第26曲
最後のほうはYouTube見ながらやってたので少し文がおぼつかないかもしれないですww
では、楽しんでくださるとうれしいです!
どうぞ!!!
木製で重厚感のある扉を押し開く。
やはり高い宿なだけはあるのか、さび付いた不快感をあおるような音は一切しなかった。
扉のわきには直立不動の姿勢でジッと立っているケルートの姿が目に入る。
扉が開いたことの気が付いたのか、ゆっくりとこちらにエルフ特有の翡翠の宝石のような目がこちらのほうへ向けられた。
「シギ様、具合のほうはいかがでございますか?」
「えぇ、だいぶ落ち着きました。せっかく案内していただいたのにゆっくりできず申し訳ありませんでした」
「そんなっ!お気になさらずともまた行けばよろしいのです!」
軽く先ほどのことを話題に上げつつ、謝罪も織り交ぜながら中へ招き入れる。
失礼しますと礼儀正しくあいさつしながら入室したケルートをリビングルームへ誘いながら軽く談笑し、先ほどから腰かけていたソファに再度腰を掛けた。
「ケルートさん、あなたもかけてください」
相変わらずケルートは横に立っている。
酒場の時と違って話をするのが目的であるから後ろではないが、それでもやはり自分だけが座っているという感覚はどうも慣れない。
まぁそもそも奴隷制度というもの自体に慣れてはいないのだが…。
「いえ……しかし私は─────」
「それならば立って話をしましょうか」
何を言うかは大体予想がついたため、それをあえて遮ってこちらから対等になろうと試みる。
相手が座らないのならばこちらが立てばいい。
するとそんな姿勢を見せた俺に焦ったのか、ケルートが全身でそわそわしながら─────
「わっ、わかりました!!ですからシギ様はおかけになってください!!!」
押してダメなら引いてみろ。
これこそその言葉を表した状況だろう。
うまくいってケルートには申し訳ないが少しだけ笑みを浮かべてしまう。
机をはさんで向かい合わせに同じソファに座り、ようやっと話し合いといける。
まだまだ知りたいことがたくさん会うのであまり時間は無駄にしたくない。
「さて、それでは先ほど教えていただいた話をある程度整理できたので質疑応答形式で確認したいのですが……よろしいですが?」
「仰せのままに。私に応えられることでしたらなんでもお聞きくださいませ」
胸に片手をあてて座りながら器用にお辞儀する。
やはりいいとこの出なのだろうか。
そんなどうでもいいことを思い浮かべてしまうほどきれいだった。
「あー、では一つ目。この世界は”地球”ではない、ということでよろしいですか?」
「はい。その”チキュウ”…というのがどこにあるのか浅学の身を恥じるばかりでありますが…申し訳ありません。存じ上げません」
「先ほどの説明ではこの世界全体の名前は”デキラストリティア”と言い、今私がいる大陸は”デル・コルソー”だと?」
「はい、その通りでございます」
(ふぅん………)
少しの間だけ顎に手をやり考える。
ゲーム内でも”デキラストリティア”なんて言葉は聞いたことない。
ゲーム内の世界はもっと別の名前だし、どっかの地方の名前でも村の名前でもない。
「………の……………あ………あの─────、シギ様?」
「え?あ、すみません。すこし考え事をしていました。えぇと、では次の質問に。そうですね……あっ、この国の名前はなんでしたっけ?」
「あ、はい。この国の名前は”セルシア・シェリティアーノ精霊王国”といい、現在は…《エルデ・フォン・セルシア・シェリティアーノ精霊王》が統治しております。この王ははるか昔から精霊王として即位しており、数々の偉業を成し遂げたとしてエルフからの評判は高いことで諸外国からも有名です」
(ん………?)
少し語気が強くなった気がする。
人間を守る姿勢を見せていたことから今のこの状況をあまりよく思っていないのだろう。
その精霊王というのがどのような人物かはわからないが、俺もあまりいい印象を抱かないのかもしれない。
しかし……まだまだ聞きたいことが山住だ。
もう少しだけケルートにはこの座談会に付き合ってもらわなければならない。
それに、こいつのことも謎だ。
エルフ至上主義のこの国でエルフの奴隷という肩書と言い、人間を守ろうという姿勢と言い。
ついでと言っては何だが、こいつのことも少し知っておきたい気もする。
というか、今の現状を現実逃避なしではやってられない。
どうしてこうなってしまったのか、もはや考えても答えは出ない気がする。
それならばいっそのこと、他のことを考えて思考を放棄してしまうのが一番楽な道だろう。
まぁ、それが出来たら苦労しないのだが、どうやら俺はわけのわからないところに転移してしまったらしい。
ご読了いただきありがとうございます!
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