、俺の視力を持ってこそ見えるが大して暑くもないのに汗もかいている。
「突然の訪問をお許しください。本当に道に迷ってしまい、帰路がわからなくなってしまったのです」
そう、俺はロープレをしながら相手へ言葉を放つ。
普通に人が会話する距離まで近づいたからこそ声をかけたが、その瞬間、衛兵たちは途端に跪き始めた。
ガジャっと鎧の軋む音を立てながら、片膝は地面に、もう片方は立てつつ腕は胸の辺りへ。
騎士が王様にするような、お伽噺のような跪き方をされ、こちらも訳が分からなくなる。
「も、も、申し訳ございませんでした!!!え、え、エルフの方とはいざ知らず、大変な無礼、お許しくださいませ!!」
汗をダラダラとかきながら向こうも謝罪の項を述べる。
唇はワナワナと震えており、とても大丈夫と言える状態ではなさそうだった。
「お、お顔をお上げください。こちらが突然訪れてしまったのですから、謝ることは何もございません!」
俺もどもっちゃった。
つい噛んじゃったわ。
しかし急にこんな対応をされたら誰だって驚くもんだろ。
いくらNPCとは言え、かなりリアルに作られているゲームなので本物にしか見えない時が多々あるのは良くあることだ。
笑い話の中には、超絶美人なNPCに惚れてしまい、同じ言葉しか話せないNPCに一日中声をかけ続けてアプローチしていた男がいる、という逸話が存在する。
そんなNPCたちが汗をかき………。
(ん?汗?)
待て待て、プレイヤーですら汗はかかないぞ。
どう言うことだ…?
しかもこの顔色。
まるで本物の人間のような…と思考の沼に嵌りそうになったとき、向こうが話しかけてきた。
「あ、ありがたき幸せにございます。しかし、我々矮小な人族にそのようなお優しいお言葉は必要ございません。これはこの国の“意思”であり、我々国民の“総意”でございます」
「え、はぁ!?わ、矮小…ですか?」
笑えない自虐だ。
聞いていて嫌な気持ちにさせられる。
「ええ、矮小でございます。ひとつもとりえがなく全てが凡言わざるを得ないこの種族には、これより似合う言葉など存在しないでしょう」
国の意思……法律ということだろうか?
よくわからないが洗脳に近いものを感じる。
この人たちは本当に自分が矮小な種族であると心から思っているような口ぶりだ。
正直言って気持ちが悪い。
「そ、そのようなことはないと思いますが…。我々こそ筋力は他の種族に劣るわけですし」
「いえいえ!神に創造されしエルフ様とは品格というものが違われます!筋力などと言うものは“キントォレ”をすればどうにかなります!!エルフ様の中にもそれはそれはご立派な筋肉をお持ちの方は多々いらっしゃいますゆえ。そのような卑下などおよしください!!」
キントォレってなんだよ!?
筋トレだよな?そうだよなぁ??
卑下するなってのはこっちのセリフだっての!
なんだこのイベント…。
誰得なんだ一体、どこの客層向けなんだ…?
ブックマーク、評価等よろしくお願いします!
ポイントが上がるとやる気がでます!
毎回増えてるか見るのが怖いです……。