第19曲
本当に遅くなり申し訳ありません!
忙しいわけではないのですが……、いえ、やっぱり少しだけ忙しいです…。
読んでいただけると嬉しいです!
前回の続きなので前書きはナシになってます!
ギギギギーーーー。
軋む扉が、ゆっくりと重苦しく開いていく。
マグリットが退散して行った先に扉があるため、必然的に誰が入室してきたかが目に入ってくる。
その姿は美しく、そして可憐。
新たな闖入者は、またしてもエルフのようだった。
マグリットと似たような格好をしており、濃紺の軍服のようなものを着用していて、学生服の襟のような部分にはマグリットとは少し違った意匠のバッジが付いている。
えんじ色の刺繍が所々に施されており、濃紺とのコントラストを描いていた。
新たな闖入者は、出口へ向かっていたマグリットをすぐ見つける。
制服が一緒なのだから知り合いなのは当然のようで、入室してすぐ声をかけ始めた。
「マグリット。席はどこだ?」
今の一言だけで、どちらの立場が上なのかよくわかった。
同僚という線も捨てがたいが、その態度や声音は明らかに上の立場を示している。
そして「席はどこだ」と言っていたように、席を取れないという考えは頭にはないようだ。
「申し訳ありません、レーブレ1等局員。どうやら旅をしていらっしゃる我等が同胞が先に着席されていたようです」
「なに?旅の同胞だと?」
俺らのことを話しているらしいが、レーブレと呼ばれたエルフの声は不快感を孕んでるように聞こえる。
マグリットとは違い、いくら同胞と言えど少し不愉快なようだ。
そして1等局員という役職からして、数が少なくなるに連れて環境管理局というのは偉くなっていくらしい。
立場が上になるとこんなにも傲慢になってしまうのだろうか。
「我が同胞と言えど、ここは我らの国であり旅の者に席を譲るとは……。マグリット、環境管理局員として恥ずかしくはないのか?」
「そ、それは……。申し訳ありません」
「はぁ。まあいいだろう。私直々に環境管理局員としての立場を示してやろう」
おいおい、なんだか面倒な方向に話が進んでいないか。
俺としては普通の態度であれば退くのもやぶさかではないんだが…。
少しだけ腹が立っているので、今退く気は更々ない。
マグリットに言われたらまだ退いてもいいと思っていた。
人に対する態度は少し引っかかりを覚えるものの、こちらへの敬意が伝わる態度にはやはり好感を覚えるからだ。
しかしこいつは別だ。
俺と対面していないからと言って好き放題言いやがって。
元々俺の心にあった小さな火は、燃え盛る業火のように熱く、そして暗い色を示していたーー。
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