間奏3
今のとこ順調に毎日投稿できてる!
頑張るぞ~!!!
ちなみに間奏はもう1話でひとまず終わる予定です!
今、あたしの前には油断も隙も無い痴漢魔こと、島崎和子が立っている。
仲良くほかのことしゃべっていると思ったらこれだ。
ほんとに手癖の悪い自称高校生だ。
「はぁ。それで、なんかあった?」
またため息をついてしまった。
果たして今日何度目になるだろうか。
「いやいや、そうやって何回もため息ついてるから元気のおまじないかけてあげたんだよっ!そんなことしてると、幸せ逃げちゃうよ?」
「元気のおまじないって…。そのおまじないのせいでため息が出てるんだけど?」
「嘘つけぇ~、その前からため息ついてるくせにぃ」
いやいや、確かにその前からため息は出ていたが、その´おまじない´とやらでため息が漏れてしまったのは決して嘘ではない。
「詩織君が来てないからでしょ?」
「もう、みんなして何であいつの名前が出るわけ!?」
「いやいやいやいや、逆に気づかれてないと思ってたの?」
え………。
そんなに分かり易かったの!?
確かにため息はついていたが、その要因が別に詩織とは限らないだろう。
だからと言ってこうして二人して当ててきているわけで…。
「え…え?何の話?」
くそ、つい動揺して言葉に詰まってしまった。
「え………。本当に気づかれてないと思ってたならお母さん、この先心配でたまらないわ!」
「誰が誰のお母さんなのよっ!!」
このチビ大根役者め、真実なのかウソなのか全くわからない。
この二人が普通以上の観察眼を持っているだけかもしれないのだ。
ここは慎重に行く必要が…。
「…クラスのみんな知ってることだよ?」
「ブフッ!」
ついついジョッキの中に入っていた飲み物を吹き出してしまった。
人が飲んでいるときに驚かせるようなことを言うからだ。
「ちょ、それどういうことっ!?誰かが勝手に変な噂広めてるのっ!?」
「違くてっ!見てたらわかるってことっ!」
「なっ!?」
そんな馬鹿なっ!?
そんなにわかりやすく接していたつもりはなかったのに…。
このクラスの人はみんなして超能力者の集まりなんだろうか。
「はぁ。だって朱音、詩織君に話しかけられると顔真っ赤になるし、終わった後めっちゃ機嫌いいし」
「いやいや、そんなことないってっ!」
「あれで隠してたつもりなら、ゴズのほうが頭いいよ?」
ゴズとは『ニュージェネ』に出てくるモンスターの一種で強さはピンキリであるが、ここで言われているのはおそらく神話にも出てくる小鬼のゴブリンをモチーフにした緑色のモンスターだろう。
このモンスターはよく揶揄するときの表現として使われることが多い。
その理由は、ピンキリの中でも弱い部類のゴズは頭が悪いのだ。
知能が低すぎてワンパターンの攻撃しかしてこないため、初心者でも軽くひねりつぶせる。
そんな奴と一緒くたにされるとは憤慨ものだ。
「ねぇ…」
すっと目を細めてにらみつけるようにそう言うと、さすがに言い過ぎたと思ったのか目に見えて狼狽し始めた。
「いやだって!あれで気づかれないわけないでしょ!?隠せてると思ってたのに驚きだよ!!」
はぁ……。
口からは吐き出さずに、心の中で大きなッため息をついた。
(もうこうなったら魂が抜けるまでため息ついてやろうかな…)
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